ヘルパンギーナ

どんな病気? 原因は? 症状は? 合併症は? 治療は? お家ではどうする?

どんな病気?

 乳幼児に見られる発熱口内の粘膜疹を特徴とする病気。夏風邪の一種で6月〜9月ごろにかけて流行する。
1歳くらいからかかりやすくなり、、多くは3〜5歳以下に見られる。

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原因は?

 コクサッキーAウイルス、コクサッキーBウイルス、エコーウイルスなどのエンテロウイルスによる感染症。咳やクシャミで飛び散りそれを吸い込むことでおこる飛沫感染、便中にウイルスが排せつされるために経口感染などで感染する。
 感染から発症まで3〜5日。
原因ウイルスが複数あるのと、免疫が長く続かないので、ひと夏に2度、翌年もかかるという事がある。

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症状は?

 咳や鼻水などの風邪症状がなく、突然の38〜40℃の高熱が出て、赤くなったのどのおく・口蓋垂(のどちんこ)の根元付近にぷくっと膨らんだ水疱が数個〜十数個できる。この水疱は歯茎や頬の粘膜には見られない事が特徴。水疱が破れるとただれがひどくなり、のどの痛みを訴えます。そのため唾液も飲み込むのが大変になるため、よだれが多くなることもあります。
 のどの痛みのため期限が悪くなり、吐くこともある。
 高熱は翌日に下がることもあるが2〜3日あがったり下がったりしながら続くこともある。

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合併症

 まれに無菌性髄膜炎・耳下腺炎・心筋炎を起こす事がある。

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治療は?

 ウイルスが原因の為、特効薬はありません。特に治療をしなくても自然に治ります。
 高熱は2〜3日、口の中の水疱も1週間くらいで治る。
高熱が出るので、熱が高くぐったりしているようなら、解熱剤を使用する。抗生物質は無効。

 頭痛・嘔吐・けいれんなどの症状が見られた場合は、無菌性髄膜炎を合併している事があるので、受診し適切な治療を受ける必要がある。

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お家ではどうする?

 高熱のときは熱を下げようとたくさん水分が必要になります、麦茶や赤ちゃん用のイオン飲料など好むもので水分の補給を十分に行い脱水を予防しましょう。
発熱時のケアも参考にしてください。
 熱の発散がしやすいように、衣類や布団は少なめに。
 嫌がらないようなら、わきの下や足の付け根などを冷やすとよい。

 あまりつらそうなときは病院で処方された解熱剤を使うとよいでしょう。使う目安としては熱が高く、眠れない、水分が取れない、熟眠できていない日が2日ほど続くようなときは、解熱剤で熱を下げて一時休戦することも必要です。病院で処方される解熱剤は鎮痛作用もありますので、解熱剤を使うと水分も取れるようになるかもしれません。

 しかし解熱剤で熱を下げてしまうのは、病気を長引かせてしまうこともありますので、使いすぎには注意しましょう。解熱剤を使用し、2時間ほどたって、体温が0.5度程度下がったら、効果があったとします。平熱まで下げる必要はありません。平熱まで下がらないからといって立て続けに解熱剤を使うことはやめましょう。必ず指示された用法を守ってください。

 口の中が痛いので、飲む量や食べる量が減りがちです。柔らかいもの、薄味の物、刺激の少ないものを少しずつ食べさせてあげましょう。豆腐やスープ類、ゼリーやアイスクリームなど栄養があってつるんと飲み込めるようなものがいいでしょう。食べた後は白湯などを飲んで口のかなを清潔にしておきましょう。

 のどの痛みからなかなか食べようとしないこともありますが、栄養補給をしなくてはあせって無理に食べさせようとするよりも、特に熱のあるときは水分を取らせることを優先させる。

 水分が取れない状態が続いて、おしっこの量が減ったり(2時間以上オムツがぬれないとき、幼児であれば4〜6時間以上トイレに行かないとき)、ぐったりしてきたときには「脱水」を起こしてる可能性があるので至急受診し、点滴などの処置を受けましょう。

 熱のある間は入浴は控えましょう。しかし熱が出るとたくさんの汗をかくので、下着が湿ったら取り替えるようにしましょう。着替えの時に、暖かいタオルで身体を拭くと、さっぱりします。

 熱が下がり、食欲も出てきたら、登園や外出は大丈夫です。
 

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