妊娠8ヶ月目(28週0日〜31週6日目)
ママの様子 赤ちゃんの様子
<身体の変化>
大きくなった子宮が内臓を押し上げて、胃のつっかえ感やもたれ感を招きます。また心臓や肺も圧迫されるので、動悸や息切れがさらに出やすくなります。身体のサインにあわせ、行動はゆっくりと、時々深呼吸をし、疲れたら身体を横にして休めるように心がけましょう。

大きくなった子宮のために足のむくみが出やすくなります。特に夕方疲労も手伝って足がはれぼったかったり、重いと感じることもあります。夜休む時は足を高くして休むといいでしょう。冷えも血行が悪くなり、むくみを起こすこともあります。冷やさないようにしましょう。すねを指で押すとへこんだまま治らない・朝からむくんでいる・体重が異常に増える時は妊娠中毒症の危険もあるので早めに受診しましょう。

身体がだるい・疲れやすい・手足がしびれる・腰痛や足の痛みがつらい・足の付け根が痛い・湿疹や痒みなどさまざまな不快な症状がでやすい時期です。

睡眠が細切れに感じイライラすることがあります。これは産後の授乳に備えて体が準備をしているからとも言われます。昼寝をするなどして疲れないようにしましょう。

お腹の張りを感じるようになります。お産に向けての準備としてお母さんにも赤ちゃんにも必要な張りなのですが、安静にしても治まらない・痛みや出血を伴う時は早産の心配があるので受診しましょう。
NICUで十分に育つ時期ですが、この時期ではまだ、自分では呼吸ができず、自分でミルクを飲むこともできません。早産にならないように、おなかが張っている時は、深呼吸をし赤ちゃんに新鮮な酸素がたくさんいくようにして、安静にしましょう。
<身体の発達>
皮膚:皮下脂肪もだいぶついてきて少し丸みを帯びてきますが、まだやせていてしわだらけです。皮膚はピンク色になり赤ちゃんらしい姿になってきます。

脳:脳のしわがさらに増え、さらに発達し、記憶や学習する能力も芽生え始めるといわれます。運動野、感覚野が完成し、脳は一応完成する。

動き:筋肉や神経の働きもより活発になるが、羊水の量が増えなくなるのでこれまでのように自由にクルクルと動き回るのが難しくなり、手足でぐ〜っとなかなか押すような胎動に変わってくる。あまりの胎動の激しさに痛みを感じることもあります。
9割の赤ちゃんが頭を下にした頭位をとるようになります。しかし赤ちゃんが小さめの時はまだクルクルと動く余裕があるので定まらないこともあります。

聴覚:外界の大きな音にピクンと反応したり、神経系統もほぼ完成しているので、外の音に対して好き・嫌いの反応を表すようになる。ママのやさしい声には安心します。

視覚:強い光に反応するようになる。眼球や視神経は出来上がっているが、網膜を栄養する血管はまだ完成していないので、この時期までに生まれてしまうと未熟児網膜症を起こす危険がある。

肺:お腹の中にいる時は肺呼吸はしていません。胎盤を通してお母さんの血液を介して呼吸をしています。しかし横隔膜を上げたり下げたり、羊水を飲み込んで肺を膨らませたりして、呼吸運動の練習をしていると言われています。
 この時期はまだ肺の機能は成熟しておらず生まれてしまうと多くは自力で呼吸することができません。しかし肺の成熟に必要なサーファクタントという物質が人工的に作られるようになり、肺呼吸を促すことができるようになりました。このため未熟児の究明率も向上しました。
8ヶ月くらいで早産になってしまっても、十分な設備の整った施設であれば育つようになりました。しかしその後の、トラブルや後遺症の心配はあります。
お腹の中の1日は保育器の1週間に相当します。無理をせず、早産を防ぎましょう。
<この時期に起こりやすい異常>
妊娠中毒症:塩分をとり過ぎない食生活を心がけましょう。1週間に体重が500g以上増えたり、むくみがひどい時、頭痛がする(血圧が高いと頭痛を感じます)などの症状は検診の際に医師や助産婦につたえましょう。軽いものであれば、安静と塩分を控えた食事療法で軽減しますが、程度が重いと入院治療、さらに悪化する時は、人工的に早産させることもあります。
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