ドクターハラスメント〜サイト発足の一番の理由
 ドクターハラスメント。ドクターのみならず医療従事者による暴言などのことを言う。略してドクハラ。

 私はあまり病院や保健センターで真剣に話を聞かないので、あまり被害を受けたことはないのだけれど、1度だけ腹の立つことがあった。

 ともチャンが2歳くらいのころ。鼻づまりがひどく、発音に影響が出そうだったので、近くの耳鼻科を受診した。レントゲンの結果、右側が蓄膿になっていた。薬が1週間分処方され、「薬を飲みきったらまたきてください」とその医師は言った。「飲みきったらまた来い」と。

 1週間後再受診。ドクターは信じられないことをいった「何できたの?」と。カルテには何も書いていないのか!自分が来いといったくせに。「薬を飲みきったら受診しろといわれたので来ました」といったら「ふん!」ってな顔で鼻の診察をした。そしてまた薬の処方だけで終わった。
 治療計画も話をせず、来いといったから来たのに…明らかなドクハラです。その耳鼻科には2度といきませんでした。

 お友達の場合。
 おっぱいの出があまりよくなかった。赤ちゃんも小さいので吸う力も強くはない。でも母乳でがんばりたいといっていた。私もマッサージをしたり相談にのったりしていた。体重の増えはゆっくりだったが減ってはいなかった。なのに保健師さんは「体重の増えが悪いからミルクを足しなさい!」と一方的にいった。必要以上に母乳にこだわることもないが、赤ちゃんの全身の状態を見ないで、授乳の方法も教えないで、「そんな出の悪いおっぱいは上げないほうがいい」というようなことまで言ったといっていた。
 母乳についての正しい知識を持たないで、本人のがんばりも無視して、泣いているお母さんは彼女だけじゃないはず。

 お友達が小児科に子供を連れて行ったとき、何でもっと早くつれてこなかったんだと頭ごなしにおこられた。といってくるときがある。
 逆に、何でこんなので病院に来る!見たいに言うこともある。なぜ、ドクターはそのときに、「こういう状態は危険だから早くつれておいで。この位なら様子を見ていていいよ。おうちではこうしたらいいよ。」とそのときに教えないのだろ。
患者・家族教育も仕事じゃないか。

 現場のドクターもナースも、忙しくてそこまで手が回らないのが現状なのだろ。予防医学も私は大切だと思っている。

 そしてこうしたドクハラが起きる原因の一つは、お母さんたちが病気のことやホームケアのこと、赤ちゃんの成長発達について、正しい知識を得る機会がないこともあると思う。
 私は学生のころから、常に「個人差」ということをうるさく言われてきた。教科書は本当の基本で、人間は誰一人同じ人はいないから、病気の経過も成長も個人差があると。
特に子供の成長と発達は個人差が大きく、発達の早い子と遅い子では半年以上の開きがあることもある。それが頭に叩き込まれていたので、常にうちの子はうちの子。と思っていられた。それでも思い悩むことは多かった。
 知識があっても悩む育児。そういう知識を得ることがないまま育児をしている人たちはどんなに不安でたまらないか。

 ドクハラをなくすためにも、新米ママたちの不安を解消するにも、病気について、ホームケアについて誰かが教えなくてはいけないのではないか?そう思うようになった。妊娠のこと、お産のことも、妊娠してはじめてマタニティ教室で聞くのがほとんどだろう。本当は妊娠する前から知っていなければならないことではないだろうか?マタニティ教室でも赤ちゃんのお世話は生後1ヶ月までのことぐらいだろう。それから先は誰が教えてくれるの?ママたちのママの世代(おばあちゃん)とは母乳に関する考えも、紙おむつの発達も違うので当てにならないどころか、ママたちは余計に混乱する。ただでさえ生身の人間を相手にする、ストレスの多い育児なのに。
 
 ちょうど子供が生まれ、転勤続きで、看護師として勤めることが難しくなったころだった。何とか看護の知識がいかせる機会はないか?勤めていなくてもできる看護の仕事はないかと考えていたころ、世間はインターネットが誰でも簡単にできるWindowsが発売されたころだった。
これだ!HPを開いて情報を提供すれば誰かの役に立てる。
 同じようなサイトはたくさんあり、中には小児科のドクターが書いているページも、現役のナースが書いているページもあった。でも、ホームケアに重点を置いているものはあまりなかった。

 おうちでどうしたらいいのか、どうなったら病院にいったほうがいいのか…子育てをしている私なら、できるかも知れない。それも看護の仕事の一つだと思った。
ネットなら転勤をしても、情報の提供は続けていける。多少のタイムラグはあるが、助言もできる。

 こうしてこのHPを立ち上げたのでした。

 確かに現役ではないから、頼りないかも知れません。でも同じ子育てを経験しているかこそ、不安な気持ちがわかってあげられるのではないでしょうか。…