3人目がやってきた!! 

もっとおおらかに!もっとのんびりと!
 「1歳半の子供はどこまでいけないことをわかっているのか?」先日こんな質問に遭遇しました。そのお母さんは毎回食事を全部テーブルの上にひっくり返され、ぐちゃぐちゃにされるのが困る。と言っていました。
 
 私も居合わせた保育師さんも「いけないことはわかっていない」「ぐちゃぐちゃは遊びの延長で、手でその感触を確かめているのでは?」「その行為はやらせたほうがいい」と助言しました。

 子供は手で感触や温度を確かめ、口で食べられるものか、おいしいのか、甘いのかを確かめています。べたべたするな〜気持ち悪いな〜と思えば、どうすれば気持ち悪くならないのかを考えて、スプーンを使ったりするようになるのです。(スプーンが上手に使えるようになるまでにはうんと時間がかかりますがね)その考える過程や、手から伝わる感覚刺激が脳を刺激するのです。

 最近、アレルギーを持つ人が増えています。特に20代の若者は90%の人が何らかのアレルギーを持っているという結果も最近の新聞に出ていました。その原因は、巷にある「抗菌・除菌グッズ」でばい菌に対する抵抗力が弱くなっているからだそうです。

 人間の身体は、細菌やウイルスに遭遇することで、病気になって免疫をつけて抵抗力をつけていきます。病気になるほどのばい菌じゃなくても、それらが身体に入ることで免疫を強め、身体を守るのですが、そういうばい菌にさらされることなく成長したために、些細なばい菌で過剰に身体が反応し、時にはアレルギーとして現れるようになったのだということです。きれい好きが講じた結果でしょうか?

 子供の手づかみや、砂遊びドロ遊びも、脳の発達や身体の免疫力を強めるためにも実は必要なことなのです。赤ちゃんがすること、大人から見たら汚いことやいたづらは、身体の成長のための必要なことだと、私は思っています。

 生まれるまでは赤ちゃんは、無菌の羊水の中にいます。産道を通ってくる間に、お母さんからお母さんの身体についている細菌(皮膚には常在菌といっていろんな細菌がいます)をまずもらって身体を守ります。胎盤を通してお母さんからもらった免疫で当分は病気を予防します。その間に空気を吸って空気の中の細菌や埃で危険なばい菌かそうじゃないかを勉強します。そのうち自分を手をなめて、またばい菌をおなかに入れたりして身体に抵抗力をつけていきます。そうやって丈夫な身体を作ろうと赤ちゃんが自分でしているのです。

 ですから、汚いから!とハイハイをさせない、指しゃぶりやタオルをかじったりさせない、ご飯をぐちゃぐちゃさせないというのは…極論かもしれませんが、弱い身体にしてしまっているように思います。

 実際1歳までに、適度な細菌やばい菌に遭遇する状況にいていろんな病気にかかった子供はアレルギーが少ないと言う報告もあるようです。

 危険はさけなければいけませんが、埃では死なないくらいのおおらかな気持ちで子育てをしてほしいと思います。そしてたくさんの経験が豊かな子供に育てるのです。
(2003年5月12日)
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