もののけ姫(サントラ) 解説

管弦楽演奏東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮熊谷 弘

ミュージシャン
ケーナ旭 孝
和太鼓梯 郁夫
龍笛竹井 誠
篳篥西原祐二
これらの楽器演奏は随所に出てきます

注意:楽器別解説は曲に登場するすべての楽器を表しているわけではありません。
アシタカせっき
この曲は映画が始まってすぐ(説明の字幕)の所で使われています。はじめ、2回ドーン、ドーンを低い打音で室町時代のもののけ姫の世界へ引き込まれます。そのあとオーケストラの演奏が始まります。はじめはタタリ神を予感させる不気味なフレーズです。そのあとオーケストラを総動員させてアシタカせっきのテーマを演奏します。このテーマは見事と言うぐらい旋律がしっかりしていて壮大です。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分39秒
楽器別解説
シンセ音主旋律をズウーという感じで演奏。
バイオリンおもに主旋律。
ビオラ独自の旋律?
チェロ主にコードをアルペジオで演奏。冒頭のフレーズ。
コントラバス最低音。
ホルンバイオリンの主旋律に合わせて演奏。
トロンボーンコードを演奏。
トランペットコードを演奏。
フルート最後に主旋律
オーボエ最後に主旋律
クラリネットサビの部分でバックで小刻みなリズムに合わせた演奏。
バスーンベースライン。

タタリ神
この曲はイントロでまずシンセ音がズウーという感じで鳴り始めます。とても不気味です。そのあとストリングスが入ってますが、こちらもピッチが微妙に変わって不気味さを表しています。そのあとパーカッション(日本的)などが入って、映画ではいよいよタタリ神登場となります。弦楽器のかけ上がり(下り)はタタリ神の異様な様子を上手くあらわしています。後半はアシタカがタタリ神と戦っているシーンの緊迫感を表す音楽となっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME3分49秒
楽器別解説
シンセ音冒頭で不気味にズウーという感じで演奏。
バイオリンかけ上がり(下がり)。
ビオラかけ上がり(下がり)。
チェロかけ上がり(下がり)。力強いフレーズ。
コントラバス力強いフレーズ。
ホルンタタリ神のメロディー。
トロンボーンバッキング演奏。
トランペットバッキング演奏。
オーボエリズムに合わせた演奏。
クラリネットリズムに合わせた演奏。
民謡音楽的パーカッション独特のリズムを勢いよく。

旅立ちー西へー
この曲は出だしは単純な構成なのですが、これから壮絶な旅が始まることがよく現れているフレーズです。そのあと「もののけ達だけ」のメロディーをモチーフに楽曲が展開します。後半はオーケストラを総動員させて、そのモチーフを演奏しています。とても迫力のある演奏になっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分32秒
楽器別解説
篳篥前半と後半の間に印象的な旋律を演奏。
ケーナバイオリンとともに主旋律。
バイオリンおもに主旋律。
ビオラ
チェロ流れに合わせた演奏。
コントラバス最低音。
ホルン途中からメロディーの副旋律を演奏したりする。
トロンボーンコードを演奏。
トランペットコードを演奏。
フルートサビのあとで主旋律。
オーボエサビのあとで主旋律。
クラリネットサビのあとで主旋律

呪われた力
この曲は勢いよく弦楽器のかけ上がりから始まりますが、そのフレーズは恐ろしげで、その後にくるブラスを中心としたかけ上がりのフレーズに続いています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分34秒

穢土
穢土(穢れた土)とは浄土の反対語で凡夫の居るけがれの多い国土をさします。この曲は「どこへ行っても戦に飢え」とジゴ坊がアシタカに話しているシーンで使われていますが、音楽がそのことを語っていると言っても良いでしょう。アシタカせっきのメロディーがおり込まれて壮大ですが、深刻な地上の世界を見事にあらわしています。後半はシーンが変わり「もののけ達だけ」のメロディーに変わります。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分59秒

出会い
この曲はイントロでsus4のコードを基調としたシンセ音から始まり神秘的な様子で始まります。そのあとハープで「もののけ達だけ」のメロディーが演奏されます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分50秒

コダマ達
この曲は2曲に分かれていて1曲目はピチカート奏法のストリングスが主体となっています。コダマ達のコココココという音(声)がとても印象的です。演奏の方は明るい感じの中にどこか影のある雰囲気で何とも独特な感じがする演奏です。2曲目はsus4のコードを基調とした高音のストリングスで神聖な感じの音楽になっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分27秒

神の森
この曲の出だしは前曲の2曲目とほぼ同じですが、その後の編曲が違います。シンセ音のフレーズがシシ神の神聖で不思議な感じをよく表しています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分38秒

夕暮れのタタラ場
この曲はリズム感のあふれる日本的なパーカッションの演奏から始まり、エボシ御前のメロディーを管楽器が中心となって演奏しています。活気のあるタタラ場の様子が伝わっていきます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分39秒

タタリ神U−うばわれた山ー
この曲はまずイントロの力強いチェロを中心とした演奏が耳を引きます。そのあとティンパニの連打のあとさらに勢いよくタタリ神のメロディーを演奏します。最後はまたもとのチェロを中心とした演奏になります。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分56秒

エボシ御前
この曲は2曲に分かれて、1曲目はギター系の音色のリズムに合わせたフレーズから始まります。そのあと高音のストリングスが入り、低音のストリングスと言う具合にメロディーはありませんが構成がしっかりしています。そのあと管楽器中心にエボシ御前のメロディーに入ります。2曲目はオーボエのアシタカせっきのメロディーの独奏から入ります。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分48秒

タタラ踏む女達ーエボシ タタラうたー
この曲は映画でも使われていたので知っている人も多いと思います。サントラは伴奏が入り再録音されています。日本の民謡的なメロディーです。2回目の繰り返しのところはパーカッションが入り盛りあがります。
作曲 編曲 演奏久石 譲
作詞宮崎 駿
ヴォーカル新倉芳美
木村真紀
下成佐登子
TIME1分27秒

修羅
この曲はブラスを中心としていて所々にもののけ姫のメロディーがおり込まれています。戦いが始まるときの音楽で、緊張感と勢いのあるフレーズが多い構成となっています。
作曲 編曲 久石 譲
TIME1分28秒

東から来た少年
この曲はアシタカせっきのメロディーです。一番最後のアシタカせっきエンディングに似ていますが、繰り返しが無く1分半程度に編曲されたバージョンです。とても壮大でもののけ姫の世界をあらわしている代表的な旋律です。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分25秒

レクイエム
この曲のイントロは久石さんがよく使うm79のコードのストリングスの演奏から始まっています。アシタカの命のともしびが消え行く感じをよく表しています。管楽器によるメロディーが所々におり込まれています。後半はメロディーというメロディーは無いのですが、非常に独創性のあるフレーズで耳に残ります。ちなみにレクイエムとは鎮魂歌(死者を弔う歌)のことです。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分21秒

生きろ
この曲はもののけ達だけのメロディーのハープの演奏で始まります。そのあと短いですがストリングスが大きく入り、曲を構成しています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分29秒

シシ神の森の二人
この曲の出だしは神の森でも出てきた神聖なフレーズから始まります。そのあとケーナなどが加わりもののけ達だけのメロディーが繰り返されます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分39秒

もののけ姫 インストゥルメンタル バージョン
この曲は米良さんが歌っている「もののけ姫」のインストバージョンです。はじめはケーナが主旋律を演奏していて、そのあとフルートなどの管楽器が入ってきます。管楽器の中でもいろいろと楽器が入れ替わりメロディーを構成しています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分08秒

レクイエムU
この曲は弦楽器のパートは「レクイエム」とほぼ同じなのですが、こちらは管楽器による演奏が入っていません。「レクイエム」と比べるとその分静かな演奏となっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分12秒

もののけ姫 ヴォーカル
この曲は説明は要らないぐらい皆さんよく知っていると思います。米良さんのヴォーカルはとても独特のものがあり引き付けられます。もののけ姫の世界にぴったり当てはまる音色の持ち主です。伴奏もとても透明感がありハープの音はどことなく日本的なフレーズになっています。 2番はUh,Uhでメロディーを歌っています。宮崎さんの歌詞も世界をあらわしています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
作詞宮崎 駿
ヴォーカル米良美一
TIME3分30秒

戦いの太鼓
この曲はパーカッションだけで構成されています。はじめはト、ト、トという感じで静かですが、次第にいろいろな打楽器が入り盛りあがります。その次に鈴のような音色がまるでジェットコースターを下るように一気に大音量になります。というようになかなか面白い構成になっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分45秒

タタラ場前の闘い
この曲は今まであまり聞かれなっかた久石さんのピアノの演奏で始まります。トン、トン、トンというリズムに合わせてピアノとともにいろいろな楽器が入っていきます。タイトル通り戦いの様子が音程が少しずつ上がっていくことで表されている感じの曲です。
作曲 編曲 久石 譲
TIME1分25秒

呪われた力U
この曲の出だしは「呪われた力」とほぼ同じですが、ピアノが入っていたりして編曲が違います。そしてその後に新たなメロディーが展開されます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分29秒

レクイエムV
この曲は今までのレクイエムのフレーズの後半部分とほぼ同じフレーズが管楽器とともに演奏されています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME0分53秒

敗走
この曲は新たなフレーズが繰り返し展開されます。まずチェロが不気味な感じで演奏をはじめ、そのあと同じフレーズを次々にちがう楽器が演奏をはじめます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分30秒

タタリ神V
この曲はいままでのタタリ神の曲とは違いアシタカせっきのメロディーがモチーフになっています。ズン、ズン、ズンという感じの力強いリズムに合わせてストリングスを主旋律に演奏されます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分12秒

死と生のアダージョ
この曲は映画ではシシ神がでえたらぼっちになろうとしているところに銃が撃たれるシーンで使われる音楽です。はじめは高音弦楽器の掛け合いぞフレーズが続きますが、次第にシシ神の首が伸びていくシーンに合わせて音楽が演奏されます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME2分08秒

黄泉の世界
黄泉とは死んだ人の魂が行くところの意味です。要するにあの世のことです。この曲は首を取られたシシ神が、首を求め四方八方に手を伸ばすあの印象的なシーンの音楽です。シンセ音色とオーケストラがミックスされ非常に迫力があります。拝むような人の声がしたりシシ神の叫びのような音がしたり恐ろしげで不気味ですが、とにかく勢いと迫力があります。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分27秒

黄泉の世界U
この曲のはじめはケーナなどが中心にもののけ達だけのメロディーが演奏されますが 、すぐに前曲のような感じになります。こちらはさらに迫力さと勢いがUPした感じになっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分32秒

死と生のアダージョU
この曲は死と生のアダージョの冒頭の弦楽器の掛け合いのフレーズを演奏したあといっせいにジャーンといった感じで締めくくられます。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME1分04秒

アシタカとサン
この曲はご存知の人も多いと思いますがシシ神の首が戻され、太陽が出てきてシシ神は消えてしまうが、緑が戻るシーンの音楽です。いままでの緊張したメロディーとはがらりと変わりあたたかく落ち着いたメロディーになっています。この曲は唯一このアルバムの中で久石さんのピアノがメインの曲です。総まとめともいうべきすばらしい旋律です。全体としてはオーケストラとともにゆったりとしたピアノ協奏曲と言った感じになっています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME3分09秒
楽器別解説
ピアノ本人による演奏。主旋律。ピアノソロでも十分成り立つ編曲。
シンセ音冒頭で透明感のあるコード演奏。
バイオリン主にバックストリングス。
ビオラ主にバックストリングス。
チェロ主にバックストリングス。
コントラバス主にバックストリングス。
ホルン途中からメロディーの副旋律を演奏したりする。
フルート途中で主旋律。
オーボエ途中で主旋律。最後はソロ。
クラリネット途中で主旋律。
ハープ最後にオーボエのバック。

もののけ姫 ヴォーカル エンディング
この曲と次のアシタカせっきエンディングは映画ではエンドテロップで流されます。この曲は伴奏なしの米良さんのアカペラから入ります。途中から伴奏が入り1フレーズ繰り返して次の曲になります。
作曲 編曲 演奏久石 譲
作詞宮崎 駿
ヴォーカル米良美一
TIME1分23秒

アシタカせっき エンディング
この曲はこの映画の総まとめ的な曲です。基本はアシタカせっきのメロディーですが、いままでの曲には出てこないフレーズがいくつかあります。逆にいうとこの曲を聴いてアシタカせっきの楽曲の全貌が分かります。コード進行と旋律の並び方の関係がしっかりしていてとてもまとまっています。主旋律はバイオリンのユニゾンが主ですが、他の楽器も要所要所で主旋律になります。楽器それぞれの特有のフレーズが見事にひとつのハーモニーを奏でています。3回ほど同じまとまりが繰り返されますがすべて少しずつ違っています。
作曲 編曲 演奏久石 譲
TIME5分01秒
楽器別解説
バイオリン主旋律をユニゾンで演奏。
ビオラ聞き取りにくいが、おそらく独自の旋律を演奏。
チェロコードを独特のアルペジオで演奏。途中ソロ。
コントラバス所々ピチカート奏法になる。
ホルンサビではバイオリンとともに主旋律(一部)。
チューバベースラインを演奏。最後の部分は主旋律を演奏。
トロンボーンコードを演奏。最後の部分は主旋律を演奏。
トランペットサビを副旋律。最後の部分は主旋律を演奏。
ピッコロ途中で主旋律
フルート途中で主旋律
オーボエフルートなどが主旋律のとき、その4度下。途中ソロ。
クラリネット小刻みなリズムをバックで演奏。
バスーンペースラインを演奏。
ハープ主にアルペジオ演奏。
グロッケンシピール主旋律に合わせて演奏したりする。
追記
エンドテロップでは3分半ぐらいに省略されたものが使われていますが。サントラでは5分のフルバージョンが収められています。

Written by HeeFoo at 2000.3.24 最終改訂2000.3.24
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