時代に翻弄されながらも、中世の面影を残す中央ヨーロパの国々。
小さいながらそれぞれの個性を持つ、落ち着いた大人の街の歩き旅だった。
25(月) 関空23:10<カタール航空>
26(火) ドーハ4:20<>ブタペスト<>王宮…マーチャーシュ教会…漁夫の砦<>ホテル16:00
入国は簡単に済み両替をした後市内観光へ。空港からも近くドナウ川を見ながら王宮の丘へ。
こちらはブタ地区で川の向うがペスト地区、見下ろすブタベストの街が美しい。
マーチャーシュ教会はエルジェーベトが戴冠式を行った教会で高い尖塔があり、市内のどこからでも見える。
ドナウ川に架かるのが、くさり橋、エルジェーベト橋、自由橋、マルギット橋などでそれぞれに個性がある。
川には多くの船が行き来しているが、雨後のためか中流域のせいか碧きドナウではなく濁った色である。
早めにホテルに着き、夕食後に併設のスパに行ってみる。
温泉、ジャグジー、プールなど規模は小さいが健康には良さそうだ。
温泉王国と言われるハンガリーにはローマ時代からの文化があり、市内にも大きい温泉がある。
ペスト側から見たブタの王宮の丘 ハンガリー王国の紋章と冠を頂く自由橋
ドナウ川を挟むブタペスト市街 屋根が美しいマーチャーシュ教会
27(水) ホテル8:30<>国会議事堂<>中央市場<>ドナウベント<>ナイトクルーズ…ホテル
ホテルの部屋から増水したドナウや、中洲の島を1周するランナーが見える。
バスですぐの国会議事堂は外観も素晴らしいが、内部の装飾にも目を見張るものが多い。
小、中学生の団体もいてかなり賑やかである。
中央市場は1890年に建てられた常設市場で、名物のパプリカやとうがらしが並んでいる。
午後はドナウ川が直角に曲がるというドナウベントの町・エステルゴムへ。
丘の上に建つ大聖堂は高さが100mの立派さでハンガリー建国の地に聳えている。
この裏手からは対岸にスロバキアの町を見渡せ、橋は通勤にも利用されているとのこと。
次に訪れたセンテンドレは小さな町で美術館が多くセルビア文化の香りがする。
雑貨店も多く、覗いているとすぐに時間が経ってしまう。
ブタペストに戻り、夕食にグヤーシュ(スープ)が出たが口に合わなかった。
夕刻からは1時間のナイトクルーズへ。王宮や国会議事堂などのライトアップは素晴らしく、
20:40にはくさり橋の点灯が見られて感激、寒さも厭わずデッキから眺めていた。
国会議事堂 豪華な装飾が施されている
議場では学生たちが模擬国会を行っていた ローストポーク。クネドリーキ(ムシパン)が付く
中央市場内の野菜屋(パプリカ)が多い 海から遠いのでコイやナマズも売られている
ハンガリー・カトリックの総本山 川の向こうはスロバキア
28(木) ホテル8:00<>ブラチスラバ<>レドニツェ<>プラハ19:30
今日はハンガリーを離れてスロバキアに入り午後チェコへという慌ただしい1日である。
国境は一瞬で通過する。20年ほど前にチェコから分離・独立した国で広さも北海道の5分の3程。
スロバキアの首都ブラチスラバもドナウ川に面しており、マリア・テレジアも住んだ城が丘に聳える。
旧市街を取り巻く城壁も残っていて、中心の広場に面して日本大使館がある。国旗に感動。
昼食は船上のレストランで、パプリカ入りのグラーシュ(シチュー)でクネドリーキも付いている。
また国境を通過してチェコへ。国境近くではバスが止められ、ドライバーは警備の4人にコーヒーの
サービスをさせられていた。クロアチアでもあったことだが…
両国ともユーロが使えるので両替の必要はなく便利である。
世界遺産のレドニツェ城の庭園を30分ほど見学してプラハを目指す。
街なかのホテルは可愛い感じの部屋でバスタブもあり一安心。ロビーでは生演奏もしていた。
四角いプラチスラバ城・4つの塔はテーブルの脚 旧市街の中心・フラヴネー広場
おじさんがマンホールから? イギリス式庭園のレドニツェ城
29(金) ホテル8:00<>ヴィート教会・旧王宮・イジー教会・カレル橋・旧市街<>チェスキー・クルムロフ
ホテル…クルムロフ城・旧市街…夕食…ホテル20:00
14世紀にローマ帝国の首都として栄えたプラハ。その面影を残す街は落ち着いた色合いである。
ヴルタヴァ川の西岸の丘に聳えるプラハ城。その中にあるヴィート教会は朝からたくさんの人である。
王宮、イジー教会を見学して街を見ながら旧登城道を下っていく。
600年前の石橋、カレル橋を渡る。両側の欄干には30体の聖人像が並んでいる。
賑やかな通りを歩いて行くと旧市街広場に着く。教会や旧市庁舎、宮殿などに囲まれているが、
皆のお目当ては毎時に動き出すからくり時計である。人形など細やかで終わると拍手がおこる。
ここの一角でボヘミアンガラスを手に入れる。繊細な模様が彫ってあり思っていたより軽い。
昼食後、世界で最も美しい町といわれるチェスキー・クルムロフへ。
渋滞で到着が遅れたので、ホテルに荷を置き急ぎ閉館前のクルムロフ城の塔を目指す。
滑り込みで入場出来、160段のらせん階段を登る。素晴らしい眺めが待っていた。
ヴルタヴァ川が大きく曲がり、16世紀から変わらない赤い屋根の可愛らしい町並みがある。
広大な庭園のほか第5の中庭などもある規模の大きな城館である。
石畳を下りながら土産物店が並ぶ広場に戻る。散策・夕食後、ホテルへ。
裏が公園になっているホテルは民宿風で部屋もまちまち。お姫様風に当たった男性もいた。
100mの尖塔が美しい聖ヴィート教会 ハムも手がけたステンドグラス
ドナウ川とプラハ城 カレル橋上の聖人像
城からのチェスキー・クルムロフ市街 走り登ったルネッサンス様式の塔
可愛い木製おもちゃの店 美味しかったマスのグリル
ホテルは古い民宿風 町を取り巻く川
30(土) ホテル8:30<>ハルシュタット<>リンツ<レイルジエット>ホテル21:30
今日から4番目の国オーストリアである。前にザルツブルグは来ていたがウイーンは初めて。
ポスターでもよく紹介されるハルシュタットは期待していた所だが着いた時は少し曇り空で肌寒い。
静かな湖面に舟屋を持つ家々が映っている。家は高台まで伸びて狭い通りには岩塩などの店が多い。
1時間もあれば端から端まで歩けるような町だが、ボートで湖面からの家並も見てみたかった。
山上にはケルト文明にも関わる世界最古の岩塩坑があり、坑道など見学できるようだ。
観光客が多く自動両替機などもあり、スーパーも新しく大きくなったとのこと。
バスでリンツまで戻りそこから特急電車でウイーンへ入る。
全席指定の特急は座席もきれいでテーブルもあり、何よりトイレの設備がよかった。
ウイーンは連泊で、リング(環状道路)内にあるので散策にも便利な所だった。
5つ星ホテルに期待していたがやはり広さもあり設備がいい。外国でトイレが別はあまりないので。
絵ハガキそのままのハルシュタット 水際ぎりぎりに建てられた家並
ケーブルカーに乗り塩坑も見学できる 車内の設備がよかった特急電車
ベッドも大きくゆったり出来る 広いバスルーム。ガウンもあった
31(日) ホテル8:30<>宮殿・王宮・オペラ座<>美術史美術館…散策…ホテル
ウイーンはハプスブルグ家が築いた芸術の都で、至る所に中世の建造物や銅像が見られる。
シェーンブルン宮殿はマリア・テレジア時代で、サンクトペテルブルグのエカテリーナ宮殿に外観も中も似ている。
財政難や戦争で規模を小さくし夏の離宮としたようだが、後方にある庭園の広さと美しさに見惚れてしまう。
テレジアの子供たち(マリーアントワネットも)やナポレオンの部屋があることが不思議に思える。
中心部に戻り、王宮やオペラ座を見て昼食。
ウインナー・シュニッツェル(カツレツ)も美味しくデザートのザッハートルテに感動。
午後は美術史美術館見学。エントランスの大理石や華麗な大階段にも歴史を感じる。
2階の絵画ではピーター・ブリューゲルの主要作品が展示され感激。フェルメールやレンブラント、ベラスケス、
ルーベンスなどもあり、1階には古代のエジプトの品々が展示されている。
その後は自由時間だが日曜は商店が休みなのでシュテファン寺院を目指す。
この辺は一番賑やかな通りの歩行者天国でコンサートの客引きが寄ってくる。日本語も上手。
シャニガルテンでメランジェ(カプチーノ)を飲む。甘くてコクがあり疲れがいっぺんに取れた。
ホテルへはブランド店のウインドショッピングとペーター教会のミサにも出会い夕食を買って帰る。
シェーンブルン宮殿・正面 丘の上に立つグロリエッテと噴水
ハプスブルグ家の夏の離宮・庭園 世界三大オペラハウス・オペラ座
ヒットラが演説したバルコニー 建物自体が美しい美術史美術館
1(月) ホテル9:00<>ベルヴェデーレ宮殿<>ホテル<>ウイーン<>ドーハ22:00
午前中は自由時間のためベルヴェデーレ宮殿に向かう。
地下鉄の自販で切符を買い、乗ってすぐ乗車券を刻印する。(してないと罰金が高い)
上宮から下宮への庭園も美しく、シュテファン寺院の塔も見える。
パスポートを渡してオーディオガイドを借り目的のクリムトの部屋へ。
美術館にもあったが代表作の『接吻』はここ。大作で金粉を使った凹凸は本物でしか見られないと感動した。
戻る途中で見つけたマクドで昼食をし、またトラムに乗ってホテル着。
空港も新しくなったようでスムースに済み、帰りの飛行機に乗る。
池に映るベルヴェデーレ宮殿・上宮 美味しかったザッハトルテ
2(火) ドーハ1:30<>関空17:10
ブルガリア上空で、黒海に注ぐドナウ川が見えた。
ドナウに始まり、ドナウに終わる旅になった。