インフルエンザの研究結果1
 インフルエンザに関する研究が進み、いろいろな見解が出てきました。

(東奥日報より抜粋)
インフルエンザにかかった人がもしワクチン接種をしていれば、成人の場合、8割の発病を防げる有効性があるとされ、同様に65歳以上の高齢者では45%の発病と80%の死亡を防げることが明らかになった。
 就学前の乳幼児に対する予防接種については、広田大阪市立大教授の分析で、有効性は20〜40%あるとのデータがこれまで出ているが、1歳未満の乳児への有効性は「データが少ない上、摂取量が0.1ml という少量のため効果があるかどうか不明」(厚生労働省研究班)とされている。

 現在使われている不活化ワクチンによる重大な副作用は2500万件に一回で安全なワクチンとされています。

 子供にまれに起きるインフルエンザ脳症は90年代に顕在化。森島岡山大教授(小児科)の調査では、インフルエンザに感染後、血管の細胞の障害で急激な脳浮腫(脳の腫れ)が起きることが原因とわかってきたが、未解明な部分が多く、「ワクチンが脳症を防げるのか、防げなくても重症化せずに済むのかを突き止めたい」として調査を新たに開始。

 アメリカでは5〜49歳を対象に、鼻から噴霧する新たなワクチンが認可された。これは生ワクチンを使用しているため、発熱などの可能性があり、不活化ワクチンより慎重に見るべきとの意見もあるが、87%の有効性があるとされる。日本でも導入に向けた検討が始まっている。

 新型ウイルスは1997年に香港でH5N1というウイルスが現れ、今年2月に再び出現し、これまでに少なくとも7人が死亡、4月にはオランダでH7N7という新型ウイルスによって1人がなくなっている。これらの新型ウイルスが大流行を起こすかわからないが、いずれ新型ウイルスが大流行するとの見方も強い。現在使われている治療薬のノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル リレンザ)は新型ウイルスにも有効とされている。

 インフルエンザに関する研究はまだ始まったばかり。今年の流行期はこれから。予防に努め、インフルエンザに負けない体作りが重要ですね。
(2003年12月8日))