このページは、「手足口病」について説明しています。以下の質問項目から、見てみたいものをクリックしてください。このページの答えの部分にジャンプします。

どんな病気ですか?

どんな症状ですか?

治療とホームケアは?


●どんな病気ですか?● 夏かぜの一つで,本来は軽い病気です。

Q:どんな病気ですか?

A: 夏に多く(夏かぜの1種)、乳幼児や小児(とくに2歳以下)によく見られ、名前の通り、手・足・口の中に発疹や小水疱が出来る病気です。

Q:原因と感染経路は?

A: コクサッキーウイルスA16型(CA16)、エンテロウイルス71型(EV71)が主な原因ですが、他にも同じ様な症状を示す型が知られているので、何回も罹る場合があります。このEV71は無菌性髄膜炎や脳炎などの合併症を 引き起こしやすいといわれています。潜伏期間は3〜6日で、便や気道分泌物の中のウイルスが飛沫あるいは経口的に感染します。

Q:死亡例があるとききましたが..

A: 一般的には軽い病気で、とくに治療もなく、1週間から10日の間に自然に治ります。 しかし、まれに神経症状や呼吸・循環器症状を示して死亡する例も 報告されています。 とくにエンテロウイルス71型では 中枢神経系の合併症(髄膜炎や脳炎)を起こしやすく、このEV71が原因で、 1998年には台湾で20万人以上の患者がでて、そのうち55人が死亡したといわれています。日本でも1997年大阪で3人の死亡者がでています。

● どんな症状ですか?●手足に水疱性の発疹、あと口内炎ができます。

Q:一般的には、どんな症状を示しますか?

A: 人によっては軽い発熱・だるさなどで始まる場合があります。 その後、四肢とくに手の平や足の裏などに水疱を伴った発疹(丘疹)がでます。大きさは1〜5mm程度で、痛みもかゆみもありません。 また、口の中にも粘膜疹(口内炎)が見られることがあります。 発疹は手足のほかに、ひざや臀部にでる場合もあります。
 発疹と同時に発熱がみられることもありますが、1〜2日で下がるのが普通です。のどや口の中が痛くて水分がとれなくなり、脱水症状になることがありますので注意が必要です。

Q:再度、受診させるタイミングは?

A: 口の中が痛くて水分も十分取れないとき、熱が3日以上続くとき、また吐いたり、意識状態などいつもと様子が違うときは、再度受診をして、場合によっては検査を受けましょう。

● 治療とホームケアは?● しみないものを少量ずつ。登園・登校は軽症なら可能。

Q:診断や治療法はどうなりますか?

A: 診断は症状が中心になります。典型的なものは、すぐにわかります。あとは、周囲での流行状況が参考になります。便の検査をすれば、ウイルスは確定できますが、普通は行いません。
 また、特別な治療法もありません。 発熱・発疹・口腔内のアフタなどに対する対症療法が主なものになります。 口腔潰瘍がひどくて食事が摂れないときには点滴をします。 髄膜炎などの中枢神経症状がでてきたら、入院治療が必要です。

Q:予防法はありますか?

A:特別なものはありませんが,手洗いやうがいなどは勧められます。

Q:家で気をつけることは?

A: 発疹は1週間程度で消えますので放置して構いません。熱がなく元気なら入浴もかまいません。口の中を痛がるときには,のどごしが良くてしみないものを少しずつ頻回にとらせるようにしましょう。あと、子供のオムツの処理の後は、手を清潔にすることです。

Q:学校や幼稚園はいつから行けますか?

A: 手足口病は咽頭からは1〜2週間、糞便からは3〜5週間にわたってウイルスを排泄することが知られています。1993年の日本小児科学会誌では、手足口病の登校(登園)停止に関する見解として、“手足口病は感染しても症状がでない(軽い)ことが多く、また発症してからウイルス排出期間が長いため、登校停止にしても感染を予防することは困難である。したがって登校(登園)停止にしても積極的な意味がない”と結論しています。つまり、発疹が出ている程度なら、休む必要はありません。ただ、口の中の症状が強いときは、2〜3日家で様子を見てあげてください。尚、この期間はとくに小さな子ども(乳児)のいるところには、連れていかないようにしましょう。