父の入院で思ったこと
 先日父が入院した。狭心症であることがわかりその処置のためだった。
 簡単に言うと、狭心症とは心臓に栄養を与えている血管(冠動脈)が動脈硬化やコレステロールなどで細くなり、心臓に血液がいきわたりにくくなり、心臓に痛みがあったり、運動をすると苦しくなったりする病気。血管が完全に詰まってしまうと心筋梗塞になる。治療は、その部位にもよるが、細くなった血管を広げるために、風船を膨らませて血管を広げるPTCA、たまったコレステロールや血栓を薬で溶かすPTCR、再び細くなるのを防ぐために最近はステントといわれる、筒状の金属を入れてくることもある。
 父はPTCAを受けるため入院したのです。

 治療の日、処置が2時から行われるというので、それより1時間ほど早く病院に到着した。母はそれより早く来ていた。ところが私が病室にいったときには父のベットは空。詰め所前の面会室にいた母はまだ治療にはいっていないといっていた。それから10分ほどして病室にいったが、やっぱり父の姿はなく…同室の患者さんが「もう行ったよ」と教えてくれた。

 そう、詰め所前にいた母にも声をかけず、詰め所の前を通らないルートで処置室まで父は連れて行かれたのです。
 私が現場で働いていたとき、学生を指導していたとき、必ず、家族と詰め所に声をかけていくこと!と教えられたのですがね…

 さらに、待てど暮せど帰ってこない。2時前に始まったとして、1時間もあれば帰ってくるはず。また別ルートで帰ってきたのかと何度も病室をのぞきに行くが、帰ってこない。
2時間経過。準夜勤への申し送りの時間が近づいたので、しびれを切らして詰め所に聞いてみた…「まだ帰ってませんね」とそっけない返事。

 え?準夜勤に申し送るのに、処置に行った患者がなぜ帰ってこないのか確認しないの?詰め所の前を何度も行ったりきたりしてまっている患者の家族がいるのに、説明はないの?
 何?仕事してるの?そう思わずにはいられなかった。

 それから程なくして、「CCUに入ることになりましたので、身の回りのものを持っていくのでお手伝いしてください。先生から説明がありますのでもう少しここでお待ち下さい」とようやく看護婦から話があった。

 しかも、術衣のまま上がってきた医者。面談室に行くでもなく、他の患者さんや家族がいる面会室で、立ったまま本当に簡単に説明した。
おいおい、患者・家族のプライバシーは?

 患者さんも、その家族も心配してまっているのに、声もかけずに、処置に行く。挙句に遅くなっても何も説明がない。
不安を取り除く看護…どこに行っちゃったのかな?と思った。

 幸い父に起こった合併症は命の危険もあったのだけれど、それでも程度がうんと軽かったので事なきを得たのだけれど…
 説明すること、家族とコミュニケーションをとる事が大切だな〜と思った。
 
(2006年8月27日)