このページは、「風疹ワクチン」について説明しています。以下の質問項目から、見てみたいものをクリックしてください。このページの答えの部分にジャンプします。


Q:妊婦が風疹にかかると、胎児に影響が出ると聞きましたが?

A:風疹が白内障をもつ子どもの出生に関係することが証明されて以来、現在では胎児の風疹感染は先天性複合障害の原因になることが明らかになっています。アメリカで風疹が大流行した際、2万人以上の先天性風疹症候群(白内障、心奇形、聾唖)をもつ子どもが出生したことを契機にワクチンの開発が始まったのです。

Q:以前は中学2年生の女子が受けていたと思うのですが?

A:当初、妊娠年齢の女性が任意で接種を受けていましたが、昭和52年から中学女子を対象に定期接種が始まりました。しかし小学生を中心に流行する風疹は、中学女子を免疫するだけで流行を抑えることはできませんでした。当然ながら各地で小流行が起き、障害を持つ子どもが出生しています。風疹の流行を止めない限りこの事態はなくならないのですが、とりあえず予防接種法を変えずに、幼児に風疹の免疫をつける目論見で、麻疹の定期接種にMMRワクチンの使用が認められました。しかしMMRワクチンの接種が中止になり、この試みは成功しませんでした。平成6年改正の予防接種法により、風疹が定期予防接種の対象となり、中学生から幼児までの広い年齢層に接種が始まったのです。

Q:小学1年生や中学2年生でまた受けるのですか?

A:これまでの風疹の罹患状況を見ますと、1/3以上が5歳未満の罹患であり、約80%は9歳までに罹患しています。改正された接種方法では12ヶ月から36ヶ月が標準とされ、90ヶ月までの間は猶予期間となっています。今までは中学生に接種していますから、その穴埋めとして、1995年度は4月に小学1年生または2年生に接種し、1996年度から1999年度までの間、小学1年生に接種するなど、暫定期間が設けられています。つまり現段階では、どこかで1回受ければいいということです。

Q:今後の見通しはどうですか?幼児期の1回で大丈夫ですか?

A:風疹があまり怖い病気ではないという認識からか、現在の接種率は予想よりも低いのですが、接種対象年齢が大幅に拡大したことで、免疫をもつ総数は確実に増加しています。風疹の感染力は麻疹に比べればはるかに低いので、15歳以下の年齢層の半数以上が免疫された時点で流行が止まり、今後10年の経過を見ずに風疹は根絶される可能性があります。しかし幼児期に接種された風疹ワクチンの免疫が、妊娠年齢まで維持できるかは今後の課題として残されています。欧米諸国が青年期にMMRワクチンの2回目の接種を行っている事実には注目しなければなりません。麻疹と同様に風疹も、複数回接種と接種間隔の検討を始めておく必要があります。現在、麻疹・風疹を混合した2種混合ワクチン(MRワクチン)を開発中だということです。