第6回お話会 「生活習慣病って何?」




不適切な五大生活習慣(図1)


 5月21日(土曜日)午後1時半から予定通りに第6回目のお話会を開きました。今回は「えんゆう」とポスター、チラシでの案内だけで、私も積極的に声かけをしませんでしたので、参加者が少ないのではないかと心配していましたが、当日は31名の参加者があり、胸をなで下ろしました。

 準備の時間から皆さんの退屈しのぎにビデオを見て貰いました。そして定刻にお話会を開始しました。まずは5月1日にTKU「医療大百科」で放映された「突然の頭痛」のビデオを見ました。内容は「えんゆう」5月号に載せています。勿論私が喋っています。突然の頭痛と言えば「くも膜下出血」です。今回はくも膜下出血について話しました。テレビは3分弱でした。

 それからスライドを使って今回のテーマ「生活習慣病って何?」の話をしました。生活習慣病は、不適切な生活習慣により進行し、その不適切な生活習慣の改善により治療さらには予防ができる病気の総称です。不適切な生活習慣にはいろいろありますが、五大生活習慣は図1の様に運動不足・過食塩分過多・喫煙・飲み過ぎ・ストレスです。何となく分かりますね。お話会ではこういう不適切な生活習慣により引き起こされる病気をみんなで考えました。私の用意した答えは図2ですが、ほとんどの病気が出ました。と言うことは皆さんが生活習慣病を理解されているという事です。生活習慣病の中でも上から3段目までの病気は動脈硬化が関係しています。動脈硬化の危険因子と動脈硬化で起こる病気の関係は図3の通りです。脳卒中や虚血性心臓疾患は怖い病気です。それにかからない為には動脈硬化の危険因子を減らす事です。生活習慣の改善や病院での治療がなぜ必要かお分かりになったでしょう。川柳や肥後狂句で少しリラックスした後でその治療につき説明しました。治療は一言で言えば不適切な生活習慣の改善です。例えばタバコはやめ、お酒は控えめにする、体重は標準体重に近づけ運動をすると言う事です。難しい事ではないでしょう。これでも不十分な時は薬物療法を追加します。

  食事療法は重要です。それぞれの病気で若干の違いはありますが、共通するのは標準体重に近づけるという事です。ほとんどの場合はダイエットと言う事です。標準体重は「えんゆう手帳」にも書いていますが(12ページ参照)、身長(m)×身長(m)×22です。私は1.7mですから 1.7×1.7×22=63.58kgです。これに近づこうと去年ダイエットしました。「えんゆう」にも書いていますので見て下さい。74kgから最低62.8kgまで痩せました。今は64キロくらいですので、ほぼ標準体重に近い体重です。それぞれの病気での食事療法は別の機会で話すこととして、今回は高血圧症の食事療法を簡単に話しました。それは「塩分の多い食品を減らすこと」「カリウムの多い食品を増やすこと」です。「塩分の多い食品を減らすこと」の為には、加工食品を減らして出来るだけ新鮮な物を食べる、味噌汁は1日1杯まで、醤油は控えめにしレモンなどをかけて食べる、ラーメンは最後まで食べずに汁は残す、などに注意します。「カリウムの多い食品を増やす」為には、野菜・果物・豆類・いも類を多く摂る事です。

 次に運動療法の話をしました。運動は息切れせず汗ばむくらいできついと感じない程度の強さが望ましいです。1回に30〜60分、1週間3回以上が目標で、やや早めの歩行で充分です。他にはサイクリング、ラジオ体操、社交ダンス、水中ウォーキングがふさわしい運動です。テニスの様に勝負にこだわる運動や、ダンベルの様にいきむ動作のあるものはふさわしくありません。お酒は百薬の長とも言われるようにふさわしい量ならかえって飲む方が望ましいです。ビールなら中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーダブルで1杯がふさわしい量です。タバコはやめます。

 以上の話をした後で「生活習慣病の予防は肥満の解消から」と言うビデオを見ました。先ほど見たビデオの続きです。肥満度27の主人公がダイエットする話です。ビデオは要領よくまとめてありますので、分かりやすいですね。

 このビデオを見終わった時点で終了の時間になっていましたので、予定していた肥後狂句の話はやめました。痴呆も生活習慣病の一つと考えられ、頭を使うという事で防げるのです。その為に当院では肥後狂句を楽しんでいます。その作り方を今回説明し、さらにみんなで狂句を作ってみようと考えていたのです。でも時間が足りずに出来ませんでした。

 今回はスライドでいろんな写真や狂句などを出し、気分転換をはかって貰いました。次回は8月の予定です。内容は決まり次第「えんゆう」等でお知らせしますので、8月も是非ご参加下さい。


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生活習慣病(図2)




動脈硬化で起こる病気(図3)