
このページは、「日本脳炎ワクチン」について説明しています。以下の質問項目から、見てみたいものをクリックしてください。このページの答えの部分にジャンプします。
A:日本脳炎は、ブタ→コダカアカイエカ(蚊の1種)→ヒトというウイルス生活環のなかで、コダカアカイエカがヒトにウイルスを媒介していきます。日本では1966年まで毎年夏には1000例近くの患者が発生していましたが、1972年以降には100例以下となっており、最近では年間10例〜30例程度に減少しています。流行は西日本を中心として、半数近くは九州地域です。学童の発症は激減し、多くは60歳以上の高齢者ですが、乳幼児の発症例も気になるところです。
A:日本脳炎ウイルスをもったコダカアカイエカに刺されて感染しますが、多くは不顕性感染(感染しても発病しない)に終わり、実際に脳炎として発症するのは100〜1000人に1例と言われています。潜伏期間は2週間前後で、急激な発熱と頭痛で始まり、嘔吐、痙攣、意識障害、昏睡に至り、予後は一般に不良で致死率が高く、知能障害、運動障害を残す後遺症も多く認められます。最近では発症例は少なくなっているものの、発症すれば確実な治療法はありません。
A:日本脳炎は日本だけの感染症ではなく、中国大陸、台湾、朝鮮半島、ベトナム、タイ、インドなど極東、東南アジアに広く患者の発生が認められており、こうした地域に出かける場合には個人防衛の観点からワクチン接種してから出かけるべきです。
A:北海道と青森に住んでいる子どもさんは、希望者のみ無料で接種していますが、それはこの2地域に日本脳炎ウイルスをもったブタがいないからです。しかし転居や旅行の可能性があるわけですから、是非受けておくべきでしょう。
A:日本脳炎ワクチンは3歳を過ぎたらT期2回接種し(1〜4週間隔)、翌年追加接種を行います。T期接種の3回が終了していれば抗体も感染防御レベルを長く維持でき、4〜5年ごとに1回ずつ計2回の追加接種(9歳、14歳)をすることにより免疫能を維持できると考えられています。
A:副反応の多くは、接種後48時間以内に見られる37〜38℃の発熱で、約1%です。接種部位の発赤・腫脹・圧痛も同じぐらいの頻度で認められます。安定剤としてゼラチンが含まれており、きわめてまれにアナフィラキシー反応が報告されています。