このページは、「乳児嘔吐下痢症」について説明しています。以下の質問項目から、見てみたいものをクリックしてください。このページの答えの部分にジャンプします。
A:小腸の粘膜の表面に糖分を分解する酵素があり、母乳やミルクの乳糖を分解し吸収します。しかしウイルスに感染すると、腸の粘膜が破壊され、酵素が働けなくなって、糖分が分解できず腸内に残ってしまいます。これが下痢を起こし、さらに乳酸になって、ますます腸を刺激します。
A:伝染力が非常に強く、口からの感染で次々とうつっていきます。潜伏期は2〜4日。終生免疫はつきません。またロタウイルスにはいくつかの種類があるので、二度かかることもあります。
A:5ヵ月ごろから1才代が多くかかります。母乳だけを飲んでいる4ヵ月ごろまでは、まず感染しません。寒くなると発生し、春先まで流行します。
A:突然吐きだして、ほとんど同時か半日くらいの差で下痢が始まります。吐かずに下痢だけのこともあります。吐くのは2日ぐらい、下痢は1週間ぐらい。白い便は25%で、クリーム色や黄色のこともあります。
A:ロタウイルスが原因でけいれんを起こすことがありますが、脳波に異常はなく、後遺症の心配もありません。ほかに腸重積を起こすこともあります。
A:くすりより食事療法が一番大切。それから脱水症の対策、この二つに尽きます。吐き続けるときや脱水症がひどいときは、点滴や入院が必要となることもあります。吐き気があるときは水分は少量ずつ、母乳もかまいませんが量は少なめにしてください。ミルクの場合は、乳糖を含まない大豆乳や乳糖除去乳(ラクトレスなど)などがおすすめですが、味が変わるので気に入ってくれないこともあります。
A:炭水化物は消化吸収がよいので、重湯やよく煮たおかゆがベスト。その他、にんじんやりんごは便を固まらせるので、にんじんスープにしてみてはどうでしょうか。本当は、腸を休ませるために半日ぐらい絶食で、電解質と水分の補給のみのほうがよいでしょう。治ってくると食事を欲しがりますが、2〜3週間かけてゆっくり戻しましょう。
A:下痢で失われたものを補うには、湯冷ましや番茶では不十分です。乳幼児用のイオン飲料(アクアライトなど)がおすすめ。吐き気があるときは少量ずつ、飲めるだけ飲ませてあげましょう。
A:お風呂は体力を消耗するので、洗面器でおしりだけ洗う坐浴やシャワーがおすすめ。とにかくよく洗い流して、おむつかぶれのくすりをつけておくことです。
A:お母さんは手をよく洗い、おむつはすぐに取り替え、きちんと始末することです。しかし、兄弟にはまずうつります。