阿字観はこの阿字を本尊として行います。


密教の瞑想には、月輪観(がちりんかん)、阿字観(あじかん)というものがあります。

しかし、これらは指導者の下で行わないと危険でもあります。

ですから、ここでは、その手前の、瞑想に至る前のほんの入り口をご紹介いたします。

とはいえ、イメージトレーニングや気を落ち着けるにはよい方法です。

ぜひ、やってみてください。


1、呼吸法

腹式呼吸を行います。腹式呼吸ができなければ、瞑想はできません。

ところで、腹式呼吸ってご存知ですよね?。息を吸う時にお腹が膨らみ、吐く時にお腹がへこむようにする呼吸を腹式呼吸というのです。

普通の呼吸は、吸う時にお腹がへこみ、吐く時にお腹が出ます。この呼吸だと、精神的に落ち着くことができません。

例えば、緊張した時、ゆっくりと腹式呼吸を繰り返すと、自然に落ち着いて緊張感がなくなっていきます。腹式呼吸は、精神を落ち着ける呼吸なのです。


2、寝そべり瞑想

腹式呼吸法のできない方も、呼吸の練習をしながらやってみることができる瞑想(と言うほどのこともないのですが)です。

仰向けに寝そべります。

注意して頂きたいのは、これをやっていると、そのまま寝てしまう方がいますので、そうなってもいいように、布団の中やベットの中で行っても構いません。就寝前に行ってもいいです。

仰向けに寝そべったら、右手(基本的に。でもどちらの手でも構いません。)をお腹の上――おヘソのあたりから、胃や十二指腸、胸のあたり――に軽く置いて下さい。力を抜いて、ごく自然に、軽く置いて下さい。

反対の手(右手をお腹の上に置いていたら左手)は、身体の横に自然に伸ばした状態で置いて下さい。身体にピッタリとつけなくても構いません。身体全体が緊張しないように、力を抜いてくださいね。リラックスです。

さて、その状態で、ゆっくり腹式呼吸をします。

鼻からゆっくり息を吸います。その時に、お腹が膨らむようにして吸います。

ゆっくり長く吸います。初めから、無理に長くする必要はないです。自分に合った長さで結構です。

そして、息を吐く時は、お腹がへこむように、吐き出します。

この時は、鼻からでも口からでも構いません。ゆっくり吐き出してください。これも、初めから無理に長くする必要はありません。

さて、この呼吸法をしている時、イメージをします。息を吸う時は、自然の澄んだ空気を、そして元気を取り入れるようにイメージします。そして、その元気が、新鮮な空気が、全身に行き渡るとイメージします。

吐く時は、身体の中のいやなもの、悩みや疲れや病気などが、足のつま先から頭のてっぺんに至るまで、すべて出て行くんだ、とイメージします。体内にある、悪いもの・悪い思いが、すべて遠くへ出て行く、と・・・・・・。


3、イメージ

慣れてきたら、イメージを広げていきます。

初めは、全身から、今日一日の穢れがすべて外へ出た、というイメージで。

実際にそう思えるようになったら、自由にイメージトレーニングしてもいいでしょう。「私はプラス思考ができる」「今の私は幸せ」というイメージもいいものです。これに慣れてくると、イメージも自然に浮かんできます。


4、数息観(すそくかん)

これは、呼吸法の一つですが、精神安定のために行うものです。

やり方は簡単です。1の腹式呼吸法で、息を吐く時に数をかぞえるだけです。

つまり、普通に息を吐くのではなく、「ひとーつ、ふたーつ、みっーつ・・・・」と数を数えていくのです。「ひとーつ」と言いながら息を吐いて、ゆっくり鼻から息を吸って、「ふたーつ」と息を吐く。これを「とーぉお」まで数えるんです。

それでも、気持ちが高ぶっていたら、再び「ひとーつ」から始めます。

気持ちが落ち着きますから、ぜひ挑戦してみてくださいね。


簡単なことですが、以外に効果があります。問題は、長く続けることですね。毎日の積み重ねが大切です。1日数分のことで終わります。

これができるようになったら、次は本格的な瞑想にチャレンジですね。
何かわからないことがございましたら、メールにてお尋ねください。。

合 掌




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