m1さまに捧ぐ「RPG比較研究」


はじめに

これは2400HIT記念に、m1さまのタイトルリクエストに基づきR2が書いたエッセイです。

TRPG初心者のお客様にD&Dの面白さを伝えると共に、今のTVゲームが抱える問題を議論しようと思います。

・・・真面目な文章は疲れるのう・・(笑)

なるべく軽いタッチで行きますんで、お付き合いくださいね。

TRPGとは何か?」「最近のRPGの問題点」「D&Dの良さ」の3本立てでお送りします。

今回は「TRPG初めて!」という方向けにルールのテクニカルな部分は省略しております。

いきなり英数字羅列するのもどうかなぁ、と思いましたので。リクエストがあれば喜んで追加を書く所存です。

注意!!

あらかじめ申し上げておきますが、私は「D&D至上主義者」でも「TRPG優越主義者」でもありません。

D&Dをこよなく愛するファンの一人にすぎませんし、コンピューターゲームを非難する人間でもないのです。

「面白いものは面白く、あんまり面白くないものも(笑)何とか工夫して面白く遊ぶ」が信条です。

あと、文章中でテーブルトークRPGをTRPG、コンピューターゲームのRPGをCRPGと略させていただきます。

「和製英語だ!」と非難されそうですが、簡便のためご容赦くださいませ。文章はちょっと長めかも・・・


1.TRPGとは何か?

CRPGが世間的にも認められた現在、説明もかなり手抜きになってきている今日この頃です。(笑)

「コンピュータが担当している部分を、全体進行役(マスター)が処理するRPG」とでも言いましょうか。

マスターは参加者(プレイヤー)に現在の状況を『話して』伝えます。(DMはダンジョンマスターの略称です。)

    DM「君たちは街外れの洞窟の入り口までやってきたよ」

プレイヤーたちは自分のキャラクターが取る行動を同じく『話して』伝えます。

    P「松明をともして洞窟の中へ降りていく。中はどうなっている?」

これに対してもマスターは『話して』状況を伝えます。

    DM「洞窟に入ってすぐの場所で、属性の異なるキャラが仲間待ちをしている。」(笑)

もちろん『話す』ことで全てが解決するわけじゃありません。

    DM「君の目の前の床に10m幅の穴が空いている」

    P「じゃあ、荷物を降ろしてロープを腰に巻きつけて、飛び越えようとします」

こんな場合は、たいていダイス(サイコロ)を振ってうまくいったかを決定します。

戦闘中などではお互いの攻撃、魔法などはサイコロを振ることで解決します。

TRPGとCRPGとの最大の違いは「なんでも柔軟に対応できる」点にあります。

例えば強いモンスターに出くわしたとき「崖の方におびき寄せる」「油を床に撒いて火をつける」などと、

臨機応変に対応することもできるんです。

データ的に歯が立たない相手でも、アイディア次第で何とかなる、というのも面白い点ですね。

とりあえすシステム的な特徴はこんな感じです。

 

2.最近のRPGの問題点

ここでは最近取り上げられる機会の多い、「ストーリー」について語ってみようと思います。

まず、初期の頃のCRPGの場合「何の手がかりも無い状態で、ある場所に放り出された」という感じでした。

いろんな場所に情報・フラグが散らばっていますので、それらをたどっていけばクリアーはできます。

「素晴らしい!!自由な世界で自由な冒険ができる!DMいらずのTRPGだ!」と賞賛する方もいらっしゃいます。

でも、大抵のプレイヤーは「何をしていいのかわからない」「何処で何をすればいいの?」という状況に陥るんです。

この結果、「くそゲー」というレッテルを貼られてワゴンセールに行っちゃったりするんですね。(泣)

「不親切なゲーム」と言われた作品を、なんとかして「遊んでもらえるゲーム」にしなくてはなりません。

そこからCRPG進化の歴史が始まったのです・・・(と、見てきたようなことをいってやがります(笑))

(今後、若干「ダンジョン考」での議論とも重複しますがご容赦ください。)

 

ここでメーカーさんは考えました。「改善せねば客足が遠のいてしまうぞ!」と。

改良案の1つは「すべきことは無い。でも、できることなら有る」という考え方です。(洋物のCRPGなどで顕著ですね。)

最初は街中を散策して、小さな仕事を片付けていきます。

やがて隣街まで出かけるようになり、隣国へ出かけるようになり、やがては世界中を旅するようになるでしょう。

ここでも「何をすべきなのか、わからない!」という意見が出てきます。

しかし、「今できること」をタイムリーに提供することで

「何をすべきかはわからないけど、とりあえずこのイベントを解決しよう」という方へ目を向けさせます。

『できることから解決し、できないことは後に回す。』と、こういうルーチンに入ればこっちのもんです(笑)

「世界は邪悪な魔王が勢力を伸ばしているらしいが、

とりあえず『街娘のクッキーの材料の入手!』のクエストをクリアーしとこう」ってなるんですね♪

例えるなら「ゴールはどこにあるかはわからない。でも、遊んでいる内にゴールについちゃった」というものでしょうか?

 

もう一つの改良案は「次に何をすべきかを常に教えてあげる」という考えです。(日本のCRPGで顕著ですよね?)

最初、街の探索をします。でも、あるイベントが発生するまでは街の外に出ることはできません。

隣国へ行くのも、世界を旅するのも、「次に進んでいいよ」という許可が下りてからの話になります。

こうすることで「街で装備を整える前に外に出てしまってモンスターに殺された」

「レベルの高い敵の出る領地に低いまま突入して全滅してしまった」などの悲劇を防ぐことができます。

また、寄り道が少ないので、映画やアニメでは描けないような壮大なストーリーにすることも可能です。

こちらは「スタートとゴールは厳密に決定されており、そこにはきちんと道が整備されている。

しかし、道の途中には関所が設けられていて、指定のイベントをクリアーしないとゴールにたどり着けない」って感じ?

道に迷うこともなくスケールの大きな話はできますが、最近では面白みに欠けると非難されがちですね。

 

一方、TRPGはどうでしょう?

もちろん、DMはある程度シナリオプロット(あらすじ)を決めてからゲームを始めます。

とは言えDMは自分の決めたプロット通りに進行する必要はないんです。

その場の流れやノリでシナリオを変化させても構わないのですね。(もちろん各DMの考え方によりますけど)

例えば、ある重要人物に話を聞かなくてはいけないのに、PCたちはまったくこの人物に関心を示さないとき。

こんな場合には「聞きにくるまですっと待つ」というのもアリですが、こうなるとプレイが冗長になりがちなので、

さりげな〜く人物に関連する言葉をかけてみたり、人物からアプローチしてみたり、と変更することもアリなのです。

 

また、思わぬ方向へシナリオが爆走することも多々あります。(泣)

敵の魔法が暴発してボスが死んでしまったり、99%効かないはずの魔法にかかってしまったり・・・

また、PCの一人が敵側に寝返って、DMですら予想もつかない事態になることもあります。(笑)

ですので、「ゴール目標はある。道らしきものもある。でも、どうなるかはやってみないとわからない」って感じですね。

 

ついでに「ゲーム性・緊張感」なども語ってみましょう。

「最近の(日本の)CRPGにはゲーム性が欠如している!」「バランスがぬるいぞ!」との意見をよく聞きます。

昔はあったはずのゲーム性はどこで落としてきてしまったのでしょう?

私の少ない脳みそを鞭打って働かせたところ、こんな考えに行き着きました。(ちょっとテンパってるかも?)

ピンボールやスーパーマリオ、ロックマン等で遊んだ方ならピンと来るかもしれませんが、

「以前のプレイを参考にしてクリアーしていく、そのプロセスからゲーム性が生まれる」

という部分があると思うんですぞな。

大抵のゲームには勝ち負けがありますよね?もちろん、勝つときもありますし、負けちゃうときもあります。

こういった過去の経験を参考にして次のゲームに挑んでいくことになります。

「あのタイミングで敵が出てくるから、次からは気をつけよう」「ボス1体かと思ってたのに・・・なんでこんなにいるの?!」

TVゲームではこういった「失敗したとき」を最初に経験し、次回からはそうならないようにプレイしますよね。

こういうプロセスが「ゲーム性」を醸し出しているんじゃないかなぁ・・・などと思うのであります。

昔のCRPGにもこれと似た「全滅を前提とした解決プロセス」がありました。

これは現在でもパソコンを中心とした洋ゲーなどではよく用いられる手法です。

「こういう戦略ではいかん!」「そうか、ここに敵が出るポイントがあるのか!」

何度も全滅してはロードし、戦闘が終わったらセーブし、また先に進んでは全滅し・・・を繰り返していきます。

しかし、コンシューマー機ではこういう風にはいきませんよね?

セーブ・ロードできる場所が(プログラム上)制限されているため、

一旦全滅するとかなり前からやり直さなくてはいけないからです。(泣)

ドラクエなど経験値&アイテムそのままで再チャレンジできる場合も勿論ありますが、

「あのダンジョンもう1回やり直すのか・・・」などと思ってしまうと、ちょっちやる気が削がれませんか?

しかも簡単なコマンドミスで死んだときなんか、「やってられっけー!」ってなりますわな。

もっとも、最近のCRPGでは「またあのムービーとイベントやり直すんかい!」と思う所もありますし。(笑)

 

イベントが多数同時進行するタイプのRPGでは「ここは無理だ。先に別のクエストクリアーしとこう」となるのですが、

一本道シナリオの場合は、他の道が無いので「やってられるかーー!!」となりかねません。

投げ出されては困るので、そうならないようにバランスを調整し、無闇に全滅しないようにする必要があります。

またストーリーを追う障害にもなりますので、ストーリー重視の流れからいっても全滅は回避されてますね。

結果として「いつ何時全滅してもおかしくない」「全滅するのは余程のとき」とバランスが変化しているんです。

例えば日本のCRPGをプレイしていて、「一番最初のダンジョンで全滅するかも?」なんてヒヤヒヤしますか?

普通は「ここはイントロだから軽くクリアーできるだろう」と思ってプレイして、軽ーくクリアーしますよね。

こういう調整された「めったに全滅しないバランス」がゲーム性を希薄にしている一因だと思うのです。

 

これが良いことなのか、悪いことなのかは私には判断できません。

あくまでも個人的な好き嫌いの問題ですから。・・・って、こんなこと言ってたら評論も何もないんですが。(笑)

私自身は「日本のRPGはもうお腹いっぱい」とばかりに洋物RPGに走ってたりする今日この頃です。

 

3.D&Dの良さ

D&Dという作品では「生きるか死ぬかわからない冒険者」をプレイすることができます。

「竜を退治して英雄になりたい」「偉大な魔法使いになって国を支配したい」「この国の教会は私のもの」などなど

冒険に出る目標としては色々ありますが、大前提は「冒険に出かけて、生きて帰ってくる」ことです。

冒険者たちが手練手管を駆使し、仲間たちと協力してなんとか生き残ろうのもがく、その姿!

これが私にはとても魅力的に映るのですよ。

ゲームのパッケージの裏のような書き方をしますと・・・(笑)

 

「いつ死んでもおかしくない、このひ弱なキャラクター!」

    単に難易度が高いだけではなく、「うまくやれば」生き残ることができるような絶妙なバランスになっています。

「何が起こるかわからないスリリングなシナリオ!」

    シナリオは常にリアルタイムに管理されているので、解決パターンは無限です。

「困難ではあるが、知恵を絞って考えれば何とかならんわけでもない障害!」

    戦って倒すだけではない、知恵を使ったアイデアが命を救うこともあります。

 

もちろん、D&Dにも欠点はあります。

「プレイするには人と場所と時間が必要」

    一人では遊べませんし、プレイ中は騒がしくなるので遊ぶ場所が必要ですし、時間もかかります。

「冒険に関わることしかできない」

    戦闘しかできないとは言いませんが、それに近い部分はあります。人間性などは無視されてますからねぇ・・・

    壮大なドラマなどは描きにくいかもしれません。キャラクターよく死んじゃうから入れ替わり激しくって(笑)

 

それでも、D&Dの持つ「自由でスリリングな冒険」には惹かれてしまうのですよ。(ちょっち強引)

 

これからD&Dを始めるためには

「セガサターンにD&Dコレクションをセットする」「パソコンにバルダーズゲートをインストールする」というのは却下です(笑)

旧版のD&Dは日本語版が出版されていましたが、いまや絶版となっています。(1980年代の話です)

基本ルールブックが1994年に電撃ゲーム文庫から発売されましたが、こちらも絶版になりました。(泣)

現在入手可能なルールはAD&D(第二版)と最新のD&D(第三版)だけとなっています。(両者とも洋書です)

ルールブック購入には洋書販売のアマゾンか、スカイソフトがオススメです。

このページのリンク集の中には初心者向けコンテンツのあるHPもたくさんありますので、参考になると思います。

TRPG自体が初めてな方には・・・TRPG.NETで初心者向けコンテンツを読んで、面白そうなものを探してみるとよいかも?

いきなり洋書のTRPGに入るよりも、日本語のTRPGを楽しんでみる方が良いと思います。


おわりに

やっぱりというか何というか「日本のCRPGバッシング→D&Dへの逃避」の構図になってしまった気がしますな。(笑)

この文章も、「これで終わり」というものではなく、「議論のたたき台」という位置付けで考えてます。

ご意見・ご感想など、掲示板やメールにお寄せいただければ議論も活発になるものと期待しております。


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