塩見岳(3052m)    2000.7.31〜8.2


 朝の陽を受ける塩見岳と塩見小屋      蝙蝠岳への道から振り返る塩見岳
塩見岳東峰より西峰(3047m)

東峰よりの秀麗な富士山

 羽を広げたような蝙蝠岳

蝙蝠岳の右に聖岳も見えた

蝙蝠岳山頂。展望抜群だが誰もいない静かな山


 蝙蝠岳よりの荒川岳、赤石への尾根が続く        イブキジャコウソウ


 2607mにある三伏峠小屋(樹林の中)     小屋の上部よりの塩見岳

31日
 夏山1年生の時、北岳から見た異様で近づき難い山、そんな印象があった塩見岳である。
 先週は聖岳が天候に見放されたため、今回は予報を信じて出発する。
 伊那大島からタクシーで鳥倉林道を走りに走る。標高1800mは中高年には助かる。
 照り返しのきつい林道を歩くこと20分。やっと登山口に着く。
 登山届を出して登り始めるが、時間的に遅いため下りてくる人ばかり、上がるのは他の3人のみ。
 途中からガスが出てきて薄暗くなり、塩川との分岐に来てほっとする。
 ここからは三伏峠小屋までわずかで1日目が終る。
1日
 朝はガスがかかっていたが、本谷山を過ぎたあたりから陽が差し始め、気分もランランとなる。
 樹林帯の道は緩やかで、権右衛門沢を横切ったあたりから登りにかかり、岩場を越すと塩見小屋である。
 手続きをしていよいよ塩見岳へ。
 始めは簡単そうに思っていたが、さすがに3000mの山、簡単には登らせてくれない。
 黄色いペンキを目印に、慎重に足元を確かめながら山頂を目指す。
 最初は西峰3047m。ものすごい展望。間ノ岳が大きく、北岳、甲斐駒、千丈、遠くに槍穂高、立山、後立山連峰
 目を変えれば中央アルプス、荒川三山、そしてひときわ大きく富士山が裾をひいて立っている。
 3052mの東峰も眺めがつきず、目指す蝙蝠岳も左右に羽を広げて待っている。
 北俣岳分岐でイワヒバリの見送りを受け、富士山を真正面に眺めながら、稜線歩きを楽しむ。
 一面花畑で、イブキジャコウソウ、シコタンソウ、クロユリ、鮮やかな紫のオダマキやトリカブトなど数え切れない。
 途中で二軒小屋からの3人に出会っただけの、何もかもが一人占めで申し訳ないほど。
 山頂で聖岳などゆっくり眺めて小屋へ戻ることにするが、4羽の子を連れた雷鳥も歩き回っていた。 
2日  
 小屋の上からご来光を仰ぎ、塩川へ下りる。
 三伏峠分岐からは、沢音と鳥のさえずりを聞きながら足にやさしい道を気持ちよく下っていく。
 途中にある水場のおいしいこと。テルモスに入れてお土産にする。
 2ケ所の丸木橋は直されたばかりで心配なし。塩川小屋ではお風呂に入れてもらい、さっぱり出来た。
 バスを待つ間、小屋の前で涼しい風に吹かれながらのおしゃべりも、山旅を終えた者同士の喜びであった。

 * 塩見小屋は小さいけど、きれいで、食事も心がこもっていてとても感じのいい小屋です。
   トイレもサニタリーバックを使うので、却って快適です。
   同宿も人数が少なかったせいか顔なじみが出来、一人旅もいいなと思いました。また会えるといいですね。

コースタイム
  林道終点13:15…登山口13:35…三伏伏峠小屋15:45(泊)
  小屋5:00…本谷山6:00…塩見小屋7:30〜45…塩見岳8:40〜9:10…北俣岳分岐9:35…蝙蝠岳11:00〜30
  …塩見岳13:30〜40…小屋14:30
  小屋5:40…本谷山7:00…三伏峠小屋8:10〜20…水場9:20〜30…塩川小屋10:40〜13:40(バス)大島14:55