ハッピーアプローチ/ 丹下桜
☆担当者コメント
CATCH UP DREAMやStand by
Meのように明るくキャッチ―で、桜さんらしい曲です。全体を通してキーボードが効果的に使われており、曲の爽やかさをさらに印象付けています。が、サウンド面だけなら評価はせいぜい7、8点というところ。僕の中でこの曲を10点にさせている最大の要因はズバリ「歌詞」です。なので、ちょっと長くなりますがこの曲の歌詞について説明したいと思います。
主人公は人見知りな女の子
新学期の新しいクラスになじめずにいました
ある日、女の子は帰りに映画を見ます
映画のヒロインは自分と同じ境遇の女の子
ただ、一つだけ違ったところがあります
ヒロインは現状を打破するために
自分から行動を起こしたのです
映画に影響を受けた女の子は
自分も何かを始めようと決心します
ふと教室を見渡してみると
自分と同じような目をした子が一人
女の子は微笑みながらその子に声をかけにいきました
細かいところは違うかもしれませんが、大雑把に要約するとこんな感じの内容です。歌詞の中では女の子の話でしたが、桜さん曰く「学生、社会人など春に環境が変わった人へのメッセージソング」だそうです。僕がこの歌詞で一番好きなのは、主人公の女の子がとてもリアルで自然な感じのするところです。僕自身少々人見知りなところがあるのですが、そういった人にとってクラス替えというのは非常に憂鬱になるイベントなのです。このような現実味のある設定を作ることによってこの曲は歌詞に説得力をもたせることに成功しています。
口でガンバレと言うのは簡単ですが、相手の心情を理解せずに言っても全く効果はありません。そういう意味で、春に環境が変わり不安な人の気持ちを理解し、その上で励ましているこの歌は本当の意味での「メッセージソング」といえると思います。
あと、少し話がずれますが、2番の歌詞の中で
私と同じ人見知りした瞳を見つけた
という箇所があります。この部分で桜さんは「人見」知りと「瞳」を掛けているのではないかと僕は勝手に思っています。意図的にやったのかどうかはわかりませんが、こういう言葉遊びは個人的にすごく好きです。ラップやヒップホップで韻を踏むのはあたりまえですが、ポップス系の曲でやっているというところに非常に好感が持てます。
歌詞のことばかり書いてしまいましたが、最初に言ったように曲の出来も決して悪くない(というか、むしろ良い)のでCDでも是非聴いて欲しい一曲です。ホントにオススメ!
※作詞 丹下桜 /作曲 宮島律子/ 編曲 吉田潔
※アルバム「Alice」、ベストアルバム「SAKURA」収録
●TAX FREE
何より「誰かにされたら 傷つくようなこと 私はしたくない誰かにもらって 嬉しい優しさ ずっと忘れないで」の歌詞が気に入りました。曲調もさわやかな感じで、特にサビは桜さんの声にとても合っていていいとと思います。
●M
イントロからAメロ〜Bメロまでのメロディラインはかなり素晴らしいものがあり,アレンジも含めていい仕上がりになっていると思います。ただ,他の部分に比べてサビが弱いというのが惜しまれるところです。やはり曲のイメージを最初に決めるのはサビの部分だと思うので。
もっとも,それを差し引いても十分に名曲と言えるでしょう。そんなに新しい曲ではないですが,ベストアルバムにも入っているので,一度聴いてみていただければと思います。