■月煌蝕の杳瑚さんが、私のPBBSでのイラストにSSをつけて下さいました。■


「心配させるな」

彼は憮然とした表情でそう呟くと、僕をそっと抱き寄せた。
いつの間にか、自分を追い越した背。しなやかで長い手足。
力強い一手を放つその指先が、今は自分のためだけに優しく差し伸べられている。
その気遣いに甘えてしまいそうになる自分。
絶対に寄りかかりたくはないと思っている自分。

「体調が悪いなら、そう言えよ」

怒ったような口調に、本気で彼が心配しているのだと察する。けれど、だからと言って素直に彼に甘えられない。
 一人で立ち上がらなければ、歩き続けなければ、僕は立ち上がり方も、歩き方も忘れてしまう。
彼の温もりを知ってしまえば、僕は僕でなくなる。

「お前が他人に甘えないことも知ってる。でもこんな時、俺はどうすればいいんだ? 何も出来ずにいろというのか?」

抱き締める腕から、痛いほど彼の想いが、その苦しみが伝わってくる。

「塔矢、俺はお前にとって何なんだ?」

僕の表情を至近距離で覗きこむ真摯な眼差し。嘘はつけない、そう想った。
もう彼にも自分の心にも…。

「君は優しすぎるから…僕は…」

「塔矢?」

 そっと彼の腕に自分の身体を預ける。その胸元に頭をもたせかけると、ホッと息をついた。

「どうしていいか、分からなくなるんだ」
 
...words by Yohko




友情+α な二人。
お互いを大切にしているが故に、かえって甘えたり、頼ったりしたくないのですよね。とくにアキラくんにはその傾向が顕著かと…(笑)

強気なアキラくんですが、時にはチカラを抜いても頼る事が必要な事も……
いつもながら杳瑚さん家の進藤さんは、オトコマエです〜(^o^)

杳瑚さん素敵なお話をありがとうございました。(^^)
2003.01.01.