ET
ET(=Entertainment Tonight) “Bedazzled”インタビューより・・・。*(2000,4/7,オンエア)



ET「エリオット(=ブレンダン)について教えてくれるかい?何が彼の身に起こるのか?」

ブレンダン(以下、B
 「彼は個性的でありたいと願ってるんだ。自分では、誰に対しても良い友人のつもりなんだが、必ずしもうまくいってはいない。同僚は、エリオットを避けている。善意であっても、少しハナにつくし、やり過ぎなんだ。言い換えれば、彼はみんなと上手くやっていく方法を見つけようとしてるんだけどね。今まで、彼はいつも思ってたんだ・・もっと見栄えが良くて金持ちで、成功してて才能もあったらいいのに・・・とかなんとか・・。そのどれも手に入れられなかった彼は、ある日、イケナイことをふとつぶやいてしまった。そして、それを悪魔に聞かれてしまったんだ。」

 「この映画は、ピーター・クックとダドリー・ムーアが書いた脚本を元にしている。'67にスタンリー・ドーネンが監督したもので、僕も大好きな作品なんだ。頭でっかちなだけで、人生を見くびってる、ファウストのような男の物語だ。そんな男に対して、悪魔が(決して断ることの出来ない)契約を結ぶ。悪魔を演じるのがエリザベス・ハーレー。彼女は、誰もが注意を払わずにいられないような容姿を選んで現れるんだよ。(笑)」

ET「うまくいったよね。」

B「確かにね。彼女はとても目を引く人だよね。もちろん、悪魔は自分の望むものならどんな姿にもなれるんだ。」

ET「それで、エリザベス・ハーリーが悪魔を演るって聞いたとき、君は『適役だっ!』って言ったのかな?」

B「素晴らしいキャスティングだって思った。ステキな女優さんだし、とてもおもしろい人なんだ。両足でジャンプしてくるんだよ。きれいな服を着るのが大好きで、この映画の中でも、何度も着替えてる。エピソード毎に・・・といった感じでね。エリオットには7つの願いがあって(どれも叶う見込みがないんだが)悪魔はその7つのエピソードで、彼と行動を共にするんだ。金持ちになって、パワーのある人物になりたい・・・一旦は願いが叶うんだけど、いつも必ずパッと展開が変わって、最後には逃してしまう。」

ET「元の作品では、ラクウェル・ウェルチが“欲望”を演じていたよね。この映画の中で、君は“欲望”に会うことになるのかな?」

B「今回の作品では、悪魔が“7つの大罪”について責任を負っていて、そこがちょっとした弱点として彼女の行動に時々現れるんだ。例えば・・・鏡の中の自分の姿につい見とれてしまったり、何か美味しそうなものを見つけると口の中に押し込んだりする・・・といったようにね。これは、オリジナルの映画を現代風にしていると言っていい。」

ET「君の役柄は、“ファッションにチャレンジ”しているんだよね?」

B「(笑)エリオットは、大きなコンピューター会社のテクニカル・サポートをする子会社で働いてる。彼の仕事は、一般の人に、DVDっていうのはカップの中に突き刺すものじゃないってことを理解させることだ。だから、着る服を選ぶことよりもコンピューターのスクリーンの方に気持ちが集中してしまってる。ところが、悪魔は、彼に、自分が考えるまでもなく“イイ男”なのだということを確信させるんだ。」

ET「もし、ブレンダンが悪魔からの申し出のうちいくつかを選ばなければならないとしたら、どんなことをお願いするのかな?」

B「選ぶなんてところまで行かないと思うよ、ほんとの話。僕はおもしろ半分で悪いコトに手を出したりしないんだ。」

ET「・・じゃあ、悪魔に対してでなくて、ただ単に君が何かを望むとしたら・・?」

B「多分、人類の為になるようなこと・・飢餓や戦争を終わらせたいとか・・より良い人類になるための願いかな。」

ET「なるほど、もう君はすでに願いをかけてるようだね。さて、今、君はキャリアの頂点にいて、幸せな結婚もしてるし、この映画のような大作に出て、偉大な監督と仕事をしてる。時々、こんな風に自分に問いかけたりしないかい?・・・『今の自分になるために、悪魔に魂を売ったりしなかっただろうか?』・・・って。」

B「いや。僕は毎日感謝の気持ちを捧げてるし、お祈りもしてる。それに、(夢なんじゃないかって疑って)何度もほっぺたをつねってるよ。」

ET「この作品では、かなりの部分が特殊効果で処理されなければならないんだろう?」

B「現在映画で使えるあらゆるCGを、おおいに利用することになるね。華々しい幻想もあれば、スケールで遊ぶところもある・・・エリオットが7フィート9インチもある大男のバスケ選手になったりね。変身するためにいろんなメイクアップもする。上映中ずっと、観ている人達をいくつかの違う旅へと連れ出すんだ。」

 「エリオットの同僚役で出てる俳優達が、核となるグループを作って、全体の調和をとっていたから、とても楽しかったよ。彼らもエリオットと共に旅をするんだ。ハロルド・ライミスはすごくおもしろい監督で、熟達した脚本家であり、とてもいい人だ。ユーモアのセンスも良いし、一緒に仕事するのは嬉しいね。」

ET「いろいろと楽しかったということだけど、メイクアップや特殊効果撮影となると、ちょっと大変だったんじゃない?」

B「ほんとのこと言うと、決して簡単ではないよ。僕がこの作品に惹かれたのは、様々なキャラクターを選んで変身できる機会を与えてくれるからさ。ハロルドが僕のことでジョークを言ったんだ。『もし、この映画に出て、何の得にもならなかったとしても、きっといいデモ・テープにはなるよね。』って(笑)」

ET「元の映画が君の好きな作品の一つだっていうことで、プレッシャーは感じなかった?聖域に足を踏み入れてしまったように思ったりはしなかったのかな?」

B「元になった題材に対しては、うなずきや目配せをするようによく注意したつもりだ。ピーター・クックとダドリー・ムーアには、ちょこっと精神面でのカメオ出演をしてもらったようなものだし。二人の脚本を何度か参照させてもらったんだ。会話がとてもおもしろいからね。その一字一句を変えることは出来なくても、よりよいものに出来ると思えばいい。だから、会話の多くは元の脚本から持ってきたんだよ。いくつもの素晴らしいジョークを話すことができて、ほんとに、とても光栄だったし楽しかったね。」

ET「君は自分のことを、現代を代表するコメデイ役者だと思ってきたのかな?他の映画にも出演するけど、ずっとコメディものに還ってきているだろう?」

B「今までいろんな違う役を選ぶことが出来て、幸運だと思ってる。それに、いつも、前にやったものとは180度違う作品を選ぶように注意してきた。これからも、貴重な体験を分け合うことのできる人、そして、何かしらポジティヴなものを引き出せる人と一緒に仕事ができるようにしていくつもりだよ。」

ET「この“Bedazzled”という映画は、今まで君が出演したもののどれとも似通ったところはないよね。」

B「うん、その通り。先例になることは間違いないよ。」


《一部、省略しました。》



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