妊娠9ヶ月目(32週0日〜35週6日目)
ママの様子 赤ちゃんの様子
<身体の変化>
子宮底は35週にはもっとも高くなり、胸の骨のすぐしたくらいまでに達します。そのため胃腸や心臓・肺などの内臓の圧迫もさらに強くなり、1度にたくさん食べられなかったり、食欲が落ちたり、急に動くと動悸や息切れを引き起こすこともあります。
引き続き、無理をせず身体のサインにあわせた生活をしましょう。食事は1回の量を減らし回数を多くしたりするといいかもしれません。ゆっくりと歩くことがとてもよい運動になります。下半身の筋力を保ち、血のめぐりを良くするので、無理をしない程度で、ウオーキングをするといいでしょう。転ばないようにかかとの低い靴をはきましょう。

<疲れたら休息を!>
おなかも大きくなり、体重も増え、腰や背中、足にかかる負担も大きく痛みやだるさが現れやすかったり、疲れやすくなります。軽い散歩程度の運動は適度に筋肉の緊張を取り除き、血行を促進しますが、疲れすぎは中毒症の引き金にもなることがあります。疲れたなと思ったら、身体を横にして休むようにしましょう

赤ちゃんの頭や大きくなった子宮の重みで膀胱が常に圧迫された状態になります。そのため尿をためておける量が少なくなりトイレが近くなったり、排尿後もすっきりしないことがあります。また妊娠するとおりものが増え、外陰部が不潔になりやすく、疲れなどから抵抗力も落ちやすく、膀胱炎を経験する人も多いです。排尿後に痛みがあったり、尿がにごっていたりする時は早めに受診しましょう。

<お産に向けての準備が始まります>
膣や子宮口の入り口が徐々にやわらかくなるためおりものが増えたり、外陰部がはれぼったい感じがすることがあります。
また健診の際の内診で軽く出血することもあります。内診による出血は1日程度で治まり、量も極少量です。
量が徐々に増える、きれいな出血だったり、さらさらとしている出血は異常のサインです。

不規則なお腹の張り(前駆陣痛といいます)を頻繁に感じるようになります。これは赤ちゃんもお母さんも陣痛に耐えるための予行練習です。多くは腰の痛みを伴わず、不規則で時には張っている時間が1分以上になることもあります。しかしこの前駆陣痛から分娩陣痛(お産につながるお腹の張り)や破水を起こすこともあるので、お腹の張りがあるときは身体を休めるようにしましょう。
この時期はまだまだ早産の時期です。

お産が近づいてくると精神的に不安定になってきます。母親学級で学んだことをおさらしたり、不安なことは健診で早めに相談し解消するようにしましょう。
<身体の発達>
皮膚:皮下脂肪は増え、ふっくらとし赤ちゃんらしい丸みのある姿になってきます。
全身に生えていた胎毛も薄くなって、皮膚のしわも少なくなり、張りのあるピンク色になってきます。つめも伸びてきます。髪の毛も生えそろいます。

肺・呼吸機能:一番未熟だった肺の機能も34週の終わりころにはほぼ完成して、生まれてすぐから肺呼吸ができるようになります。

性器:性器も完成します。男の子は睾丸が下がって陰嚢におさまります。女の子は大陰唇が盛り上がり、左右が密着してきます。

消化機能:羊水を飲んで尿をするようになります。生まれてからの哺乳と排泄の準備を開始します。偶然口に触れた指をしゃぶったりして哺乳の練習をしていると言われます。ママの空腹を血液中のブドウ糖の量で感じとるようになります。

精神・運動:笑う・怒るなどの表情も出てきます。視覚・聴覚・味覚・痛覚などの感覚の分かるようになります。手足を活発に動かす様子がエコーで見られることがあります。

この時期になると、身長や体重は性別の差をもちろん、おなじ性別でも大きい小さいという個人差がはっきり現れるようになります。赤ちゃんの位置などで赤ちゃんの大きさの計測が不正確になることもあります。標準より小さい・大きいではなく、前回の健診から小さくなっていなければいい、くらいの気持ちで数値を見守ってください。お腹の上からのエコーは赤ちゃんが大きくなるに連れて不正確になりやすいもの。数値だけにとらわれるのはやめましょう。

このころになると大部分の赤ちゃんは頭を下にした頭位に落ち着きます。逆子でも、赤ちゃんが小さめでまだまだ動く余裕があるときは元に戻ることもあります。逆子でもお尻を下にした殿位と言う状態ならば普通分娩が可能なこともあります。

37週までは早産の域ですが、34週の終わりには外見的にも内臓などの完成度もほぼ正期産の赤ちゃんと変わらないところまで成長します。34週以降であれば早産で生まれても、正期産の赤ちゃんと同じように育つことができます。
おなかも大きくなり、体の疲労もピークに達します。まだまだ早産の域。できるだけ月満ちて生まれてこられるように、十分な休息や睡眠をとって早産を予防しましょう。
<この時期に起こりやすい異常>
妊娠中毒症:状態がひどくなると帝王切開をしなければならなくなります。休養と塩分のとりすぎを注意して規則ただし生活をしましょう。
妊娠糖尿病:
<早産の兆候・破水に注意>
いつもとちがうお腹の張りを感じたり、横になって休んでも張りが治まらない時は病院で見てもらいましょう。
破水は、自分で止めようと思っても止められないので尿漏れと区別がつきます。もしわからない時は病院で調べればすぐにわかりますので、迷わず受診してください。
<この時期に起こりやすい異常>
逆子:赤ちゃんの態勢によっては普通分娩が可能なことがあります。逆子の場合、臍の緒が先に出てきて赤ちゃんと産道にへその緒がはさまれてしまうことがあるので、安全を考えてはじめから帝王切開をするところもあります。骨盤の大きさや、赤ちゃんの大きさなどを考慮して、主治医と十分話しあいお産の方法を決めましょう。
トップページに戻ります