摩訶不思議な七不思議/奥井雅美
☆担当者コメント
この曲のいちばんの魅力は,体の芯まで響いてくるほどに重厚なサウンドである。収録されているアルバム「Her-Day」は,奥井さんのサウンドが完成されてきた時期のもので,どの曲をとってもサウンドは申し分のない出来なのだが,この曲はその中でも特に豪華な雰囲気を漂わせている。
メロディは遅くもなく速くもない,中間的なテンポで流れていることから,ゆったりと聴くことができるようになっている。メロディそのものの良さもさることながら,コーラスがまた素晴らしい。随所で入る奥井さんの「かけ声」も合わせ,最高に楽しめる伴奏を築き上げている。
最後に,歌詞にも奥井さんらしい独特の色が存分に出ている。特に必聴と言えるのが,間奏の直後のサビが始まるところにある,「なんてこった」というフレーズである。ここでは,メインのボーカルの音階が上がっていくのに対して,コーラスは下がる構成が採られており,「なんてこった」という言葉にぴったりの,微妙に「ガクッ」とくる雰囲気が実に奥深い。計算しつくされた曲の構成美を感じられる一節である。
※アルバム「Her-Day」収録