突発性発疹

どんな病気? 原因は? 症状は? 合併症は? 治療は? お家ではどうする?

どんな病気?

  お母さんからもらった免疫がきれる生後6〜7ヶ月頃に発熱で発症する病気。5ヶ月から1歳までの乳児の70%がかかると言われている。2歳までにかからなければそれ以降にかかることはまずない。

突発性発疹のウイルスの感染力はそれほど強くないため、流行することはありません。特にかかりやすい季節もなく、1年を通して見られる病気。
普通は1回かかると体内に免疫ができるため、再びかかることはない。しかし、突発性発疹を起こすヒトヘルペスウイルスは6型のほかに7型もあるので、まれに2種類のウイルスに感染して2度突発性発疹になることもある。

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原因は?

 ヒトヘルペスウィルス6というウィルスが原因。唾液などで感染するとも言われるが,感染経路はよくわかっていない。
 最近になって、ヒトヘルペスウィルス7というウイルスも突発性発疹と同じ様な症状をおこすことがわかってきた。

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症状は?

クリックすると拡大します 1〜2週間の潜伏期間のあと、突然の発熱(38〜40℃)が約3日間続く。高い熱のわりに機嫌はあまり悪くないのが特徴。
 熱が下がったとほぼ同時に全身(主に体・首)などに、麻疹や風疹の発疹に似た小さい紅斑が現れる。この発疹が出て初めて「突発性発疹」と診断されるので、熱の時だけでは診断が困難である。この発疹は腕や足にはあまり見られず、2〜3日で消失する。痒みもなく、あとも残らない。
 その他に発疹が出る前後に下痢になることもある。不機嫌、食欲不振、不眠なども見られることもある。高い熱があるが、全身状態が悪くなることはあまりない。
 急に高い熱が出るのと、初めての熱であることが多いため、「熱性けいれん」をおこすことが比較的多い。
 発熱は3〜4日続くが、38〜39度の熱がずっと続くこともあれば、朝方は37度台に下がるが夜になると39度近くまで上がるというように、上下を繰り返すこともある。

その他に、首や耳の後ろのリンパ節が腫れたり、嘔吐などがあることもあります。

 症状が表面にでない(不顕性)感染が30%程度に見られる。

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合併症

 突発性発疹の場合、重症化したり、合併症を起こしたりすることはほとんどありません。突発性発疹はほかの病気のように、赤ちゃんによって症状が重かったり軽かったりすることはなく、月齢・季節にかかわらず、どの赤ちゃんも同じような経過をたどって治るのが特徴。
したがって、熱が4日以上続いたり、具合がどんどん悪くなるときは、ほかの病気が原因と考えられる。
高い熱が続くための熱性けいれん。
脳炎を起こすこともあるが、比較的少ない。けいれんや意識障害などが起こったら再受診する。

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治療は?

  ウィルスが原因のため、特別な治療はありません。高い熱のため体力消耗が激しい時など解熱剤を使って様子を見ることがあります。
 熱だけの状態での診断は出来ないため、ほかの病気を疑って抗生物質がだされることもありますが、診断がつけば、合併症がない限り中止する。

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お家ではどうする?

 初めての熱であることが多いのとかなりの高熱が出るので、あわてるかも知れませんが、熱だけでは頭がおかしくなったりしないので安心してください。
 水分摂取に気をつけて発熱の時の一般的なケアをすれば大丈夫です。
ぐったりしている・水分が取れない・けいれんを起こしたなどの時は受診してください。
 
 咳やくしゃみのような風邪症状がないのに、急に38度以上の高熱が出る場合には突発性発疹のほかに、細菌感染による「尿路感染症」や「中耳炎」などがあります。赤ちゃんが高熱を出したときは受診して、正しい診断を受けるようにしてください。このため、尿検査や鼓膜を調べたりすることもあります。

 突発性発疹は発疹が出て初めて診断がつきます。熱が下がって発疹が出たら心配はいりませんが、再受診して医師に確認してもらうとより安心できるでしょう。医師によっては発疹が出たらその旨電話で報告するように求めることもあるようです。

 4日以上熱が続く、熱が下がらないのに発疹が出た、激しく吐くなどほかの症状が見られるときは突発性発疹以外の病気の可能性が高くなります。早めに再受診して適切な治療を受けることが必要です。

<熱のケア>
 熱が高いときは安静が大切ですが、ぐずる赤ちゃんを布団に寝かせておく必要はありません。抱っこしたり、赤ちゃんが落ち着く状態で静かに過ごしましょう。
 
 熱が高いので厚着をしたり、布団をかけすぎたりすると、熱が体にこもって、ますます体温が高くなり赤ちゃんによっては「熱性けいれん」をおこすことがあります。衣類や寝具はいつもより少なめにして熱がこもらないようにしましょう。

 熱が高くても、機嫌がそれほど悪くなく、母乳やミルクを少しずつでも飲めるようなら、解熱剤を使う必要はありません。でも、熱のためぐったりしている、眠れないというときは解熱剤を寝る前に使って体を休めてあげるといいでしょう。

<食事>
 高熱が出ると熱が下がるときに汗をかくので、思っている以上に体の水分が失われます。母乳やミルク、赤ちゃん用のイオン飲料など赤ちゃんが好むものなら何でも釜言わないので、水分を十分に補給してください。一度にたくさん飲ませると吐いてしまうことがあるので、少しずつこまめに飲ませましょう。

 食欲がなければ無理に食べさせる必要はありません。離乳食の始まっている赤ちゃんは1つ前の段階に戻します。

 発熱後3日目くらいに便がゆるくなることがありますが、特別にミルクの濃さを変えたりする必要はありません。

<お風呂>
 熱が高い間は、体力が消耗しているので入浴は控えます。汗をたくさんかくので暖かいタオルで拭いてあげましょう。オムツかぶれが気になるときはお尻だけシャワーなどで洗い流してあげましょう。発疹が消えていなくても熱も下がり、元気であればお風呂に入ってもかまいません。発疹の赤みが入浴後に増すことがありますが問題はありません。

<登園・外出>
 突発性発疹はほかの子供に次々と感染する病気ではないので、熱が下がれば外出や登園は可能です。しかし高熱で体力が消耗していますので、外出や登園は発疹も消えてからの方がいいでしょう。
 最近、突発性発疹のあとは一時的に免疫機能が落ちていることがわかってきました。そのため1ヶ月くらいは生ワクチンの予防接種(ポリオ、麻疹、風疹、おたふく、水痘、BCGなど)は受けないほうがいいでしょう。

 治りかけの時に機嫌が悪くなり何日かぐずっることもありますが自然に治ります。

 

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