択一試験攻略法


PART 3

 具体的な解き方に入る前に、ひとついい忘れたことがあるので、
そこから述べたいと思います。

 それは、C図式化をマスターすること、が
刑法(に限らないけど)を早く解くコツだということです。

 人間の頭は、文字で理解するよりも、
図や絵、色で理解するほうが、
理解が早いといわれています。
効率が悪い、無駄だという批判を浴びつつ
なお基本書の色分けが広く用いられているのも、
このような理由に基づくものだと思われます。

そこで、まず、ややこしい事例と見解の関係を、
図式化してしまえばいいわけです。
そうすれば、図のかたちで頭に入ってくるので、
より早く理解、判断できるわけです。

難しいことをする必要はありません。
ただ、A説,B説,C説と、事例一、
事例二、事例三、事例四が出てくる問題に
ぶち当たったときに、


      ‖事例一 ‖事例二 ‖事例三‖事例四 ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
A説   ‖     ‖     ‖     ‖     ‖      
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
B説   ‖     ‖     ‖     ‖     ‖   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
C説   ‖     ‖     ‖     ‖     ‖  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

という図を素早く余白に書いて、
その空欄の中に○か×を
いれていくのです。
これだけで、だいぶ、違います。
なぜかというと、頭で整理しながら、作業ができるからです。

そんなん、図をかく時間がもったいないわ、
と思われるかもしれません。
しかし、こんな図など10〜15秒でかけます。
しかも、なれてくると、
図を書きながら、頭を動かすことが
できるようになります。
そうすると、早くなりますよ。

さて、それでは、これらのテクニックを使って、
実際に平成11年の刑法を解いてみましょう。
手元に今年の問題を置いてください。
NO,56,57をやります。

まず、当然の事ながら問題文を読みます。

ちなみに、あとでもふれるとは思いますが、
問題検討の際には、必ず下線を引いて読んで下さい。
なぜなら、そのほうが考えやすいし、
あとで問題文を見るときに、早く読めるからです。
そして、先ほどの視覚化、という観点からは、
色付ペン(マーカーはだめ。肝心の黒の文字が見にくくなるから。)で
線を引くのがよいでしょう。

問題文を読むと、双方ともありうるものは、とあって、
その下に20個ぐらいの見解とその帰結の組み合わせが書いてあるのが認識できます。
そして、典型の事後強盗と共犯に関する見解であることも分かるでしょう。

この時点でA問題が何を聞いているかをまず分析するのです。
いうまでもなく、見解とその帰結、結論を聞いています。
そして、かかる分析(というほどのことはしてませんが)を踏まえた上で、
D、問いに答えるための戦略を練ります。

この、戦略を練るという作業は、択一を解く上で必須のテクニックだと思われます。
設計図なしに漠然と解いていても、早く解けるはずがないからです。

しかし、この問題はどうも解き方が分かりにくい。
まさか20回も見解の当てはめをするわけにはいかんしね。

そこで、刑法の問題で聞きたいこと、を思い出すのです。

それは、学説から事例における結論を導く、事案解決能力〈当てはめ能力〉、でしたね。
これを思い出せば、
「なんだ、結局聞きたいのは事後強盗罪の構造とその帰結じゃないか。じゃあ、すべての組み合わせについて出してやるよ。」
という、戦略を立てることができると思います。

そうなると、後はひたすら解くのみ。
まず、C図式化をマスターする、という原則にのっとり、

    ‖ A  ‖  B   ‖  C  ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━
T  ‖     ‖     ‖     ‖  
━━━━━━━━━━━━━━━━
U  ‖     ‖     ‖     ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━━
V  ‖     ‖     ‖     ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━━

という図を、素早く余白部分に書きます。
そして、あとはこの9個の余白部分につき、
65条1項の解釈は甲、乙のいずれもなしうるということ
を頭におきつつ、埋めていけばいいのです。

この、学説の帰結を導くスピードが、
結局刑法の解答時間の短縮化に資するのですが、


これは@問題演習を多く行うこと、および
B刑法は学説の内容よりも,その学説からの
帰結,当てはめの方法をマスター出来ているか、
つまり、そのような力を身につけるための演習を、
どれだけやったかにかかってくるわけです。

そして、最終的に次の表ができあがります。

    ‖ A  ‖  B   ‖  C  ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━
T  ‖  × ‖  ○   ‖ ×  ‖  
━━━━━━━━━━━━━━━━
U  ‖  ○ ‖  ×   ‖ ○  ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━━
V  ‖  × ‖  ○   ‖ ○  ‖
━━━━━━━━━━━━━━━━━

そうすれば、あとは@〜Iの記号とてらしあわせれば
いいだけです。
○が二つつくBとFが正解、すなわち肢1、が正解ということになります。

そして、問57で問題となる見解も、Vのことだと分かるので、
問57も簡単に解けます(少なくても肢は絞れる)。

いかがでしたか。
思ったよりも、簡単に解けるのではないでしょうか。

ともかく、本試験では、どんなに難しいと思えるパズル問題が

出たとしても
本試験の刑法は,
学説の根拠及び,学説の帰結
聞いているにすぎないのです。
そう考えることによって、冷静に、図式化によって答えが出せるのではないでしょうか。

最後にひとつ裏わざ。

どうしても分からなければ、
とにかく各見解と各事例を対応させた
図を作ってしまえばいいのです。
そこから考えると、
簡単に解ける場合が多いです。
有名な例はカード問題(H11年、NO52)。
気合で自分で見解と帰結をくみ合わせたカードを作れば、
簡単に解けるのです。

さて、ここまで長く書いてきましたが、
今年の刑法は、
どんなに頑張っても1時間30分はかかります。

われわれに、時間不足に対する打つ手はあるのでしょうか。

あります。あるんです。
それは、簡単な問題、および民法を、
早く解くことです。
それにつきます。

では、どうすれば民法を一問二分ペースの
ハイペースで、
解けるようになるのでしょうか。
これについては、PART 4以降で
触れたいと思います。

例によって長いな、文章、、、、、


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