(moviehole.net10月28日付けより)

Paul Fischerによるインタビューです。(一部省略してあります)

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ブレンダン・フレイザーの新作「The Quiet American」(=以下「tQA」) は、
今まで彼が主演してきた「ハムナプトラ」
「ジャングル・ジョージ」といった映画とは全く違った作品だ。
公開が遅れているにもかかわらず、彼は
『とても興味をそそられる映画だよ。』とポール・フィッシャーに語った。
フィッシャーは"Loony Tunes :The Movie"のセットで
フレイザーに会うことができた。

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ワーナーの撮影所、サウンドステージ22で、ブレンダン・フレイザーは、
バッグスバニーが出るシーンの準備をしている。
"Loony Tunes"は、「tQA」とは全く対照的な映画だ。
オーストラリア人のフィリップ・ノイス監督による、
野心的で、今や絶賛を受けている「tQA」は、
グレアム・グリーン原作のベトナムを舞台にしたドラマだ。
一年前に完成していたのだが、
映画の<反アメリカ感情的>な内容が原因で、
配給のミラマックスはアメリカでの公開を見送っていた。

より保守的なコメディ映画"Loony Tunes"の撮影合間、
フレイザーは休憩をとりながら、
「tQA」が公開されるのを喜んでいた。
明らかに遅れた公開であっても、なんの問題も無いという。
珍しく、黙想しているかのような真面目な雰囲気の中、彼は語る。
『この作品は、一年後だろうが、何年後だろうが、
実際に完成したのだから、いつだって公開できるはずだ。
(何年経っても)基本的に同じ完成度を保っているだろうし。
僕が言いたいのは、
<時が来れば、いずれは・・・(=公開される)>ということ。
一年前に公開されてたら、あまりに悲しくて、
また(時期的に)ふさわしくなかっただろうからね。』

ベトナムでのロケ撮影中、フレイザーは、この東南アジアの国で、
強烈な衝撃を受けたという。
『あの国がとっても好きになったよ。』と、34歳のフレイザー。
(注:このインタビュー時はまだ33歳でした)
『心が痛くなるほど美しいところ。人生に対して楽観的な人たちが住む国。
またいつか再び行きたいし、

「tQA」が公開されたことで、
新しい視点を持ってみんなが訪れてくれたらいいと思う。』
彼はまた、ベトナムの食べ物も大好きだそうだ。
どこに行っても素晴らしく美味しいのだという。

力強いドラマである「tQA」
"Loony Tunes"というハリウッド大作コメディ
・・・この二つの映画の撮影を経験して、
どのように違うのか比較して欲しいと尋ねられ、
フレイザーは、かすかな笑みを無理矢理浮かべた。
『もし一年前にこのインタビューを受けてたら、こう言ったろうね。
「tQA」を作るのにたいへんな努力をした・・・と。
だから、("Loony Tunes"のような)大金をかけた映画に出演するのと、
「tQA」のようにより深い思慮が必要な作品に出るということは、
似たような点もあると言える。

「tQA」のような映画は、監督が<准将>となって
惜しみなく努力しなければ、決して作れない。
フィリップ・ノイスはそれをやってのけたんだ。
彼が十年間情熱を注いできたプロジェクトだからね。』

"Loony Tunes"
でフレイザーは、
ワーナースタジオの警備員をクビになった後、
ダフィ・ダックとチームを組む。
アニメのキャラと一緒に仕事をするのに慣れている彼は、
何も考えずにこの映画に出演することを選んだ。
『僕はバッグスやダフィの漫画映画を観ていたので、
彼らは僕のヒーローなんだ。
彼らと実際に一緒に仕事をするのは、新しい経験だった。
僕達はこの映画で、昔からいるキャラクター達を生き返らせて、
磨き上げて輝かせ、再び表舞台に出すんだ。』

と、スタッカートをかけたような(=弾んだ?)話し方で
フレイザーは語る。

『そういうキャラクター達は、
ぜいたくなおもちゃのように描かれているわけではない。
その点はいいのだが、
かといって、明らかに子供の映画ファンのためだけに作られて、
すぐに消耗してしまうというものでもない。
マンガを基にしたマンガ映画だけど、
僕達が覚えている彼らの姿は、まだ、すべて無傷で残っているよ。
よく物を壊す場面があって、
その時代の政治の、曲がりくねったような流れ全体を
鏡のように映している。
そして、確実に、タイムリーで可笑しくて、
僕達が成長する過程で観てきた、
テレビというものの<限界>について、
大人が知っていることを雄弁に物語っていたと思う。
だから、僕はこの機会(=映画出演)を逃すのは、
すごく愚かなことなんじゃないかって思った。
ちょうどいいことに、僕の仕事は<おバカ>さんになる

ということ。
うまくできるといいなと思っている。』


フレイザーは、映画でおバカさんを楽しく演じてきた。
「ハムナプトラ」シリーズ、「モンキーボーン」
「悪いことしましョ!」「ジャングル・ジョージ」
「ダドリーの大冒険」などがそうだ。
彼にとってのチャレンジとは?・・・と訊くと、
フレイザーは笑って、
『<同じことを繰り返し言う>という演技ではないよ。』と認める。
『僕がこういう作品に出演するようになってから、
各作品ごとに、技術的な進歩自体がほとんど倍増するくらいの
勢いだったから、
(俳優としての演技は)ますます簡単になっていったんだ。』

と、彼は、アニメと実写を混成する過程について説明してくれる。

我々が会ったのは、
野心的にデザインされたワーナーのサウンドステージだった。
フレイザーは、共演のジェナ・エルフマンやジョアン・キューザックと共に、
今撮影中のシーンについて述べようとする。
マジメくさった顔で話そうとするのだが、
(笑いをこらえきれなくなるので)ミジメな失敗に終わる。

彼は今、「tQA」という陰気な作風の映画から離れて、
賑やかなひととき・・・ほとんどバケーションのような・・・を
過ごしている。
とにかく、ダフィ・ダック本人と並んでスクリーンに映っているのだから。
『わかってるさ。
今、あまりに楽しい時間を過ごしてるから、
そのうちきっと、
ブロッコリを食べる生活に戻らなきゃならないだろうってことは。』

と、<熱く燃えてる>俳優は答える。

父親になったばかりのブレンダンにとって、
本領を発揮できるLoony Tunes の世界の中にいるという生活は、
楽しいものだ。
『この映画が完成したら、<長い昼寝>がしたくてね。』
彼は、「ハムナプトラ3」に関わっているかどうかについては
何も語らない。
『僕のコメントは無いんだけど、
もしみんなが、再び「ハムナプトラ」が作られることを望んでいるなら、
そして、監督が<おい、やろうぜっ!>って言ってくれたら・・・って
ことはわかってるつもりだよ。
監督(=スティーヴン・ソマーズ)は僕の電話番号を知ってるからね。』






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