幌尻岳はアイヌ語でポロ(大きい)シリ(山)と言われるように、日高山脈の最高峰である。
19日 酷暑の大阪を抜け出し千歳空港に降りたものの、ここも暑い北海道だった。
日高の広々とした牧場にゆったりと草を食む馬たち。名馬の故郷ならではと思う。
二風谷のアイヌ博物館にも寄ったが、衣装の文様の美しさに改めて感心する。
20日 取水ダムで沢用の靴に履き替え、まずは幌尻山荘を目指す。
四ノ沢出合いから、いよいよ額平川の徒渉が始まる。
水量は普通とのことだが、流れは速く、水は思いのほか冷たい。
膝上ぐらいの所でもストックは流されそうになり、ふんばって歩く。
14〜15回の徒渉と、崖のへつりも何ケ所かあって、緊張の連続。
リーダーの的確な指示とサポートで、流されることもなく幌尻山荘に着く。
激しい流れの額平川、岩の上も越す
樹林の中の小屋。やっと実物に会えた。(夕食には熊と鹿肉の差し入れも)
小屋からはトドマツの中の急登が続く。
尾根に出た所に水場(命の水)があり、一息つく。
しばらく登るとハイマツ帯になり、戸蔦別山あたりも見え出してくる。
イワギキョウ、ミヤマリンドウなど花もまだ盛りで、チシマヒョウタンボクだけが赤い大きい実を2ケくっ付けている。
雄大なカールを見下ろしながら縁を巻く。山頂はもうすぐ。
北カール越しに山頂を望む。 山頂の可愛い標識。東カールも見えた。
ミヤマアズマギクとエゾウサギギク。
(タカネトウウチソウ、コイチヤクソウ、エゾツツジ、シロバナイワギキヨウ、チシマフウロも)
コースタイム
取水ダム7:15…幌尻山荘9:25〜10:00…命の水11:30〜12:05…幌尻岳14:00…命の水16:00…幌尻山荘16:55
後方羊蹄山
21日 再び額平川の徒渉をして振内(フレナイ)に戻り、バスでニセコへ移動する。
22日 後方羊蹄山は蝦夷富士と呼ばれるだけあってきれいな円錐形だが、標高差は1500mほどもある。
半月湖畔の登山口からの倶知安コースで登る。
2合目までは散策にいいような気持ちのいい道だが、だんだんと急登になり汗が吹き出す。
振り返ると雲の上にニセコアンヌプリも頭を出していた。
9合目あたりからのお花畑には初めてのメアカンキンバイ、マルバシモツケがあり、ウメバチソウがかわいい。
ナナカマドは真っ赤、ガンコウランは真っ黒の実で秋を呼んでいた。
火山の山を証明するかのように父釜、母釜が大きくすり鉢状になっている。
下りも同じコースだが、予報の雨にも遭わず登山口に戻れた。
北山から山頂を振り返る 最高峰、虫の大群で早々に退散する
ニセコより夕暮れの羊蹄山
コースタイム
登山口7:40…5合目9:40…9合目11:45…羊蹄山12:15…最高峰12:30…北山(昼食)13:20…6合目14:30…登山口16:15
幌尻岳は長いこと行けない山だと思っていた。今回登れたことは本当に幸運だった。
3年前の幌尻岳でのNさんの笑顔、羊蹄山では明るかったIさんを思い出しながら歩く。
疲れた身体を温泉に浸しながら、恵まれた3日間、リーダー、仲間に思いを込め北の旅を終る。