引き釣り泳がせ

●引き釣り泳がせ
この釣り方は、瀬やトロ瀬などの流れのやや速いポイントで有効です。

オトリの元気が良い場合
@オトリを川底へ沈めて自分が泳がせたい方向へ頭を向け、ソッと放します。すると、その方向に向かって泳いでゆきます。
A泳がせたいスジの下流にきたら水中糸を少し緩めます。これで上流の方向に向きを変えることができます。
B一旦、オトリを引かない程度に水中糸をジワッと張ります。
C次に張っていた水中糸を少し緩めます。(これをオバセ(注釈1参照)をつくると言います)オトリの鮎はこのオバセに逆らって、上流に泳ぎ出します。
Dある程度泳ぐとオバセが多くなりすぎて上流に泳げなくなりますから泳げなくなる前に泳いだ分のオバセを取るようにします。これで鮎は泳ぎ続けることになります。
E又ポイント等で泳ぎを止めたい時にはオバセを無くすようにします。これでポイントで止め、泳がすことができます。

オトリの元気が無い場合
@オトリをポイントの下流へ引張って誘導します。
Aポイントの下流にきたら竿を寝せオトリを沈めます。
Bオトリが落ち着いたら水中糸を緩め、オバセをつくります。すると上流に泳ぎだします。泳ぎ出さない場合は暫く待ってください。そのうちに泳ぎ出します。待ってもだめな時は元気なオトリに変えるのが最良でしょう。泳ぎだした後は元気なオトリと同様にします。

注釈1:鮎は引かれると引かれた方向とは逆の方向に泳ぐ性質があります。(強く引くとこの限りではありませんが)
オバセの図1
この逆方向に泳ぐ性質を利用して、水中糸で水の流れの抵抗をオトリ鮎にかけます。すると、この抵抗を受けたオトリ鮎はこれに逆らって上流に泳ぎ出します。また、水中に糸が入っている分が多ければ多いほど水の抵抗は大きくなります。通常オトリの泳ぐスピードは糸の水中に入っている量が多いときに速く泳ぎ、少なければゆっくりと泳ぎます。これで鮎の泳ぎをコントロールできます。この水中糸に水の抵抗をが掛けることを”オバセをつくる”とか”糸ふけをつくる”とか言っています。
オバセの図2