50年前の映画のなかで見た雪の山。赤道直下なのに何故雪があるのだろう?
それがキリマンジャロでありいつも雪を抱く山であることを知ってから、自分の目で見たいと思い続けてきた。
見るだけもでいいと出掛けた山行きが、山頂まで行け幸運とすべてに感謝である。
4000m付近からキボ峰が大きく見えてくる
ゲートへ向かう途中モシ付近から初めて見た雪の山 マラングゲート。入山手続きをする
マンダラ小屋の朝,ポーターは荷物を纏めるのに忙しい 3000m付近からキリマンジャロを見ながら歩く
マウェンジ(5149m)は対象的に青空を突く ホロンボ小屋(3720m)が見えてきた
3980mにあるゼブラロック 荷物を持ったポーターが軽やかに通り過ぎていく
メンバーの荷物を持ってくれたポーターたち ザ・サドルを行くメンバーとガイド
マウェンジ峰が右手に大きく迫る やっと着いたキボ小屋(4700m)
岩の左に小屋とテント場が見えている(上部より) 夕陽に紅いマウェンジ峰
ウルフ・ピ-ク(5895m)よくここまで来れた 蒼い氷河(懸垂)が煌いて別世界を思わす
北面の火口にも氷河が 月面はこんなかと思わせる火口
キリマンジャロに別れを告げる朝 3日前からの山火事。まだ燃えている
ルートの両側も無残に焼け焦げていた ゲートでの認証式でキリンジャロ賛歌が流れる
樹齢1500年のバオバブの木。横で果物など売っている アリューシャ国立公園。キリン、シマウマ、水牛、鹿など
すぐ近くのキリン。大きくて目が可愛い フラミンゴの群。だいぶん少なくなっているらしい
アフリカの花たち
ロベリア・デケニー
アザミに似ている ドライフラワーのよう インパティエンス
夕顔に似ている ビォラバイオレット 木立ベコニァ
アフリカシャクナゲ?と名付けた イワタバコにそっくり
4(水)関空からオランダ・アムステルダムまで12時間、近くのホテルでゆっくり眠りまた9時間の飛行。アフリカは遠い。
赤い砂漠の上は飛んでも飛んでも変わらず、ナイルが大きく蛇行している様が分かる。
タラップを下り爽やかな風のなかでアフリカの一歩を踏む。入国はにこやかに「ジャンボ!」
日本語の上手なKさんに迎えられ、ものすごいスピードで真っ黒な道をホテルへ。
5(木)専用車で登山口へ。途中からキリマンジャロが見えてきた。雪が少ないらしいがそれでも初めての山に感動。
ゲートにはガイドとポーター25名が待っていてこちらの7名との顔合わせとなる。
トランクはホテルに置き、ポーターに預ける荷物、自分のザックと分けて持つ。
公園局で手続きが終っていよいよ出発。広い歩き易い道で樹林には苔が下がり花々も早速出てくる。
ランチを済ませワラビの道をマンダラ小屋へ。キャビンのきれいな小屋である。クレーターへもブラブラ散策。
ここからも南十字星が見られて嬉しい。すぐに見えなくなったが…
6(金)モーニングティーと手洗いの湯がきて、メインハウスで朝食。
樹林帯から潅木帯に出ると、キリマンジャロとマウェンジ峰が見えてくる。
高山病にならぬようポレポレ(ゆっくり)と水分補給に気を付けて、景色を楽しみながら歩く。
昼食もベンチのある所で温かいスープとサンド、果物など美味しくいただく。
いろんな国の人がキリマンジャロを目指している。満足げに下りてくる人ともジャンボのエール交換。
乾燥の道を行き来するたび舞い上がるホコリがすごく、サングラスと共にマスクも必需品である。
ホロンボ小屋に着き、高度順応のため付近を散策する。夕方より少し寒くなり食事が食べられなくなる。
7(土)心配していた高山病が出てきたが、停滞日なので4000m近くのゼブラロックまで行き皆と別れて下る。
(皆は4100mまで行ったとか)持参のおかゆや食べる酸素を飲んだせいかだんだんと気分も回復してきた。
8(日)いよいよ初めての高度体験とダブルストック。体調も良くなりガイドもゆっくりゆっくり歩いてくれるので疲れは感じない。
日差しの強さ、ホコリ、それに風も強くなる。1輪車で下ろされていく人が4人もいて気を付けねばと思う。
2時間ほどでラスト・ウォーターとなるが、ミネラルウォ-ターと湯で2ℓほど毎日持って出ている。
キリマンジャロが正面にますます大きくなり、見ながら歩いていると自然に涙が溢れてきた。
今ここにいること、父母からもらった健康な身体で歩ける幸せ、後押ししてくれた夫や子供などに感謝のみであった。
砂漠地帯のサドルでランチタイム。しばらく行くとキボ小屋が見えてくるがここからも登りになりゆっくりペース。
ここは登る人のみなので小屋も小さい。テントも10張りほどあった。
ティーの後は少し上まで散歩。50mほど登るのさえ、深呼吸をしながらゆっくり、ゆっくり。
9(月)アタックは23時起床、0時出発。ティーのみ飲む。
月明かりもなくヘッドランプだけを頼りに急登の砂礫道を進む。
冬用の上着3枚下は2枚に雨具の上下だが、手袋2枚でも手先が冷えてきてホッカイロを入れる。
一歩ごとに強く吐いて酸素を入れようとするが追いつかない。
ハーフポイント辺りから私ともう一人が遅れ、ガイドに荷物も持ってもらう。
下を見るとあちこちに灯りがある。おかしいと思いつつ歩いたが、後で聞くと山火事の炎だった。
自分のペースで歩いて行くと皆に追いつき、岩場を越して地平線が明るくなる頃ギルマンズ・ポイント(5680m)に着く。
ここまでで充分と思ったのに、ウルフまでという声に励まされて、また歩き出す。
火口縁を歩いていくが目の前に蒼い氷河が立っている。昇ってきた朝日を受けて耀き眩しい。
若いガイドのKさんが一緒に歩いてくれるが、朦朧としていて足を交すことしか出来ない。
7時40分ウルフ着。しばらくは腰を下ろしたまま景色を眺めるのみ。感動はその後であった。
皆と握手、握手。山頂の標識にも“おめでとう”の文字が入っている。
下りかけていると1人も来て6名全員が登頂を果たした。最後は体力より気力ではなかったかと思う。
下りはキボ小屋で荷物を纏めホロンボ小屋まで21kmを一気に下りるが、睡眠不足もあり長く感じる。
10(火)今日もゲートまで27km。夢が果たせた満足感と一晩寝たせいで快調に下る。
ただ、ルートの両側は焼焦げまだ燻っている。停滞を余儀なくされたグループもあったようだ。
雨季になるまで緑は戻らないだろうし、ちょっとの不注意で本当に残念だ。
ゲートでは登頂の認証式とスタップとのお別れパーティ。
いつも顔を合わせていたのは数人で、食事メンバーやポーターたちとはあまり話せなかった。
アフリカらしい陽気なキリマンジャロ賛歌と共に№も入っている賞状をもらう。行けてよかった。
11(水)午前中はアリューシャ国立公園でのゲームサファリ。ゲートまで1時間あまり。
手続き後でこぼこ道を走り回るがキリン、バッフアァロー、シマウマ、ヒヒ、イボイノシシ、シカ、フラミンゴを
はじめとする鳥類をちゃんと見つけて車を止めてくれる。
午後はホテルでしばらく休み、土産店に寄ってから待望の中華料理店へ。
空港でよく気配りしてくれたガイドのEさんと別れ、ダルエスサラーム経由行きに乗る。
12(木)アムステルダム着後、東京駅の見本と言われる中央駅へ。カラフルな路面電車が走っていて楽しい。
旧王宮のあるダム広場からアンネフランクハウス見学。
運河のそばにそのまま残されている家。繰り返し読んだ場所が調度品と共にあるのに切ない思いがする。
日本人でほぼ満席の飛行機で関空へ。長い貴重な旅も終った。 サンテ・サーナ(ありがとう!)
旅行日程
9/3 関空10:20⇒アムステルダム15:05着(現地時間)<バス>ホテル *時差7時間
9/4 アムステルダム10:40⇒キリマンジャロ空港20:30<バス>アリューシャ ホテル21:50 *時差1時間
9/5 ホテル8:00<バス>マラングゲート(1800m)10:20~11:00…分岐点11:45~12:15…
マンダラ小屋(2700m)15:15 …クレイターまで散策16:00 *12km
9/6 小屋8:00…3400m地点11:35~12:10…ホロンボ小屋(3720m)14:05…散策15:00 *15km
9/7 小屋8:30…マウェンジ峰方面散策・ゼブラロック…小屋11:30 *4km
9/8 小屋7:30…サドル(4350m)12:15~45…キボ小屋(4703m)13:50 *15km
9/9 小屋0:00…ギルマンズポイント5:45…ウルフピーク7:40~8:00…ギルマンズ9:00…
キボ小屋11:00~13:00 …ホロンボ小屋16:40 *27km
9/10 小屋8:10…マンダラ小屋11:30~12:00…マラングゲート14:30~15:30<バス>アリューシャ ホテル17:30 *27km
9/11 ホテル<バス>国立公園ゲームサファリ<バス>ホテル13:00~16:00<バス>キリマンジャロ空港21:25⇒
9/12 アムステルダム8:10<鉄道>アンネの家見学…空港14:25⇒9/13関空8:35