観た日 | 2007/01/28 |
観た場所 | TOHO CINEMAS 市川コルトンプラザ |
原題 | − |
監督 | 塩田明彦 |
巨匠手塚治虫原作の漫画の実写映画。伝奇ファンタジーかな。
前々から1月はフリーパスがあるので何でも観ると書いてますが
この映画なんかもパスがなければ誰かに誘われたのでないかぎり
絶対自ら観にいったということはなかったと思う。しかも一人で(笑)
原作は絵だけはちょっと見たことがあるけど読んだことは一回も無く、
キャラクターに対する知識も無し。
まったく前知識無し先入観無しの状態です。
悪かったとこから先に書きましょうか。
あちこちで言われていることですが、なにしろ特殊効果の技術が酷い。
最初っから上空を飛んでいる鳥もどき(?)がもう作り物全開なかんじで
これは酷いと開始5分で映像に対する期待を一切捨てましたね(笑)
もともと映像化するのが難しい話だと思うんですよ。
魔物と契約を交わしたり、子捨ての話があったり。
主役格のキャラは体の48箇所を失った状態で生まれてくるので
目、鼻、口、耳、手足のない芋虫状態のグロテスクな胎児と
その不足してる身体の部位を作るために拾い集めてきた死体の一部(手とか足とか)を
どうしても見せなければならないしね。
グロテスクな部分は仕方ないとしても
せめて魔物だけでももうちょっとなんとかならなかったのかと思います。
ちゃちすぎる。
20億といわれている制作費をいったいどこに費やしているんだか。
この辺がクオリティ高いと面白いものになったと思うんだけどな。
魔物、CGが使われているんですけど、CGひどいんです。
これまでに、これはひどい。と思った洋画があったんですが
それよりもさらに数段レベルが低かった。
そしてそのひどいCGに目を瞑ってあげるとしても、
部分的に着ぐるみの魔物が出てくるんですよ。
仮面ライダーやウルトラマンじゃねぇっつうの。
レートPG12(12歳未満の人が鑑賞するには保護者の許可が必要)にしちゃってるのに
いったいどんな観客層を狙っているんだ?
何の特撮番組ですか?ふきだしそうになった。
魔物が着ぐるみじゃ怖くもなんとも無いと思いませんか?
アクションもちょっと出来の悪い香港映画のワイヤーアクションみたいだったり
変な早回しの漫画描写だったりして微妙。
このあたり所詮は漫画原作の話だなぁ、と。
あと、とにかく長い。
2本にわけても良かったんじゃないかと思うほど長い。
完全に話が二つに分かれている印象。
しかも後半失速。
いっそキルビルやデスノートみたいに最初から二本にわけても
よかったんじゃないかしら。
良かったのは・・・
原作が原作だけに、話はしっかりしてました。
長尺な上演時間も手伝って、キャラクターもかなりちゃんと描かれていました。
親に売られ親を知らない百鬼丸と
親を殺され親の敵を討ちたいと願うどろろの考え方や生き方の対比や
百鬼丸の親や兄弟それぞれの考えや立場や悩みがわかりやすかったです。
ところどころ、キャラクターの行動や台詞で
ちょっと感心させられるシーンもいくつかありました。
ユーモアも交えてあり、脚本は悪くなかったと思います。
キャストについては自分は原作読んでいないので
「このキャラクターは誰が演じるイメージ!」というのは
特に無いのですが、百鬼丸の妻夫木聡はまぁ良かったかな。
どろろが柴崎コウなのは疑問。
男装の盗賊の設定なんだけどあんな美人でいいんだろうか?
ほんとはもうちょっと幼いんじゃないのかな?
性格や行動と容姿のギャップが・・・。
でも意外にも、思っていたより観られてそこそこ楽しめる話でした。
着ぐるみのせいで笑わなくてもいいとこで笑ったけど。
原作読んでみてもいいかなという気分にちょっとだけなりました。
ところでこれを観たという話をしたらお友達に鬼太郎を観たいと言われたんですが。
ゲゲゲの鬼太郎も今度実写映画化されるんですよね。
漫画の実写映画でしかも伝奇ファンタジーって
演じるキャストが面白くて関係ないとこで笑えたりするけど、微妙だなぁ・・・。
あ。2作目と3作目の製作の話があるそうですよ、これ。
けっこう興行成績が好調みたいです。