ペルテス病

どんな病気? 原因は? 症状は? 治療は? お家では?

どんな病気?

 主に5〜8歳頃の男の子の股関節に起こる病気。熱はないのに、運動の後で足を引きずったり、股の付け根や太ももを痛がる。痛みや引きずりは少し休むと取れるが、よく見ると太ももの筋肉がやせていたり、あぐらがかけなかったりする。
 股関節の血流不足によって、大たい骨(太ももの骨)の頭(だいたい骨頭という)が崩れてくるためにおこる。原因は不明。

 この病気は大たい骨骨頭がどんどん崩れていくが、2〜3年以内に必ず素のように回復するので心配ないが、進行する間に股関節に体重をかけていると、大たい骨骨頭に変形を残したまま治るので、できるだけ崩れが少なくすむように、一定期間体重を股関節にかけないでいることが必要となる。変形を残すと、手術をして、治す必要もあるので、早期発見・早期治療開始が望ましい。

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原因は?

 股関節を構成している大たい骨の骨頭部分への血液の流れが悪くなり、大たい骨骨頭の一部が破壊される病気。血液の流れが悪くなる原因は不明。ある時期を経て、血液の流れが再びよくなると骨の方も回復してくる。

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症状は?

 特別な(ぶつけた・歩きすぎたなどの)原因がないのに、股関節に痛みを感じたり、歩くときに足を引きずる。太ももを外側に倒したり、内側にひねるときに痛みを強く感じる。このためあぐらをかくことができない。

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治療は?

 数年にわたる観察が必要。年齢と崩れた範囲によって治療方法は変わる。5歳以下で発症したものは放っておいても訴えは軽く、あともきれいに治るので経過を見る。
 崩れた範囲が1/2〜1/3以下の時も何もせず経過を見る。それ以上崩れたときには、下肢を開いて崩れた部分を関節の中に入れ骨頭を保護しながらもとに戻るのを待つ。
骨頭を保護する方法は装具の装着と手術がある。
装具 色々な種類がある。
装具は一度つけると生活が不自由で何年もつけなければならない。
手術 大たい骨を骨頭近くで切って、骨頭が関節の中におさまるように骨の角度を整える。
骨がつくまでの間は運動が制限されるが、それ以後は元の生活に戻れる。
 ペルテス病は活発な男の子がかかることが多く、何年も不自由な生活を強いると気持ちをゆがませることになりかねない。日常生活に不自由を感じることが少なく、将来痛みや足を引きずるなどの後遺症が出やすいといってもその頻度は高くないので、治療は子供のほかの面での成長に悪影響を及ぼさない程度にする。

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お家ではどうすればいい?

 痛みの強いときは無理せず休むようにしましょう。股関節には片足で立ったときには体重の2〜3倍、歩行時には体重の4〜5倍の重みがかかります。疲れたら休むようにしてあげましょう。
 痛みの程度、引きずり具合などの観察をしましょう。長期の観察が必要なので、診察はきちんとうけましょう。
 装具をしているときは、装具がきちんと装着できているか、装具によって皮膚が圧迫されていないか見ましょう。育ち盛りの子供に多いので、装具が合わなくなっていないか、定期的にみてもらいましょう。
 装具をすることや、痛みで自由に遊べないなどのストレスがないかよく見てあげて、かかりつけの医師とともに最善の治療方法を選択していきましょう。

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