地学教育について
中学校の先生で、地学が教えにくいとおっしゃる方が非常に多いです(T_T) なぜ、教えにくいのでしょう?
@ 専門でない。
A 実験がしにくい。
B 自分が習っていなかった。
まず@の「専門でない」について。先生方のご専門は、物理、化学、生物、理科教育のいずれかですね。物理専門の先生が「化学は専門でないから」とは言いませんよね。「専門でなから」というのは、説得力がありません。
次にAの「実験がしにくい」について。確かに、地学で扱う時間は何万年〜何十億年とういうレベルですし、空間にしても何百km〜百億光年のスケールだし、実験は不可能に近いです。でも、中学校の理科室でできる物理・化学・生物の実験だって、自然界で起こっている現象とはほど遠いじゃないですか。だからこれも、説得力がありません。
最後のBの「自分が習っていなかった」について。きっと、まともに地学を習った人は本当に少ないと思います。「おもしろくない地学」が師匠から弟子に次々と伝えられていく(ToT) なんて悲しいことでしょう。あなたの授業を受けて「地学はおもしろい」と感じる子供を育ててください。
「地学」はご存じのように、地質学(鉱物学や古生物学、地震学などと含む)、気象学、天文学など、雑多な学問が「地球と地球を取り巻く環境」というカテゴリーでまとめられたものです。幅広い知識と、それを支える物理学・化学・生物学の基礎も必要になります。
つまり「地学」は自然科学の頂点に位置する学問だと言い換えることができます。それだけ「奥が深い」ということです。さらに、人間の生活レベルからかけ離れた壮大な空間認識、時間認識が必要になってきます。先生方が敬遠するのも当たり前です。
でも、地学は私たちの生活に密着しています。地質学は建物を建てる時の基礎を調べるのに必要だし(さらに、大地震で脚光を浴びています)、気象学は毎日の天気予報から経済活動、はたまた人類の文化にも影響しています。天文学も時間の概念や膨大に降り注ぐ太陽のエネルギーなど、私たちの生活と切っても切り離せない存在です。
この「地学」を子供たち楽しく教えるコツを先生方に紹介していきたいと思います。
なお、このサイトで扱う学習内容は 東京書籍の「新編 新しい科学」(平成28年度版)を参考にしています。