ドイツに入りオーストリア、イタリア、またドイツへ戻る旅は雨具を出すことなく快晴で過ぎる。
緑の牧草地と岩峰、氷河、それに花で飾られた家々とどこへカメラを向けても絵になる所だった。
高所まで交通機関が充実し、大勢の人たちが夏を満喫している様子が身近に感じられた。
11(日) 関空10:15<>アムステルダム<>ミュンヘン<>ガルミッシュ・ガルテンキルヒェン
空港で一緒に行く5名と顔合わせはしたものの座席もバラバラで一人旅の気分。
ミュンヘンでツアーリーダーと成田からの人たち7名と合流しホテルへ向かう。
深夜に到着し荷物の整理などして寝たのは1時近くになってしまった。
12(月) ホテル7:30…登山電車・ロープウェイ<>インスブルック・市内観光<>ピッツタール
駅まで歩いて行くが、ドイツらしく家々の窓には花が飾られ町全体がきれいである。
2両編成の電車は牧草地帯から樹林帯を走り、山をくり貫いたトンネルを抜けて2600mへ。
ロープウェイでドイツ最高峰へ行くが、2964mの山頂は岩場を眺めるのみで他の展望を楽しむ。
戻りは湖のあるアイブゼーまで一気に下り、イタリア人のドライバーにグラッパの歓迎を受ける。
インスブルックの趣のあるレストランで食事をした後、旧市街をガイドに案内してもらう。
中世を感じさせる街並みと石畳だが、沢山の観光客であまり時間もなく通り過ぎてしまった。
車窓に白い山並みを見ながらチロルの谷に入って行き花に溢れた村に着く。
ドイツ・ガルテンキルヒェンの店 アプト式の登山電車(720〜2600m)
ロープウェイでツークシュピッツェ山頂近くまで上る スキーで40kmも滑られるとのこと
インスブルックの王宮 旧市街にある黄金の小屋根
13(火) ホテル7:30<>氷河地下鉄・散策・地下鉄<>フネス谷15:00<>モンテ・パナ
岩盤を刳り貫いた氷河地下鉄はかなり冷えてフリースを着込む。
駅から出ると目の前には氷河が広がっていて素晴らしい景観に圧倒される。
ただロープウェイで行くはずだったブルンネンへは昨夜の落雷のため運行が遅れるとのこと。
2時間も待つ余裕はなく、残念ながらチロル最高峰(3768m)はまたの機会ということになった。
同じ地下鉄で下り、ポスターにもなっているフネス谷を目指す。
左手にインスブルックの町並みを見て、上ったプレンナー峠でイタリアに入る。
フネス谷にはグループ以外の人はあまりなく、カウベルののどかな音だけが響いていた。
下っていったカルデナ谷にあるメスナーの生誕地の村のソフトクリームは安くて美味しかった。
スピード競争のような運転のドライバーから「サッソルンゴ!」が飛び出し、モンテ・パナ(1636m)へ。
ホテルの部屋からは屹立している岩峰が手に届くような距離にあった。
オーストリア・ピッツタール(チロル)の朝 氷河地下鉄で1740〜2840mへ上る
ブルンネンコーゲル(3440m)の山頂駅が見える ドロミテ山群のフネス谷
気持ち和らぐ風景が広がる モンテ・パナホテルからのサッソルンゴ
14(水) ホテル…チェアリフト…セッラ峠・テレキャビン<>ポルドイ峠…ハイキング<>ミズリーナ湖
リフトから降りるとまた別天地が広がっていた。サッソルンゴの周りを歩いて行くが、のんびりと草を
食む牛たち、緑の絨毯に赤いアルペンローゼと黄色の花、たくさんの高山植物や景色が楽しめた。
セッラ峠へ近づくと人も多くなる。夏休みに入ったらしい子供たち、赤ちゃんを負ぶった若い夫婦、
犬連れの人、年配のグループなど国も様々のようで挨拶もハローからチャオ、ボンジョーノといろいろ。
サッソルンゴの鞍部にある小屋へのテレキャビンは立ったままの2人乗りで乗る時と降りる時は緊張する。
小屋まで歩いて登る人や細い岩の上にいるクライマーたちが見えていた。
バスに戻ってポルドイ峠(2239m)へ移動する。
ここからは往復2時間ほどのハイキングで、ドロミテの白い女王マルモラーダを眺望する。
この道も花が多くエーデルワイスも咲いていたが、斜面全体のキンバイは圧巻だった。
峠からはドロミテ街道を走り、オリンピックも行われたコルチナを経てミズリーナ湖畔に着く。
怪峰と呼ばれる山(3181m) セッラ峠(2244m)付近から振り返る
氷河の跡U字谷の景観 鞍部の小屋へテレキャビンで上る
小屋(2685m)からの景観 ポルドイ峠(2239m)付近
ドロミテ最高峰・マルモラーダ(3343m)の展望(左奥) 峠の小屋とセッラ山地
15(木) ホテル9:00<>オーロンツォ小屋9:30…ハイキング<>ホテル(連泊)
小屋までバスで上り、ドロミテの核心部である名峰ドライ・チンネンを一周する。
歩き始めてすぐ垂直の大北壁をもつ3つの岩峰(2999m)が青空に聳える姿に圧倒される。
これから岩に取り付こうとしたり、岩場に張り付いているクライマーたちが双眼鏡で見える。
ハイキングコースもたくさんあり大勢の人たちが思い思いに歩いていた。
天気がいいのと遮るものがないためかなり暑くサングラスは必需品である。
お昼はポテトとウインナーで二人分ほどの量に驚くが、美味しく食べられた。
午後は一旦下ってまた上る。あまり高低差はないように見えたがかなりこたえた。
少し歩いた草原で休憩。寝転んで青空に浮かぶ雲を眺める。
いろんな花も咲いていてカメラを向けるのに忙しい。小さな池とワタスゲを見てバスに戻る。
部屋は家族連れ用が当り、レンジ、食洗機、冷蔵庫、調理用品、食器類などが備わっていて、
ソファベッドなどを使えば5人は入れる広さがあり一人では怖いくらいだった。
夕食後、皆で菓子持ち寄りのお茶会を楽しむ。久し振りの日本茶の美味しいこと。
イタリア・コルチナ近くのミズリーナ湖(1756m) ドライチンネン。左下に挑む人たちが見える
憩う人も多いロカチェリ小屋 小屋の裏の湖。道も続いている
一旦下ってまた上る道。牛たちが羨ましい 振り返ると小屋が見えた
幾つものトレッキング道がある ダイナミックな滝
16(金) ホテル8:30<>ハイリゲンブルート11:30・昼食…ハイキング13:30…ホテル
途中で滝見物とリエンツでの買物休憩後、ホテルには昼前に着いてしまった。
午後は教会見学をして滝まで往復する。樹林帯までは暑かったが滝近くではしぶきが心地いい。
ホーエタウエルン地域で最も美しい村と称されるだけあって最高峰を望む風景は絵になる。
17(土) ホテル<>ヘーエ…ホスマンス小屋…ヘーエ<>ザルツブルグ…市内観光…ホテル
1100mを一気に上がり氷河が見える場所に立つ。ここはかつての皇帝も歩いて眺めた場所とのこと。
岩を刳り貫いたトンネルを6つ歩くが、電気も付き音楽なども流れ水琴なども作ってある。
左にグロースグロックナー、東部アルプス最大のパステルツェ氷河を眺めながら歩いていく。
草つきの斜面にはマーモットがチョロチョロしていて可愛い。小さな赤ちゃんマーモットも穴から出ていた。
小屋近くではお目当てのエーデルワイスがたくさん見られ感激する。綿毛が厚く凛としている。
同じ道を戻り山岳道路を駆け抜けて音楽の都ザルツブルグへ向かう。
ヘアピンカーブを様々な車やオートバイが疾走する様は、景観より見応えがある。
ザルツブルグは旧市街が世界遺産になっていて1600年代の古い街並みが残っている。
モーツアルトの生家や教会の建物など歴史を身近に感じる所でもある。
城塞やサウンドオブミュージックのロケ地などもあるが、人も多く暑いため早々にホテルに戻る。
美しい村(1301m)の朝 オーストリア最高峰グロースグロックナー(3797m)
パステルツェ氷河。山頂左下に小屋がある フランツ・ヨゼプス・ヘーエ(2451m)より
岩を刳り貫いたトンネルを6つ通って行く ホフマンス小屋(2442m)が見えてきた
ザルツブルグのミラベル庭園 高台にあるホーエンザルツブルグ城塞
モーツアルトが1756年に生まれた家 ホフマンス小屋への斜面にいたマーモット
18(日) ホテル5:45<>ミュンヘン<>アムステルダム12:00<>関空19日 8:05
最終日はモーニングコールが4時30分で出発まで慌ただしい。
空港で、ミュンヘンでもう1泊する人や、パリから成田・関空へ帰る人たちと名残を惜しむ。
エーデルワイス。流石に気品がある 華やかに咲くアルペンローゼ
キンポウゲ ゲンチアナ・ベルナ(リンドウ)
マンテマ エンドウの仲間
サクラソウ アンティリス・ブルネラリア
ワスレナグサ リナリア・アルピナ
テガタチドリ
ツメクサ マツムシソウ
ロウゥス・アルピヌス テッセン
フィデウマ・オルビクラレ ヤナギラン
チョウノスケソウとイブキジャコウソウ 一面キンバイの花園