観た日 | 2006/05/13 24:00-29:40(二本立) |
観た場所 | TOHO CINEMAS 市川コルトンプラザ |
原題 | EYES WIDE SHUT(瞳をしっかりと閉ざして) |
監督 | スタンリー・キューブリック |
古い映画ですが、M:i-III公開記念ということでTOHO CINEMASにて
トム・クルーズスペシャルNIGHTという企画で
トム・クルーズの出演作を6週連続で2本ずつ夜中に公開という企画をやっていまして
それの第一弾で「ラスト・サムライ」と二本立で観てきました。
とりあえず映画の内容はさておき、まず一言言いたいのはですね、
夜中に上映するのに2時間半の映画二本をセットにするんじゃねぇよ、と。
もう少し考えて組み合わせ作ればいいのによー。眠かったです。
巨匠キューブリック監督の遺作となってしまった
トム・クルーズ、ニコール・キッドマン夫妻(当時)の共演作品。
個人的には興味深いテーマだとは思いますが長すぎるとも思ってます。
つまらない映画じゃないのに、
もう少しなんとかならなかったんだろうか・・・。
でも長いですよ。ほんとに。
冗長に感じるのはアリス(ニコール・キッドマン)のしゃべり方が
かなりゆっくりなせいもあるのかもしれない。
あと、動作ひとつひとつの間に入る間がけっこう長いです。
原題、EYES WIDE SHUTとは普通言わない。
普通はEYES WIDE OPEN(瞳を大きく開いて)ですよね。
この映画で目を背けなければならないのは、
妄想にとり憑かれなければ本来見ることの無かったはずの危険な世界。
でもなんでそこでWIDEも入るんでしょうね?
EYES WIDE SHUT、どう訳しますか?
そんな危険な世界の描写は映像(光と色)と音楽が独特です。
薄暗くて狭い娼婦の家の中の煌びやかなクリスマスツリーとか
怪しい貸衣装店の派手な装飾とか、寒々しくて綺麗です。
仮装乱交パーティーで重々しく鳴ってる荘厳なピアノの音も悪くない。
日常と非日常、理性と欲望の
境界ぎりぎりのところで大きな役割を持ってたのは
あまりにもタイミングよく鳴りすぎる電話だと思います。
衝撃的な打ち明け話が途切れた瞬間に鳴る電話や
娼婦とことにおよぶ直前に鳴る携帯に、現実に引き戻されたり、
旧友との会話の最中に旧友の携帯が鳴って
怪しげなパーティーのことを知ってしまい道を踏み外す要因になったり。
そのタイミングは少し出来すぎだという気がしなくもないですが。
あとは仮面。
なくしたと思ってた仮面が唐突に奥さんが寝てるベッドの傍らにおいてあって
しかもそれに対する奥さんの質問も旦那の質問や説明も一切無いとことかも。
どこにあった?とか何に使ったの?とかいう軽い会話すらないし。
小道具の使い方が上手いと思う。
一見意味不明な作品を作ることで知られている監督ですが
この作品も多分に意味不明なところがあって
結局作中の旦那と同じく観客の私らに対しても
真実がうやむやになって終わったりします。
よく言われているのが、キューブリックはアリスのラストのセリフのために
この映画を作ったのだろうということ。
微妙に倦怠期の夫婦に必要なこと?
男性と女性に必要なこと?
キューブリック監督が最後に投げたメッセージは「XXXX」らしいですよ。
この一言で長いと思わせる前フリ(映画全編)がすべてチャラになって締まって終わります。
一言のために2時間40分ってすごいな。
いろいろと面白い映画です。
「fun」、の意味の面白いではなく「interesting」の面白い。
もう6年以上前の映画なのでとっくにDVDになってますから
じっくり観る時間のあるときにでもぜひご覧ください。
誰か他の人の感想聞きたい。