長年の憧れだったカナダの自然は、高く天を突く針葉樹の森と万年雪を抱いた岩峰、その間には
コバルトブルーの湖が影を写している。道の両側には初めて見る高山植物が可憐に咲き誇っていた。
ロッキーの一部しか見られなかったが、それでもそのスケールの大きさに圧倒された1週間だった。
12日関空発16:30<AC>バンクーバー9:10〜12:00<AC>カルガリー14:20<バス>17:00レイクルイーズ着
気流のせいか1時間ほど早く9時間でバンクーバー着。入国検査もアメリカのような煩わしさがない。
カルガリーからは100kmも離れたロッキーの山並みを見ながら、バンフ国立公園のレイクルイーズへ。
ホテルは滞在型のメゾネットタイプで7人分のベッドがあり、二人では広過ぎるほど。
緯度が高いため夜10時近くまで明るい。
13日ロッキーの300ほどあるというハイキングコースのうちのラーチバレートレイルへ 11km 6時間
ホテル9:00<バス>モレーン湖9:30〜50(散策)…登山口10:15(1887m)…小川の辺11:25…
ミネスティマ湖12:50…センチネル・パス(2611m)13:25〜45…登山口16:30 *ラーチはカラマツのこと
針葉樹林からのスタートとなるが、時差と1900mからの歩き出しは足が重い。30分ほど汗をかくと
やっと慣れてきて、コバルトブルーのモレーン湖を樹林の間から見下ろしたり、次々に出てくる高山
植物を見るのに忙しい。ガイドは日本の若い男性二人で、メンバー17人+添乗員を2班に分け無線で
連絡を取りながら行くが、植物を始めあらゆることに詳しく、楽しめるハイキングである。
ロッキーはクマの国という看板もあり、ここも6人以上しか歩けないことになっているようだ。
クマ情報があれば、トレイルは閉鎖されるとのこと。
パス(峠)はかなり寒く、雹が落ちてきて雷まで鳴り出したため急いで下る。
ロッキーの天候は変わりやすいと聞いていたが正にそのとおりになった。
レイクルイーズよりテンプル山(3543m) モレーン湖よりテンピークス連峰
小川の辺からもテンピークスが望める エッフェル・ピーク(3084m)とクマ注意の看板
センチネルパスは雪渓の上の方をトラバースする 2500mにある湖は凍っていた
高山植物の女王、モス・キャンピオン 至る所で目にするシマリス。動きがすばやい
ウエスタン・アネモネ アネモネの末期。毛槍のようになる
ハートリーフ・アルニカ(ウサギギクの仲間) アルパイン・バターカップ。花びらは光沢で紫外線を避ける
14日ヨーホー国立公園にある落差400mのタカカウ滝を見て、アイスライン・トレイルへ 8km 6時間
ホテル9:00<バス>登山口9:30…氷河湖12:40〜13:10…登山口15:10…滝見物16:00<バス>ロジャースパス18:00
ハイウェイに沿って大陸横断鉄道が走っているが、急峻な峠を登るため8の字になっていて、
長い貨物列車だと入口から出口まで見えるらしい。そのための展望台もあった。
1520mの登山口からしばらく登っていくと、タカカウ滝が下に見えてくる。水量が午前と午後では違っていた。
森林限界を過ぎるとガラガラの道で眩しくサングラスをかける。滝の上の氷河や周りの山々を見ながら進むと、
このトレイルの由来どおり氷河をすぐ近くで見ることが出来る場所になった。
氷河の近くは涼しい風も吹いて気持ちがいいが、植物は生育できないようだ。
トレイルはまだ先へ続いているが、氷河湖の辺で昼食を摂り引き返す。
滝の上部にデリー氷河が広がっている 樹林と岩峰の雪とのコントラスト
ヨーホー谷を挟んだ山並み 氷河が100mほどの所に
流れてきているのが分かる 小さな湖。陽は照っているが暑くはない
ロッキーを代表するインディアン・ペイントブラシ 色はさまざまで、薄いピンクもある
ホワイト・ドライアッド(チョウノスケソウ) ブラック・ツインベリー。ヒョウタンボクの仲間
フォーム・フラワー。ズダヤクシュの仲間 ウエスタン・メドウ・ルーの雌株
15日グレイシャー国立公園にあるロジャースパス。そのロッジの裏から出発する。
パルーパストレイル 10km 6時間
登山口(1320m)9:20…パルーパス(2100m)12:50〜13:10…登山口15:20
ここは少し南で雨が多いためコケやシダ類が多く、サルオガゼは冬季ヘラジカの食料にもなるらしい。
トレールは日本の山道と同じ感じで、植物も似たのが多かった。
針葉樹林帯から草原(メドウ)になり、クマの好きなハナウドが沢山咲いている。
数日前と見られるクマがいた跡も見られ少し緊張しながら歩いていく。
森林限界を過ぎると一面グレーシャー・リリーのお花畑で、皆から歓声があがる。
展望のいいパルーパスは周りの雪山が少し見えただけで残雪もあり寒かった。
雪解けの後にはいろんな花々が咲いていて、天気が良ければのんびり過ごしたい所である。
前日に注文していたランチ(サンドイッチ、果物、飲み物を選べる)はとても美味しかった。
雪渓にグレーシャーリリーの花畑が広がる パスから展望台へ
一面ウエスタン・スプリング・ビューティの花盛り マーモット(中型犬ほど)3ケ月しか行動しないとか
グレーシャー・リリー。カタクリの仲間 レッド・フラワード・コロンバイン。オダマキの仲間
レッドモンキーフラワー。ミゾホウズキの仲間 マウンテン・マーシュ・マリーゴールド
パートリッジ・フット。バラ科 シモツケソウに似ている
クイーンズ・カップ。ツバメオモトの仲間 トランペットゴケ
16日ロジャースパスから移動し、またレイクルイーズに戻る。
フェアビュー・マウンテン登山 10km 6時間
ホテル7:30<バス>レイクルイーズ10:30登山口(1785m)11:00…分岐12:30…2500m付近
13:00…分岐13:30…登山口14:30<バス>バンフ17:00
分岐(2300m)で山頂(2744m)へ行く人と、戻って湖畔巡りをする人に分かれる。
ここからは直登の砂利道になっていて途中から雨になり、下りは危険ということで引き返す。
あと三分の一ほどだったらしいが、ガスに巻かれると怖いらしい。
ロジャースパスから2時間、時差が1時間あって出発が11時になったが、天候の変化などを
考えると遅すぎる感じがした。
帰り道、時期的にもう見れないと思っていたビーナス・スリッパーに会えて嬉しかった。
シャトウレイクルイーズが見える 針葉樹のなかのトレイル
フェアビューマウンテン。右上の雪渓まで行けた 登りの道から周りの山
シルキースコーピオンウィード。ハゼリソウ科 スポッティド・サクシフレイジ。ユキノシタの仲間
ビーナス・スリッパー(ホテイラン) ノーザン・ローレル(ツツジ科)
17日コロンビア大氷原観光
オプションの日でハイクと氷河観光組にほぼ半々に分かれて出発する。
バンプを8時30分に出てルイーズ湖に寄り、アイスフィールド・パークウェイでアサバスカ氷河を目指す。
途中ではペイト湖やクロウフット氷河を展望し、レストランでの昼食後ジャスパー国立公園の入口になる
サンワプタ峠に立ち寄ってコロンビア大氷原に着く。
ここは観光のハイライトとして有名なせいか、発着所はさまざまな国からの大勢の人である。
バスで15分ほど行き、スノーコーチに乗り換えてまた15分ほど。念願のアサバスカ氷河の上に降り立つ。
上の方にコロンビア大氷原が眩しく白く光って見える。足元は圧縮してあるので滑らないが水が染み出して
いるので要注意。周りのアンドロメダ山からの氷河もすばらしい。
温暖化の影響か、何十年も前に見ていた写真よりは氷河が後退しているのが感じられた。
センターへ戻る時上部の氷河まで行ったらしい4人組が見えた。ガイド付きがあるらしい。
往復のバスは勿論氷河観光も日本語の説明だったのでよく分かった。
山々を映し出す氷河湖のボウ湖畔をゆったり巡って戻る。
朝のレイクルイーズ湖 熊皮型のペイト湖
アサバスカ氷河へはバスから雪上車に乗り換える 上部はコロンビア大氷原
スノーコーチのタイヤの直径は1.5m アンドロメダ山と氷河
気持ちいい風が渡っていくボウ湖 エレファントヘッド(シオガマの仲間)
18日バンフ8:00<バス>カルガリー9:30〜11:30<AC>バンクーバー11:55〜14:15<AC>
19日関空16:45