英語の質問と解答

 
                     
Q161〜Q180 の分です。

Q:180 英語がスラスラ読めるようになるにはどうしたらいいでしょう。

A:「英文がスラスラ読める」とはどういうことでしょう。

 まず、文の構造がわかる、文の流れが追える、文の大意が取れる、ではないでしょうか。これに加えて、表現の細かいニュアンスがわかれば、言うことはありません。ある一定量の英文を読んだ後、何が書いてあったかを自分に問いかけて、内容がわかっているかどうか、チェックしてみてみると、「スラスラ」読めているつもりでも、意外にわかっていないことがあります。また、「スラスラ」読み進めるコツとして、たとえ文中に知らない単語が出てきても、文脈から大意をつかめれば、意味を推測できます。そういう英語に対する「勘」もスラスラ読むためには必要です。

 文の構造がわかるとは、中心となる主語と動詞がわかることです。その上で、修飾語句との関係を理解するには、構文、単語の語法、文法の知識が必須です。これらの知識が不足していると感じる人は、英文解釈の問題集がたくさん市販されていますから、どれか選んで、徹底的にやってみて下さい。

 実際に自分で訳してみて、訳例と比べ、解説を読むのはもちろんのこと、気に入った英文は筆写したり、音読したり、暗唱したりすることも、英文の流れやリズムを身につける上で有効です。お勧めの問題集としては『超基礎固めわかる!英語長文』(竹岡 広信著、旺文社、税込み1,365円)や『英文標準問題精購』(原 仙作著、中原 道喜補訂、旺文社、税込み924円)などがあります。

 また、単語の語法知識を身につけるには、こまめに辞書を引くことが必要です。簡単な単語でも意外に落とし穴があるものです。例えば you という人称代名詞は「あなた」という意味の他、「一般の人々、私たち」という意味でも使われます。基本的な単語ほど、こまめに辞書を引いて語法解説にも目を通して下さい。

 上記の精読練習と合わせて、多読もやりましょう。数ページの薄い絵本から始まって、多様な多読用の教材が市販されていますから、見出し語の数などを参考に、読めそうなものを選んで下さい。多読では、多少わからない単語があっても「推測」しつつ、流れをつかむことを優先に、どんどん読み進めていくことが大切です。水上スキーをイメージして、文の表面をスイッスイッと滑るような感じと思って下さい。

 ただ、教材を選ぶ目安として、1行内に知らない単語が2つも3つもあったら推測もしにくいですから、せいぜい1ページ内に知らない単語が数語くらいのものを選ぶといいです。途中、飽きたら、無理をせずに中断することも長く続けるコツです。ただ、途中でやめる時も「内容に興味がもてなかった」「面白そうだけど、今の自分のレベルでは無理」などなど、一言感想を書いておくと、後で役に立ちます。

 何を読んだらいいかわからない人のためには、SSS英語学習法研究会があります。200語レベル(中学一年生終了レベル)から始めて多読を楽しむ人たちが集まっています。参考にして下さい。


Q:179 I'll give you a present.の you と a present の位置を入れ替えたら、you の前に to という前置詞が要ると習いました。すると文型が変わりませんか。

A:その通り、第4文型から第3文型に変わります。

 I'll give you a present. はSXOOから成る第4文型で、前のOは「〜に」、後ろのOは「〜を」を表します。二つのO、you と present を入れ替えることができます。ただし、I'll give a present you. とは言いません。I'll give a present to you. のように、you の前に「〜に」という方向を表す前置詞の to が要ります。前置詞の付いた to you は前置詞句として扱い、文の要素になりません。文型はSVOの第3文型に変わります。一般に前置詞はクッションの役割を果たし、動詞の働きかけを間接的なものにします。


Q:178 一般動詞の否定文を do, does, did を使わず、not だけで作れませんか。

 一般動詞の否定文を作るのに、do, does, did を使いますが、not だけでも否定文は作れませんか。例えば、Jack plays tennis. の否定文は Jack does not play tennis. ですが、play を否定するには、not だけでいいように思うのですが、なぜ does も必要なのでしょう。また、疑問文も do, does, did なしでも作れませんか。


A: 古い英語では do, does, did を使わず、not で否定文を作っていました。

 否定文に do を使うのは16世紀後半くらいからです。それまでは「私は彼女と知り合いではなかった」を I didn't know her. でなく、I knew not her. と言っていました。疑問文に do を使うのが一般的になるのは18世紀です。それ以前は Sings he ? で「彼は歌うのか」と言っていました。だから、do を使わないと、古風な文になります。(参考『英語の歴史』(中尾 俊夫著 講談社現代新書 958)

 do は口語の中で発展してきました。どうして、疑問文、否定文に do が使われるようになったか、ですが、do はもともと「する」という意味の一般動詞なので、I didn't 〜「私はしなかった」と文を始める方が、聞き手にとって、否定文が来ると心の準備ができ、わかりやすいからではないかと思います。

 疑問文の場合も同様に、Does he〜? 「彼はするのか」と始めた方が、聞き手にとって、疑問文が来ると心の準備ができわかりやすいでしょう。


Q:177 英作文力をつけるには、どうしたらいいですか。

A: 英作文は英借文と言われます。

 自分でやみくもに書くより、良質な英語の短文を真似して英語を書くことから始めましょう。『竹岡広信の英作文<原則編>が面白いほど書ける本』(竹岡広信 著、中経出版、1,365円、「実践編」もあり)や『ポイントスタディ基礎英語構文100』(山森崇裕他 編著 桐原書店、650円+税)など、基本的な英語構文集が多数市販されています。

 既に基本的な英語の語彙、構文が頭に入っている人は、Z会の『英作文のトレーニング』(石神勉著、1,166円、「入門編」と「実践編」あり)や、旺文社の『和英問題精講ライティング』(花本金吾著、880円+税、「基礎編」もあり)などの実践問題集をドンドンやって下さい。これらは大学入試用ですが、一般の英語学習者にも役に立ちます。

 受験問題集以外でも、ジャパン・タイムズ社から出ている『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』(伊藤サム 著、1,800円+税)は、冠詞の使い方などが詳しく解説されて、役に立ちます。『英語ライティング講座』(ケリー伊藤 著、研究社、1,600円+税)も前置詞の使い方や英語らしい簡潔な英文を書く練習になります。『書く英語・基礎編』(松本亨 著、英友社、1,890円、『実用編」もあり)も定評があります。

 問題集以外では、英字新聞「デイリー・ヨミウリ」が隔週木曜日に掲載している英作文講座、NHKラジオ『ビジネス英会話』のテキストの英作文ワークショップ、週刊の英語学習新聞「Japan TImes 週刊ST」の「これであなたも英文記者」に掲載されている英作文講座など、いずれも、課題文の応募ができ、優秀作品や模範例などと自分の書いた英文を見比べながら、腕を磨くことができます。

 日英併記の教材としては、新聞の社説やコラムの日英版(ネット上でも手に入ります)、茅ヶ崎の月刊時事英語教本、講談社のバイリンガルブックスなど豊富にあります。日本語と英語を対照させながら、「なるほど」と思った表現は自分なりの英語表現ノートを作ってストックしたり、日々の練習として、英語で日記を書くなども有効です。

 地道に練習を続けると、勘が冴えてきて、日本語を見ただけで、英語がすっと浮かんで来るようになります。


Q:176 不定詞とは何ですか。

A:不定詞の基本は「to+動詞の原形」です。

 主語が she や he でも、時制が過去形でも to の後ろは必ず、動詞の原形であることから、「不定」(主語や時制によって定められない、つまり影響されない)という名前がついています。 I want to swim. 「私は泳ぎたい」の to swim が不定詞。She wants to swim.「彼女は泳ぎたい」 I wanted to swim. 「私は泳ぎたかった」。主語や時制が変わっても、toの後ろの動詞は原形のままであることに注目して下さい。

 また、この to が取れてしまったものもあり、原形不定詞と呼ばれます。to は落ちても、「主語や時制に影響されず、常に原形」という不定詞の性質に変わりはありません。He made me study. 「彼は私に無理やり勉強させた」の study が原形不定詞。主節の動詞 made 「させた」が過去形であるのに、study は原形のままであることに注目してください。また、原形不定詞に対し、to のある不定詞を to不定詞と呼んで区別することもあります。


Q:175 過去分詞とは何ですか。

A: 動詞の語尾に-ed がついた形が多く、「〜された」という受身の意味を持ちます。

 過去分詞は、動詞の語尾によく -ed が付いていて、過去形と同じ形が多いですが、過去の意味はなく、「〜された」という受身の意味があります。ちなみに「分詞」というのは、「分かれた詞」、動詞の意味も持ちつつ、形容詞の働きもする、というように2つに「分かれた」役割を持っています。boiled egg の boiled は「ゆでられた」という意味の過去分詞、boiled egg は「ゆでられた卵」、つまり「ゆで卵」です。


Q:174 ロンドン警視庁を表す「スコットランド・ヤード」(Scotland Yard) の Yard は「庭」とどういう関係があるのですか。

A:最初にロンドン警視庁が置かれていた地名から来ています。

 Scotland Yard を直訳すると「スコットランドの庭」。確かに、警察とは関係あるように思えませんね。実は、Scotland Yard は最初にロンドン警視庁が置かれた場所の地名です。
 1829年、ロンドンのホワイトホールのグレート・スコットランドヤードという広場に面した場所に、首都警察であるロンドン警視庁が創設されました。よって、地名からスコットランド・ヤードと呼ばれるようになりました(日本の警視庁を桜田門と呼ぶのに似ています)。以来、本拠地は2度変わりましたが、今でも、ロンドン警視庁は「スコットランド・ヤード」と呼ばれています。

 なぜ、その場所が「スコットランド・ヤード」と呼ばれるようになったかには諸説があり、スコットランド王家が所有する邸宅の場所であったとか、中世にスコットという名の人物がその土地を所有していたとかが言われています。[参考:フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)]


Q:173 イギリスの貨幣単位「ポンド」と「池」という意味の「ポンド」とは何か関係がありますか。

A:ありません。

 イギリスの貨幣単位として知られる pound は「パウンド」と読み、「おもり」が原義です。重量単位でも pound を使います(1ポンドは約453グラム)。貨幣単位の pound は £ または L という記号で書くことでも 知られていますね。これは「はかり」を意味するラテン語 libra の略です。「ポンド」という日本語読みは、「パウンド」がなまったものです。

 「池」という意味の pond は「ポンド」または「パンド」と読み、「水を囲む場所」が原義です。ふつう、lake「湖」より小さく、pool「ため池」より大きいものを指します。[参考:『ベーシック・ジーニアス英和辞典』 大修館 ]


Q:172 What do you like ? の What の役割は何ですか。

 I like tennis. という文章は、I が主語、like が動詞、tennis が目的語という役割があるのはわかったんですけど、What do you like?という文章では、Whatの役割は何ですか。


A:動詞 like 「〜を好きだ」の目的語です。

 What do you like ? の what はlike という動詞の目的語です。Do you like tennis ? 「テニスは好きですか」の do と like が動詞、you が主語、tennis が 目的語。What do you like ? は tennis が what になって前に出ていると考えて下さい。


Q:171 形容詞句の係り方について質問します。

 例えば、sales people and marketers of all kinds という英語を日本語に訳す場合、of all kinds 「あらゆる種類の」は marketers 「市場で売買する人」だけに係るのでしょうか、それとも sales people and marketers 「販売者と市場で売買する人」に係るのでしょうか。それとも前後の文脈から判断せねばならないでしょうか。


A:前後の文脈から判断して下さい。

 ただ、sales people and marketers of all kinds の場合、sales people も marketers も似たような意味なので、of all kinds はsales people and marketers 両方に係るように見えます。


Q:170 プロム(卒業記念ダンスパーティー)には誰でも参加できますか。

 もし自分が今年卒業予定でプロムに参加するとして、同学年でない年上、もしくは年下の彼氏・彼女がいた場合、カップルとして一緒に参加してもいいのですか。それとも、同学年の中から、プロム用に相手を探さないといけないのですか。


A:年上・年下の彼氏、彼女と参加していいです。

 プロムは大学、高校などの卒業記念のダンスパーティのことです。実際には、卒業を迎えた最上級生用だけでなく、各学年によってプロムと呼ばれるダンスパーティがあるそうです。ただ、学校を卒業するとプロムはありません。パートナーとして、他学年の人でも、他校の人でも、誰を誘ってもかまいません。男子校の場合だと、パートナーの女性は学校外から連れてくることになります。結果として、プロムはいろんな年齢の人の集まりになります。学校によっては年齢制限を設けているところもあります。特に制限はなくても、だいたい自分と年齢の近い人を連れて行きます。

 Dave's ESL Cafeより:Actually, there are often several proms for different grades (meaning different years in school: 10th grade = sophomore prom.... 11th grade = junior prom.... 12th grade = senior prom). After graduation, there are no proms, so actually, no one at the prom is a graduate yet, although the seniors will be graduates in a few weeks. You can take anyone you want. The idea is that at least one person from each couple goes to that school and is in that year of their studies. It is very common for boys to take younger girls, and both boys and girls can take someone from a different school, if they want. The prom is attended by people of various ages.

Anyone can go to a prom as long as they are coming as a date of one of the students. I go to an all boy's school, so I had to take a girl from outside to the prom (which was only about 2 weeks ago )... but yeah you can take anyone as long as they are going with you as your date. some schools might have age limits. My high school didn't allow people who were 21 and older to attend.I don't think my school gave us any limit on who we could take, but I guess they also assumed that we would take a girl close to our age.


Q:169 英字新聞を購読したいのですが、どれがいいですか。初心者向けの新聞を教えて下さい。

A:初心者向けに毎日ウィークリー、朝日ウィークリー、週刊STの3紙があります。

 どれもていねいな日本語の解説付きです。選ぶ決め手は連載記事です。一度、全部買って読み比べてみるといいです。新聞は全部読もうと思わず、興味ある記事を読むのがコツ。少しずつ楽しみながら読んでみて下さい。


Q:168 英語のリスニング力をつけるにはCNNを聴いたらいいですか。

A:CNNはお勧めですが…。

 CNNはもちろんお勧めですが、何しろ24時間流れていますから、5分から10分くらいのまとまったニュースを選んで、原稿も手に入れ、集中的に聴いたり、シャドイングやディクテーションをするといいです。他にもデイリー・ヨミウリの社説には音声が付いているし、NHKラジオジャパンのニュースも聞きやすいし、お勧めです。

 CNNなどが難し過ぎる場合は、自分に合ったレベルの教材を探しましょう。今は「えいご漬け」「英語耳」などのタイトルで、初心者向けにも様々な音声教材が本屋さんに売られています。また、NHKラジオ英語講座「基礎英語」シリーズなどもぜひ活用したい教材の一つでです。これならできる!と思えるものを選んでみて下さい。

 一般的にリスニング力を伸ばす方法としては、漠然と聞き流すより、ある程度、内容のまとまったものを集中して聴くことが大切です。シャドーイングしたり、ディクテーションしたり、聴き取り度をチェックしたり、何パーセント聴き取れたか、聴き取り度をできるだけ数値化して下さい。DVDを使う場合も同じ、全てを聴き取ろうとしないで、気に入った場面、気に入ったせりふに絞って、何度も繰り返し、練習して下さい。

 また、このようなインテンシブ・リスニング(精聴)と共に、エクステンシブ・リスニング(多聴)もやりましょう。ベストセラーの小説やビジネス書の朗読を収めたCDブックがたくさん出回っていますし、iPod などの携帯ツールからもリスニング教材が手に入ります。アメリカの公共放送NPRがネット上で良質の番組をたくさん提供しているし、他にもネット上でたくさんの音声教材が手に入ります。このHPのリスニング教材にもアクセスしてみて下さい。

 原稿が手に入るなら、原稿を見つつ聴いてもいいです。多聴の場合は、多少わからない箇所があっても、あまり気にせず、全体の流れを追います。スピーチなどはメッセージをつかむように。そして聴いたあと、理解度は何パーセントだったか数値化し、自分なりのコメントも書いておきます。「スピードが速過ぎる」「スピードは速くないが単語が難しい」「音のつながりが聞き取れない」「一文が長くて、主語と動詞が取れない」「今の自分のレベルでは無理」等々。漠然と聴くより効果があるし、自分の進捗状況がわかり、励みになります。

 具体的な試験、例えば、英検合格を目指すなら、何よりも英検用のリスニング試験問題をたくさんこなして問題に慣れることが一番大切です。


Q:167 look forward to seeing は look forward to seeでもいいですか。

 toの後に動名詞が使われる場合、例えば looking forward to doing、accustom to doing、obstacle to doing等を考慮した場合、toの後に動詞を使うのか動名詞を使うのか迷うことがあります。例えば、look forward to seeing の to seeing の代わりに、to seeでもいいですか。

A: to seeing を to seeにすると意味が変わります。

 look forward to seeing you は「あなたに現実に会うことに対し前向きに見ている」つまり、「あなたに会うことを待ち焦がれている」という意味です。これから先のことだから to不定詞を使うのではと思ってしまいますが、この場合、期待の度合いがあまりにも強く、出会いは未来のことでなく、気持ちの上ではもう現在出会っている光景が見えているので、現実性の強い動名詞(〜ing)を使います。
 look forward to see you だと単に「あなたに会うために前を見ている」という意味になってしまいます。to+動詞の原形(不定詞)と to+動名詞 は意味が違うものとご理解下さい。[参考:『英文法がわからない!』 中川信雄 著 研究社出版]


Q:166 to find は to finding でもいいですか。

 A lack of qualifications can be a major obstacle to finding a job. 「資格がないと、仕事を見つけることに対する大きな障害になることもある」。この文章はある辞書から抜粋したものですが、to findでもいいのではないですか。


A: to find だと意味が変わります。

 to finding a job を to find a job にすると、「仕事を見つけることに対する障害」という意味から、「仕事を見つけるための障害」、言い換えると、a major obstacle for finding a job という逆のような意味になってしまいます。

[補足] 「仕事を見つけるための障害」とは、「仕事を見つけるためになる障害」「仕事を見つけるのに使われる障害」「仕事を見つけるのに役立つ障害」と考えるとわかりやすいかもしれません。でも、本来、形容矛盾を起こしており、こう言うことはめったにないでしょう。

 あえて言えば、障害者雇用促進法のような法律の下で、障害があるために、仕事を見つけることが優位に働いたとしたら、その障害は an obstacle to find a job と言えるかもしれません。
 

Q:165 動名詞と不定詞の違いは丸暗記すべきものですか。

 動詞には目的語に動名詞を取るものと、不定詞を取るものと、両方を取るものがあります。受験勉強では丸暗記してきたのですが、ネイティブスピーカーも丸暗記しているのでしょうか。

A:ネイティブは丸暗記ではなく、感覚的に両者の違いを理解しています。

 簡単に言うと、不定詞は、to+動詞の原形という形からもわかるように、方向を表す前置詞の to 「〜へ」が決め手です。to〜の向かう先は未来です。だから不定詞は未来志向と言われ、「これから〜すること」という意味があり、未来のことを意味する動詞と結びつきます。want to, hope to, decide to, intend to, plan to, みな未来志向であることをご確認下さい。

 それに対し、動名詞は 動詞ing の形からもわかるように、「〜しているところ」という現在分詞の意味も関係しています。「〜しているところ」とは、実際に「〜している」わけですから、現実志向なのです。尚、現実に起きたことは、一瞬先には「過去」のものになります。つまり、動名詞は「現実、過去志向」のことばで、「実際に〜すること」「実際に〜したこと」という意味があります。

 こういう観点から、enjoy 〜ing「現実に〜することを楽しむ」 finish 〜ing 「現実に〜していることをやめる」などの動詞を見直してみて下さい。ここから、remember to 〜 「忘れずに〜する」と remember 〜ing 「〜したことを覚えている」の違いも理解できますでしょう。[参考:『英文法がわからない!』 中川信雄著 研究社出版]


Q:164 「〜にとって」と言う場合、to と for をどう使い分けたらいいですか。

 「〜にとって」と言う場合、It is important to me. のように to を使っている文と It is difficult for me. のように for を使っている文を目にします。これは形容詞によって変わるのでしょうか。例えば、important の場合、It is important for me. とは言えないのでしょうか。


A: It is important for me. とも言えます。

 Dave's ESL Cafeに質問してみたところ、"It is important to me"は "In my opinion it is important."「私の意見ではそれは重要だ」とか、I think it is important.「それは重要だと私は思う」の意味になるが、"It is important for me" は "It is important for me to work hard."「私が一生懸命働くことは重要だ」のように「〜することは私にとって重要だ」という形式主語の構文の一部と理解される、とのことでした。

 It を English に変えて、English is important to me. と English is important for me.の違いをイギリス人に聞いてみたところ、English is important to me. は客観的に述べている感じ、English is important for me. は I don't know if English is important to other people or not, but English is important for ME as it gives benefits to me「他の人にとっては知らないけど、私にとっては英語は役に立つから重要だ」というように、話者の気持ちが入っている感じとのことでした。
 
 ジーニアス英和大辞典によると、charming, considerate, courteous, cruel, faithful, friendly, good, kind, mean,, nice, polite, rude, sweet, sympathetic, truthful, unkind などは通常 to を取ります。ただし、It is 〜 for ... to の形式主語の構文では for を取ります。( to 以下が文中に出ていないこともある)

 『今までにない前置詞講義』(西村 喜久著、プレイス)のp.76 には、for は「〜を求めているので」という意味があり、She is kind for me は「私を求めているので彼女は私に親切にしてくれる」という意味になってしまい使えない。kind「親切な」というのは見返りを求めない一方的な行為なので、to を用いて be kind to〜とするのが正しい、とあります。

 『NHKラジオ新基礎英語1』2004年8月号テキスト、p.29には、母親の子どもに対するせりふとして "You have a home tutor tonight. Because Japanese and math are difficult for you." 「今晩から家庭教師の先生がいらっしゃるのよ。日本語と数学はあなたたちにとって難しいからよ」という文が出て来ます。

 再び、Dave's ESL Cafeによると、English is difficult for me. は正しいが、English is difficult to me.とは言わないとのこと。English seems difficult to me. なら、English appears to be a difficult language even though I have perhaps never studied it. の意味でOK。Englsih seems difficult for me. は My study of the language is difficult.の意味でOKとのことです。

 『英文法詳解』 杉山忠一著、学研、p.574には、「to 、forどちらが可能の場合でも、for にはその目的語になるものの利益を思う気持ちが多少含まれているのに対し、to にはそれが無いように思われる」とあります。 It was a good lesson to him. それは彼にとってよい教訓だった。(淡々と事実を述べるだけ) It was a good lesson for him. それは彼にとってよい教訓だった。(話者が彼のためになると判断している) 

 『英文法解説』 江川泰一郎著、金子書房 p.426には「for には目的の意味が加味されている。それで全てが解決するわけではないが、一応の目安になる」とあります。Your love is important to this boy.(この子には君の愛情が大事) Your advice is important for our success. (成功には君の助言が必要) 

 NHKラジオ『基礎英語2』2006年2月号テキストのpp.70-71 には、new という形容詞の例で、「It was new to me. と言うのが普通だが、It was new for me. も全く使わないわけではない。ただ、頻度からいうと、"new to 人"が圧倒的に多い、とあります。また、interesting は to も for も可で、Her talk was very interesting to me. でも、Her talk was very interesting for me. でもOK」となっています。

 また『ネイティブ・スピーカーの前置詞』(大西泰斗/ポール・マクベイ著、研究社出版)には、for は「気持ちがそちらに向いている」が基本イメージ」として、Climbing Mt. Fuji was a wonderful experience for us all.(富士登山は私たち全員にとって素晴らしい経験だった)。
 to は「到達点」が基本イメージとして、He is very kind to me.(彼は私にとても親切だ)。 He is polite to ladies. (彼は女性に礼儀正しい)。It began to make sense to me. (そのことが私に.理解でき始めた)。などの例文が載っていました。

 形容詞ではありませんが、2002年6月21日付け週刊ST「これであなたも英文記者」(伊藤サム)には、「お世話になりました」は Thank you for everything you have done for me. と言えるが、for me を to me に代えて、Thank you for everything you have done to me. にすると「私に対して損害を与えた」というニュアンスになるとあります。

 to と for 両方使える形容詞もあれば、片方しか使えない形容詞もあります。イギリス人に聞いてみたところ、for と to の違いは日本語の「は」と「が」の違いに当たるくらい微妙だとのコメントが返ってきました。ニュアンスとして to は直接的、for は間接的という違いが感じられます。数多くの例文に当たって、ニュアンスを探ってみて下さい。


Q:163 No date on the calendar is as important as tomorrow. の意味がわかりません。

 そのまま訳すと「カレンダーのどの日も明日ほど重要でない」。意味がよくわからないのですが…。

A:その訳で合っています。

 過去にどんなつらいことがあっても、まだ明日があります。今日も明日も、一日一日を大切に生きようという意味です。これはアメリカのジャーナリストで、Scripps Howard という新聞社の経営者、Roy W. Howard のことばです。

 
Q:162 Whatever apology you make, I will never forgive you. 「どんなに謝っても、絶対にあなたを許さない」の whatever は however ではないですか。

A: whatever で合っています。

 whatever 〜は「どんな〜でも」、however〜は「どんなに〜しても」。どちらも譲歩を表す構文を作りますが、名詞を修飾するのは whatever です。お示しの文を直訳すると「どのような謝罪をあなたがするとしても」となります。

 however を使うなら、apologize 「謝罪する」という動詞を使って、However you apologize, 「どんなふうに謝っても」とするか、however の後ろに副詞をつけて、However hard you apologize, 「どんなに一生懸命謝っても」とします。日本語訳の「どんなに」ということばに引きずられないように。


Q:161 Aさんに「Bさんにそれを確認してもらいます」と言う場合、 "I am going to have B-san confirm it."ですか。

 「〜してもらう」だから、使役動詞の have を使いましたが、これでいいでしょうか。また、通常はどのように表現するのでしょうか。

A: Bさんが自分の部下なら have を使えます。

 使役動詞としての have を使って "I am going to have B-san confirm it." とすると B-san に「当然のこととしてやってもらうつもり、Bさんも承知の上」というようなニュアンスが出ます。だから、Bさんが自分の部下なら言えますが、自分の上司だと不自然です。

 Aさんに「Bさんに確認してもらいます」と伝えるだけなら ask 「頼む」を使って "I am going to ask B-san to confirm it. "でいかがでしょう。