利尻山は三度目である。最初は風雨で9合目まで、次は雨の山頂。今回は景色を楽しみながら心配した
残雪もなく登頂出来、礼文島では満開のレブンアツモリソウに初めて会えた旅となった。
鴛泊キャンプ場(210m) 5合目からポン山とペシ岬
長官山からの利尻山。山頂はガス 避難小屋を過ぎたあたりからの長官山
8合目付近から礼文島がかすかに見えた 9合目から避難小屋と長官山
ペシ岬方面と長官山。三角点は右端にある 9合目のトイレブース
荒々しい山頂直下 北峰(1719m)の社
キャンプ場にある携帯トイレ回収ボックス 姫沼と利尻山。前は逆さ富士が見られた
ペシ岬からの利尻山。相変わらず山頂は見えず ペシ岬の人面岩
あちこちで見られたオオバナノエンレイソウ 9合目の斜面のエゾエンゴサク
エゾノハクサンイチゲはまだ蕾 ツバメオモト。3〜5合目あたりに多く見られた
レブンウスユキソウ(宿舎の庭で) リシリヒナゲシ(ペシ岬で)
コースタイム
8(木) 関空11:15〜稚内13:25<バス>港15:30<フェリー>鴛泊17:10<バス>宿舎17.:0
9(金) 宿舎5:00<バス>キャンプ場5:20〜35…甘露泉5:45〜55…6合目7:15…長官山8.:5〜55…避難小屋9:30〜45…
9合目10:00〜10…利尻山11:05〜40…避難小屋12:35〜45…長官山13:00〜10…4合目15:30…キャンプ場16:00
北海道の朝は早い。キャンプ場で体をほぐしてまずは甘露泉まで。美味しい水を含んでいよいよ登山開始である。
トドマツ林の中コマドリの歌声を聞きながら行くと、ヒメイチゲ、マイズルソウ、コタカネカタバミなど可愛い花が並んでいる。
5合目を過ぎるとハイマツ帯になり展望も開けて島の周囲も見え出す。5pほどもあるオオバナノエンレイソウが斜面を
飾りギョウジャニンニクの匂いも強烈である。6合目で携帯トイレの使い方の説明を受ける。
鴛泊コースには6.8(避難小屋)9合目にトイレブースがあり、回収ボックスはキャンプ場に2ケ所設置してある。
今年から携帯トイレが有料(400円)になったが、大勢押しかける利尻山などはこうするのが登山者にとってもいい事だと思う。
長官山からは山頂はガスで見えなかったが、緑の中の赤い屋根の避難小屋が初めて確かめられた。
残雪も多くトラバースする箇所もあったが、緑と白のコントラストが美しい。
9合目からはいよいよ正念場。急登と残雪とガレ場の連続である。
それでもエゾノエンゴサクの薄紫が斜面一杯に広がったりイチゲも花をつけたりしていて慰められる。
ガレ場は前の時よりも荒れたような気がした。いつまでも登れる山であってほしいと願う。
右手の雪渓にトラバースの跡が残っていて、沓形コースとの分岐が分かった。
前に危険だと思っていた箇所は通行止めになっていて、迂回路が作ってあった。
社の前に出ると狭い山頂である。残念ながらまたガスの中で南峰やローソク岩は見えない。
帰りも9合目まではガレ場に足を取られそうになりながら慎重に下る。
甘露泉でお土産用の水を汲み、回収ボックスへ使用済みを入れて長い一日が終った。
10(土) 礼文島
トド島を望むスコトン岬 海水の透明度が高い澄海岬
家の横で魚が干してある。タラ? 猫岩方面。エゾノハクサンイチゲの斜面
知床(礼文)のバス停 恒例の踊りで見送るM荘の人たち
カモメも送ってくれる(?) 最北端の宗谷岬
海は碧いがサハリンは見えない 展望台付近のタンポポと宗谷海峡
流氷館の流氷とゴマフアザラシ クリーム色のレブンアツモリソウ
茎の先にぶら下がっている 表情豊かなアツモリソウの群れ
群生地は斜面で保護されている カラフトアツモリソウ
ツクバネクルバマソウ 礼文林道のハクサンチドリ
レブンコザクラ エゾイヌナズナ
斜面一杯にミヤマオダマキ キクバクワガタ
エゾノハクサンイチゲ ノビネチドリ
レブンハナシノブ 桃岩コースのレブンキンバイソウ
ミヤマキンポウゲ チシマフウロ
レブンタカネツメクサ イワベンケイ
10(土) 姫沼散策6:20〜7:20・ペシ岬8:40〜9:10 鴛泊港10:05<フェリー>香深港10:45<バス>スコトン岬・澄海岬・
レブンアツモリソウ群生地・香深井14:30…礼文林道ハイキング…香深17:30
11(日) 宿舎4:00<バス>桃岩展望台登山口4:30…桃岩展望台コース…知床6:00<バス>宿舎・港8:45<フェリー>稚内港
10:40<タクシー>宗谷岬11:00〜13:30空港15:00〜羽田〜伊丹19:05
利尻登山が終わっても見る所が多く、毎朝早起きが続く。
朝食前に原生林に囲まれた姫沼を巡り、乗船前には礼文島と利尻山を望めるペシ岬に上る。
フェリーで礼文島に渡り、まずは北端のスコトン岬へ。一度来てみたかった場所だが小雨と風で寒いほど。
波に洗われているトド島には残念ながら今は動物の姿はない。
澄海岬の碧い海を見て、お目当てのレブンアツモリソウ群生地へ。
柵に囲まれているが、斜面にアツモリソウの白い花が点々と見える。
10pほどで思ったよりも大きく、品がありなんとも愛らしい花である。
採られて少なくなったとのことだが、もう一度斜面全体に咲いてほしいと願う。
香深井に向かう車窓から3年前に登った三角形の礼文岳が見えたが、礼文林道は思ったより長く暑かった。
アツモリソウが咲いている時はウスユキソウは咲かないそうだが、ハクサンチドリ、ミヤマオダマキ、
コザクラ、クワガタなどが彩りも鮮やかに咲いていた。
翌日の桃岩展望コースはガスで何も見えなかったが、ハクサンイチゲの斜面は圧巻だった。
道の両側は高山植物がとりどりで写真を撮るのに忙しい。ぬかるんだ道に注意しながら登って下ると元地灯台
である。ここからは広い道の下りで防風林の養成地を過ぎて、しばらく行くと知床の部落に着いた。