| Homeメニューへ |
|
|
| 純氷ニュース 隔月発行・年6回 |
発行所 株式会社 日本冷凍新聞社 〒104-0055 東京都中央区豊海町4-18 (東京水産ビル5F・日本冷凍倉庫協会内) 編集主幹 武田俊郎 東京氷雪組合 03-3251-4865 |
![]() |
![]() |
| ■ 純氷ニュース」 掲載文 ”今さら聞けない素朴な疑問”より 著者:今関靖將 |
| お願い : 当サイトの記事原稿写真の転用される場合には必ず著者:今関靖將までご連絡の上掲載して下さい |
| ご利用可バナー⇒ |
| 第1章 ■家庭で透明な氷は出来ないか? ■塩をかけると長持ちする? ■なぜ純氷は36貫(135kg)で作るのか? ■純氷、48時間と−10℃ のなぜ ■すしのネタケースはなぜ純氷? ■美味しいかき氷 ■純氷には「目」があるというが? ■純氷の白い部分は何? ■氷中花の技法(上) 第2章 ■製氷環境 ■氷の出来方 ■角氷の製氷 ■製氷技術 ■氷への想い |
第1章 ■ 家庭で透明な氷は出来ないか? (第9号) 一般の方からの最も多い質問です。多くの回答例をみると1)ゆっくり凍らす、それにはタオルやエアーシートなどを巻いて冷却温度を上げる、割り箸を容器の下に敷く。2)沸騰した水で凍らす。何れも透明氷を作るには重要な要素ではあります、しかしながら出来た氷は気泡が入り透明氷は難しいでしょう。 そこで我々の扱う純氷を作る工程を考えてみよう 原料水の入った氷缶はその周囲および底の5面からブライン溶液で氷点下で冷却されます。しかし上部面は冷却されず開放に近い状態としています。 つまり氷缶の原料水は空気や不純物をエアレーションで分離させながら氷缶底と下部周囲から凍ってゆきます。途中、氷缶中心部の不純物濃度の高い未凍結の水を入れ替えて再製氷して純氷がつくられています。この製氷方法を応用すれば家庭でも透明氷は出来ます。 まず、湯を7分目ほど入れた容器に断熱となる材料を用いて完全に密着してフタをします、 次に、容器上部から2/3位まで断熱マットまたはエアーシートを厚く巻きます。 これで氷缶とするものは出来ました。次に冷凍室の温度をやわらげる為に床に同様なシートなどを敷きその上に容器を乗せます、この状態においては容器下部1/3は直接冷却される事になります。さて製氷開始です これら方法で共通し最も重要なことは、上部を凍らせない工夫です。 氷缶エアレーションには容器内の自然対流です やがて容器に底から2/3ほど氷が出来、氷の上部にはまだ水が残っている状態つまり 製氷工程で云う水の入れ替え直前で終了して冷凍室から取り出します。氷の上にはまだ未氷結の水がありますが、これで完了となります。 一般の方にこの”家庭で透明氷”を紹介すると同時に、 我々の扱っている氷は専門的な高い技術によって素晴らしい透明純氷が作られていることを伝えて欲しいと思います。 目次へ |
| ■ 塩をかけると長持ちする? (第9号) 残念ながら答えは反対で早く溶けてしまいます。 この問題は2つの性質を同時に理解しなければなりません。 氷はゆっくり溶ける性質を持っていて氷が溶け始めてから氷が完全に溶け終わる迄、 氷は0℃のままです。その氷に塩をのせると氷は速度を増して溶け始めます、 このように塩は氷が溶ける速度を早くする性質があります。 もう一つの性質は、塩は氷を溶かすときに周囲の温度をどんどん下げる性質です、 塩を掛けた氷は0℃より更に下がります。純粋の水は0℃で結晶になりますが塩水は0℃より低い温度で結晶化します。これが凝固点降下です この2つの性質で塩は温度を下げるため自らのエネルギーを取ることとなるので氷は早く溶け、その分氷の温度を下げるということです。 ここで身近の例を見てみましょう 家庭でアイスクリームを作るとき容器周囲に氷を置きそこに塩をふります これは氷を極端に低い温度にしてアイスクリームを固める為です。 また融雪剤に使用し道路に積もった雪を早く除去する為に用います、融雪剤には塩化カルシウムを主成分して含まれており凝固点降下によって溶けた雪の再凍結も起こりにくくします。 私たち氷業者にはもっと身近によい例があります。 製氷工場での純氷製造にブラインとして使われる塩化カルシウム等も塩が温度を下げる性質を利用したもので、ブライン溶液の槽に原料水の入った氷缶を沈め製氷し純氷が製造されています。 目次へ |
|
■ なぜ純氷は36貫(135kg)で作るのか? (第10号)
1870年に機械製氷が欧州から導入され、1883年には日本最初の製氷会社が設立されています。
氷業界では昔から1本は36貫(135kg)として流通されてきました、
これは300ポンドが約36貫であることからきています、 他に25(11kg),50(22kg),100(45kg),200(90kg)ポンドのサイズがあります。 では、なぜ36貫の製氷方法が現在まで受け継がれてきているのでしょうか。 文献等参考にある実験を試みました、方法は
(A)氷缶の幅奥高サイズの異なる氷缶を用いての製氷実験、
(B)原料水を凍結する為の製氷槽のブライン温度を変えての製氷実験です。
まず(A)幅奥高サイズの異なる氷缶では、原料水の入った氷缶をブライン槽内に入れます。 冷却を経て氷缶内の壁面、床面から着氷し順次成長して行く過程で氷缶の壁面、底面に重要な関係がみられます、
極端に奥行の薄い氷缶の場合、壁からの成長がいち早く進み床面からの成長が遅れます、 すると両壁からの成長した互いの氷は中央部で張り合わせるように密着形成されます、 その際、中央部には気泡などが残存し薄い皮膜状となりそれを含んだ氷柱を形成します、 更に成長が進んでも互いの氷は完全一体化しませんので、この氷を脱氷すると、中央を境に離れる場合もあります また極端に奥行の広い氷缶の場合は床面と壁面から同様に成長しますが氷缶中央部迄はなかなか結氷成長が進みません。 これらから壁面と床面から均衡の取れた結氷成長させる数値を見つけ出して行くと氷缶奥行27〜32cmとなりました。 また氷缶高についてはブライン水槽の深さ、エアレーションや製氷時間を要因とします。 これらを踏まえて新たに氷缶を設計してみるとこれが現在の氷缶の最も近いサイズとなりました。 因みにヤードポンド法では氷缶奥行1フィート、幅2フィート高さ3フィートとなり、奥1:幅2:高さ3の比率でした、 出来た氷の質量は300ポンドです、すなわち約36貫(135kg)でした 次に(B)ブライン温度の変化による実験を行ます 通常製氷工場で採用されてている氷缶サイズでエアレーションをし、 室温+15℃、水温+20℃でブライン温度は−5℃から−18℃までの段階で製氷を試しました @−5℃で場合83時間、A−9℃の場合47時間、B−18℃の場合25時間でした そこでこれらの温度で出来た氷にはそれぞれに変化がみられました。 @は結晶(臨界結晶)が非常に大きく氷の艶も高く氷を砕てみるとその表面はとてもなめらかで 氷質は良く云うまでもありません、しかし製氷時間が長く生産性が悪い Aは多くのヒビがが入り氷質は透明ではあるが艶が無く無機質感のある氷です そこで@とBの方法からブラインの適温を探ってみるとAの−9℃前後での製氷温度帯が非常によいと云う 結果がみられました(夏冬の製氷室温によって異なります)。 |
|
■ 純氷、48時間と−10℃ のなぜ (第10号)
氷を比較する時、よく−10℃で48時間かけて作った氷だから硬くよい氷であると云われます。
その48時間と−10℃というのはどう云う理由からでしょうか。
製氷する温度と時間の関係から氷質を見ると、原料水温、水量、室内環境温度の一定の条件下の製氷では ブライン温度−9℃では46.3時間 −12℃では34.6時間です では−5℃にしたどうでしょうか、なんと約160時間もかかります、 確かに氷質は良くなり透明度も増したように見ることが出来ます、 しかしこれでは生産性及び製造コストの問題で良くありません 次に結氷速度を早くするため極端に低い凍結温度つまり−25℃より低い温度(特殊ブライン使用)での 製氷においては結氷面は非常に不安定となりちょっとした温度変化で氷にヒビが入ったり割れたりします、 エアレーションしているにかかわらず氷は透明ですが白っぽくヒビだらけで良い氷質は得られません。 これは水中の空気や不純物が微小な泡を形成し着氷面から離れることが出来なくなり氷の結晶に挟まれてしまうからです 氷質を満足出来るまでに凍結温度を移行させ、生産性を上げ、作業のローテーションつまり水換えや脱氷その他の 業務を入れると約48時間(2日間)での製氷時間が理想に近いという結果が見えて来ました。 なお製氷メーカーによっては製氷時間を72時間更には96時間として高いクオリティを求めた製氷方法を 採用している工場も有ります。製氷方式を変え直膨式製氷においては完全無気泡製氷に120時間をかける場合もあります 同様な方法で氷缶の厚さ、形を変え早い時間での良い氷質を求めた製氷方法も可能です、
そのためには作業効率、設備コストの問題を解決しなければなりません 現在でも多くの製氷工場が氷缶サイズに日本工業規格「1種」が使われているのには、それなりの理由かと思います。 (※JISB8601-1959)
これまでの製氷メーカーの長いい歴史の中の努力により、 これらの製氷時間、製氷温度、氷質、作業効率等全てを結集したものが、 135kg角氷という形にあるものと思います。 目次へ |
| ■すしのネタケースはなぜ純氷? (第11号) 昭和30年代は多くの家庭、お店での冷蔵庫は氷が機能の主役でした。実に懐かしい。 やがて家庭にも電気冷蔵庫が普及し街の生鮮食料品店にも冷蔵庫やショーケースが設置された、あたかも当然のごとく主役の入れ替えを強いられたのである。 しかしながら現在でも氷冷蔵庫はしっかりと根強く食品を守っている老舗が少なくありません。ある時、某電機メーカーからの氷の冷蔵庫について相談を受けました。電気冷蔵庫を氷冷蔵庫のもつ特性に近づけたいとの事で、それは食材を冷蔵庫から出した時、氷冷蔵庫のようにしっとりとした美味しさがないとのことでした。 そこで氷冷蔵庫と電気冷蔵庫の食品保存に対する比較を試みた。まず氷冷蔵庫の特質を上げてみると@温度変化が少ない。A湿度を高く保てる、B無風である。しかし、C4〜8℃のため食品の保存期間が短い、D氷の補給が必要で維持コストが大きい。一方電気冷蔵庫は@温度調節器による温度変化が出る、冷却器の定期的な除霜に一時的に庫内温度が上がる、A庫内送風機の影響により食品の表面から水分が奪われ乾燥を早める。また肉などは質量などの目減りとなる、だが、B2〜6℃で食品によっては保存期間が長い。C運転コストが低い。このように大きく異なります。 次に保存した食材はどうか? 食品は低い温度になると生体反応が起こります、体内にある物質、でんぷんを糖分に、タンパク質をアミノ酸にと変化させます、これは生物の細胞レベルで起こります、すでに切り身になっている肉や魚であっても収穫してしまったくだものや野菜であっても実は細胞自体はまだ生きていて反応を起こします、これは食材が凍らないよう自らが引き出す旨みに変わります。 この食材特性に最も温度変化がなく高湿度を保つ氷冷蔵庫が適していることは云うまでもありません。また食材の水分に注目してみます。水は4℃で最も安定した状態にいます、食材の水分も飽和状態であり、この温度帯を変化無く維持できる状態が食材にとって非常に有効です。これより保存温度を強制的に下げると食材表面から水分が奪われ乾燥パサパサとなってしまいます、野菜にあっては萎えてしまいます。 ある大手外食チェーンで収穫から加工、流通まで全てを4℃としてお客様のお口に入るまで徹している企業もあるほどです。これらのことからいかに氷冷蔵庫の持つ特性が食材保存に叶っているかがわかります。ただし氷冷蔵庫の場合には短期保存と氷補給という大きな負担が伴います。 日本工業規格の冷蔵庫の温度分類によるとチルド:0℃、パーシャル:−3℃、氷温:−1℃近辺の温度帯としています、これらと異なり、氷冷蔵庫に最も近いとされる冷蔵庫に恒温高湿の冷蔵庫やネタケースがあります、恒温高湿庫は庫内壁面を氷の壁のように冷却パネルとし微風で冷気を循環させます、またネタケースではケース内上部に氷を作り、その氷の融解によって食材を保存する工夫がなされています、何れも食材の乾燥を抑え長期的保存に対応しています。これからもわかるように食材の使われ方保存期間によってより良い冷却保存方法が選ばれて然るべきです。氷冷蔵庫は 寿司、和食、のお店に使われていることは理にかなっていると同時に食の専門家の方々は非常に繊細な感覚で食材を守りお客様に美味しい食材を提供しているものと感心させられます。 目次へ |
| ■ 美味しいかき氷 (第11号) かき氷を食べるとよくキーンと頭がいたくなるばあいがあります。 これは諸説ありますが、神経系統の錯覚や血管の急な伸縮などによる影響らしいのと言うのが有力な説としています。 かき氷を食べると口の中が一気に冷えます。その刺激が脳に伝わって血管が収縮します。この収縮を脳が痛みとして捉えそのためカキ氷を食べると頭痛がすると錯覚してしまうんです。カキ氷を食べたときに頭痛を起こす神経は喉の奥にあり、これは関連痛というもので神経系統が混乱を起こすために起きる現象だといわれています。 ふわっとしたかき氷、キーンと頭がいたくならないかき氷というのは 実は別々な問題のようですが、近い関係があります ふわっとしているかき氷は氷と氷の間にたっぷりと空気が含まれるため、 非常にまろやかな食感となり、ちょうどメレンゲで空気をたっぷり含ませる感じです アイスクリームを食べても頭が痛くなりません、これは製造過程のフリージングにおいてオーバーランといって意図的に空気をたっぷりと含ませて膨らませます。 空気がたっぷり含まれているかき氷は口の中で氷と空気が溶けて入っていくため急激な血管の収縮などが無く頭がいたくなる事がないのです(個人差はあります) 一方、市販のカップかき氷はどうしても氷欠片が固まり氷の粒を口の中にほおりこむという事ですので氷だけをかじるようでざらざらとして食感は良くなくその上 口の中で急速に溶けた氷は刺激となって血管を収縮させ頭痛として不快感を伴います。 ではふわっとした美味しいかき氷の作り方、これはひとえに良く切れる刃で薄く削ること、それと氷を作る水です。氷削機は、電動式、手動式 砕氷状の氷をすりつぶすもの等があります。最も良い方法として推薦する方法は上記ではなくカンナで削る方法です。ちょうど腕のいい大工さんがカンナで超薄く木を削るのを思い浮かべて下さい。あの方法で氷を削るイメージです、切削刃は非常に切れるように管理しなければなりません、しかしながらこの方法ではあまり生産性がありません。 他の方法としては、氷削機を使いますがあくまで切削刃は非常に切れるようにしなければなりません。最高のかき氷は、ちょうど雪や綿菓子を食べるような柔らかい感触があり素晴らしい高級感さえ味わえます 目次へ |
| ■ 純氷には「目」があるというが? 一般的に素材の目というと石材や木材などの目のように一方向に割れやすい方向に出来る目のことをさしますが、氷の場合目と云われているのは氷の結晶の方向なのです。 氷の目(結晶)の出来方は氷缶の中の水が冷却され氷になるとき始めに多数の微小な結晶が形成されそれぞれが別々に成長して多結晶体として氷缶の壁面に生成します。 このように氷塊は一つの結晶ではなく複数の結晶からできています、 これを多結晶といいます(つららは1個の結晶から出来ています)。 そして結晶と結晶の間を「粒界」といいます。 氷は六角柱の結晶構造を持っています、従って結晶には「向き」があり複数の結晶が並んでいるときそれらの向きは異なっています。 また粒界には水に含まれている不純物が集まりやすいのです。 氷塊を屋外に放置しておくと直射日光を浴びてボロボロとスジ状になっていたことがあるでしょう、 これは赤外線を受け結晶間の粒界が空気が暖められその付近だけが溶けスジ状になったものでそれが結晶粒界です、 いわゆる氷の目と言われるものです。 氷塊が硬い状態だと目の方向に割れやすいという事はありません、 割れる方向は氷の体積に左右される場合が大きいようです。製氷方法によっても目の方向は異なります、 角氷製氷、、ターボ製氷、無気泡製氷、小型自動製氷機といずれも氷の成長方向に向いています。 ところで氷の結晶はそのままでは観察できません。薄い板状に削った氷を2枚の偏光板に挟みます、 光源をおいて光がそれら3層を通るようにして光源の反対側から見ると氷の結晶が色分けされて見え結晶の向いている方向によって色が様々に変化してとてもきれいです。 (おもしろ実験、偏光板は不要の電卓などの液晶でも代用出来ます) 目次へ |
| ■ 純氷の白い部分は何? 角氷には氷塊の中心部に白い気泡芯があります。 この白い部分はすべて不純物と云われることがありますが実はそうではありません、殆どは原料水に含まれている空気の泡です 135kg角氷の白い部分だけを取り出すと約1.5kg位あります、そしてその約0.1%程度がカルシウムやマグネシウムなどミネラル分やその他微量の不純物です。白くみえる芯の部分は水に溶け込んでいた気体が泡となって氷に閉じこめられたもので気泡が光を乱反射するため、白く濁って見えるのです。 では製氷工程と氷の性質から見てみましょう。 原料水をブラインなどで氷点下で冷却し続けると氷の結晶が生まれ氷に成長します。 空気は水に溶け込みやすいため氷結が始まると空気は氷と水の境目にだんだん集まってきます。 また『氷の結晶にはどんな物質も入り込めない』という他の物質と比べ特有な性質を持っています。 カルシウムやマグネシウムなどの物質も一緒に析出されます。製氷が進むと原料水は次第に過飽和の状態になってこれが空気の塊すなわち気泡になります。この気泡は大変微細で浮き上がる力が弱く氷の表面に付着します。 氷缶内はエアレーションで攪拌され大きくなった気泡は氷の壁から離れ水面から放出されます、 攪拌が小さいと微細気泡が連結して針状のスジとなって観察されることもあります。 やがて製氷開始から中程に経過すると未結氷の原料水は不純物濃度が高くなり溶解度が飽和に達する前に水を新しい水に入れ替えます、 仮に注水される水量を40Lとすると成分の最も多いとされるカルシウムやマグネシウムの約2g(平均値)は空気と共に水中に含まれます。 更に氷の成長が進みエアーパイプを抜き取ります。氷缶内は攪拌が出来ず中心部は気泡を閉じこめながら氷結し白い気泡芯となります。 なお硬度が高い水をご使用の地域は氷の白い部位を切り取って溶かした場合、白色沈殿物(カルシウム結晶)ができることがありますが害はありません。 さて、白い気泡芯のない完全透明な角氷は出来るでしょうか、 氷缶を水平に設置し下方からのみ冷却して氷の成長面を絶えず攪拌を与えることによって 気泡は氷に閉じこめられずに水面に逃げるため出来る氷は完全な透明氷が出来ます。 また新しい製氷技術により従来の縦缶製氷方式での完全透明氷の研究も進んでいます。 目次へ |
| ■ 氷中花の技法 氷中花(1) 子供の頃、近くのデパートに飾られた花氷に神秘的な美しさを長い時間魅入っていた記憶がある。 我家は氷屋であったが花氷を扱える程顧客を持っていなかった、どこかの業者が設置する光景を楽しげに見ていた。 今日では花氷の製造技術も格段に進み新たな可能性が生まれている、用途も地域のイベント、特販商品のCMや企業のCM、集客のアイテムと多岐に渡る。そこで「花氷・氷中花」の製作技術を紹介しよう。氷は透明に作ることが条件とされる。 135k全透明純氷の製氷についてはのちの機会に述べるとして今回は氷中花のために透明にする方法を述べておく。 従来の花氷製法はブライン槽に水を入れた六角氷缶を浸漬し中央に空気管で空気をを吹き込み水を撹拌して透明化するがどうしても芯の白濁が残る。透明体を作るには水平設置の氷缶を底から冷却し氷を生成させ、氷成長面の原料水に流れや動きをつけて氷の成長を進ませる方法がある。例えば@ポンプで水流を作る、Aプロペラで水を撹拌する、B氷缶を揺動するC水の分子自体を活動化させる、などがある @について透明にする方法を実践してみると氷の成長面に対し水流速は毎分6mが必要となる、これは風呂の湯を手でかきまわして出来るくらいの水流である、これを保ちながら氷中にいろいろな物を入れる事が出来る。ものによっては前処理や特別な技術を伴うものがあるがその一例を紹介する。 花は造花を薦める、ポリエステル材質により気泡が出来にくく発色が綺麗である、まず造花をアレンジして冷凍庫で−6℃位の品温に下げておく、これを先に約5cm位出来た氷面に置くのだが材質により浮く場合は金属にPP材などを付けた重りで軽く押さえておく、約3分くらいで重りは外す、のちに氷が成長してきて花や葉の形を修正しながら同様に重りを使って全体の形を整える、希望の氷厚で終了する。 生花の場合は呼吸を続けているので氷中に入れている段階でも絶えず気泡が付きまた褪色する、これによってせっかくの氷中花も見劣りがしてしまいます、そこでドライ法による押し花(褪色しない花保存)を応用するのも良い、出来た花を−15℃以下の冷凍庫に入れ水霧吹きで数回コーティングする、これを−6℃に戻してから造花同様に氷に入れる、状態を見ながら花葉の周囲に付く気泡は揺らす等して取り払います。また親水性溶液(曇り止)の散布も効果があります。 氷中花(2) 玩具、キャラクターは親子連れで賑わうイベント会場などで子供達に玩具を取らせる趣向で最も人気のある出し物である、安価な玩具ををふんだんに氷に入れたいがなかなか面倒なものである、プラスチック材質が多く中は空洞の物が多い、これらを一つづつ氷に押さえつけるのは至難の業である、そこで3cm以下のようなミニチュアは家庭用冷蔵庫についている製氷トレイの各マスに少し水を入れその上に玩具を入れる冷凍室で凍らせると氷の付いた玩具が出来上がる、これを冷凍の低い温度のまま氷に貼り付ける、数十秒で氷に付くので次から次へと氷付玩具を入れることが出来る。やや大の玩具はあらかじめ空洞部にスポイトなどで寒天又は砂糖水など比重の大きい液体を入れ凍らせておく、これを氷に張付けるとよい。 麺類も面白い、そばうどん店頭の集客力は抜群である。麺を硬めにゆでる、−15℃以下の冷凍庫内で麺を食するイメージ形を作る、箸で麺を持ち上げた状態を形にするのが効果が高い、このまま多めの水スプレーを幾度か吹き付け凍結する、これを−6℃に戻してから横にして氷に配置する合わせて器やそば猪口、キャッチコピーも入れ作り上げる。この氷柱を立てるといかにも空中で麺を持ち上げているようで驚きが聞こえる。 いずれにおいても冷凍庫から出して氷に張り付ける際、品物温度が−6℃以下にあっては針状の微小気泡が出る場合があるのでこまめに取り去る注意が必要となります。 氷中花(3) 飲料水の入ったビン缶類を氷中に入れる場合、最も注意しなければならないのは内容液の凍結膨張での容器破損である。物には凍結点がある例えばジュース類は−1.5℃ビールは−2.2℃等である。製氷温度が−12℃とした場合には密封された容器の中身の液体は凍り膨張して容器を破損変形させる、キャップを開け内容物を水と入れ替えてそのまま氷中に没するのは簡単だが、キャップを開けられない物は事前に凍結する。方法は中身の入った容器の上部のみを保温し冷凍庫で液体の下方から凍結させ最上面は最後に凍らせる、すると液体は液面を氷で塞がれず上部方向に膨張するため封入されている気体が圧縮されるので容器の割れ変形がない、これを冷凍庫でマイナス6℃位にしてから投入すると良い。 魚体で注意しなければならないのは鑑賞のとき氷中の魚体から血が滲み出ることがある これは魚の内臓や血合いなど凍結点が氷より低い為で氷は0℃で溶けずに形を保っているにもかかわらず魚体内は溶け始めてそれが氷の結晶間ににじみ出てくる症状である。 小魚は前処理無しで良いが、魚体の大きい鯛、鰹などは肝内臓を取って綿などをつめ復元させ−6℃位で凍らせてから入れる。続いて氷の中に氷彫刻を入れる技法だが、氷の中の氷彫刻はまさに3Dクリスタルでちょっとした驚きである。一例をあげ制作方法を簡単に説明するが熟練も必要される。氷中に入れる氷彫刻例(白鳥)の大きさは氷本体の2/3以下のものが良く初めのうちは更に小さい彫刻が入れやすい。出来るだけ精密に仕上げた方がより美しい、白鳥の首などは温風で極限まで細くし更にコテなどでくちばし目、羽根の線を入れるとよい。このまま−15℃の冷凍庫で凍らせ、ここに霧吹きで数回に分けて吹き付けると彫刻表面が白濁する、カラー吹付けもよい。首などはグラデーション風に一部透明も面白い。これだけでも素晴らしい作品だが精密なため鑑賞時間があまりにも短い、そこで氷中に入れるのである。氷彫刻体の温度は−6℃に戻す、ある程度氷が出来ている所へ白鳥をおくとこれはすぐに氷に付く、製氷水面には水温の上昇を防ぐ為砕氷を浮かべておく、そして最も低い流速で撹拌しながら氷を成長させて出来上がる。これらのように多種多様な物を入れることが出来る氷中花の鑑賞時間は室内22℃において約8時間鑑賞出来るため長時間のイベントには最適である。また長期保管の場合には氷の目減りを防ぐ為ストレッチフィルム等を巻いて冷凍庫へ保管すると良い。 目次へ |
第2章
| ■ 製氷環境 近年アジアを始め諸外国から日本の氷に対する注目度が高くなっています 日本では安心した水環境に恵まれていた事と、国外から製氷の技術を導入された経緯もありますが、氷に携わる先達が氷の安全に対する意識と、常に新しい技術を探求する国民性が高い製氷加工技術を追求してきたことも大きな要因のひとつと上げられます。 とりわけ日本の氷製造技術のレベルは世界でも非常に高い水準にあります。 日本の製氷の歴史を見ましても水産用氷の需要や冷却用の氷と共に、氷を食するまた飲料と供するという習慣は日本の食文化と共に歩み多くの人々が日常的に多岐に渡って氷を利用する機会に恵まれました。また我国では古から氷の献上が行われ神聖化した習慣もありました。 一方、国によっては水についても多くの不安要因を伴う現状もあり、特にそれらを原料水として製氷された氷を飲料に供して体調を崩すという事例が少なくありません。 そこで、あらためて「氷」を見てみると氷には科学、物理、また、氷が出来るメカニズムがぎっしりと詰まっています。これから数回に分けて「氷のひみつ」と題して水から氷の結晶が生まれる様子から氷の成長する過程また、これらの原理など氷に関する面白実験を紹介しながら純氷の良さ安全性を再認識して行きたいと思います。 著者がこれまで多くの方々にご教示頂いた知識、および独自の研究データ等を加えこれまでに実践した製氷方法を皆様と共に共有し、氷業界のお役に立てて頂ければと思います 目次へ |
| ■ 氷の出来方(氷の中の科学) 多くの方が「氷」について何らかの不思議や疑問を持っているのではないでしょうか。 自然の環境下で出来る氷と人工製氷での、氷の出来方に違いがあるのだろうか 私達が扱う氷を知るには氷を実際に見ること作ることからの方がよいでしょう。 まず氷池に張った氷の出来方、成長のメカニズムをみてみると、 池や湖、水溜まりに出来る氷はなぜ水の汚れ等があるのにもかかわらずあれだけ透明な氷が出来るのでしょうか。 これとは別に水を入れた容器を冷凍室に入れて凍らせても白い気泡のある氷となってしまいます。この違いは何でしょうか。 冬になって、寒い日が続き気温は下りますが水温はなかなか下がりません、 それは水の持っている大きな熱量や池の底の地熱によって下がりにくいのです、水の比熱を考えると水は4℃の時、比熱1です。空気の温度を下げる場合、空気の比熱は0.2という値です。これは水を冷やすのには空気を冷やす5倍の熱量が必要という事なのです。 それでも数日間、冷たい気温が続きますと水面から冷やされ水温は次第に下がります。上層部の冷たくされた水は次第に底の方へ下がり、暖かい水は上へと対流します。 上層部の水面は常に−5℃位の冷たい風に当たっていると仮定します。やがて水面の水の一部に、氷の結晶が生まれます。水の分子というのは、ちょうど1つの部屋に子供達が何人も入っているのに似ています。子供一人一人が水の分子と思ってみて下さい、部屋が熱くなれば子供達分子は活発にかけ廻りそれ以上熱いと子供は窓から飛び出していってしまいます、それが蒸発です。また一方、寒ければ寒いほど子供達の分子の動きは鈍くなり更に寒いと何かにしがみつくか隅の方に動かなくなります。他の子供達もみんな寄ってきて一つの固まりになろうと強く抱き合います。 水から氷になるときも水の分子が1つの核を見つけ、氷の結晶を作り、その結晶が結合しながら成長します。 ここでは0℃の水が、0℃の氷になったという事なのです。水が状態変化をしました。 ここから先、最も重要な事を知っておいて下さい。水が氷になる時「氷の結晶内にはいかなる物質も入り込めない」という、氷は他の物質と比べ特別な性質を持っています。 水が氷になる時も空気は氷から追い出されてしまいます。また水に含まれる不純物などの物質も同時に追い出されてしまいます。氷がゆっくりと成長してゆく時、水の中にとけ込んでいる空気や、不純物を結晶の中に入り込ませない性質の為、ゆっくりと追い出していくわけです。遅ければ遅い程、水の中の成分は分解して不純物を氷の結晶の間から追い出します。このように氷は成長を続けて行くと下の方の水も不純物や空気がとけ込めない程の濃度になります。水が含むことの出来 る空気の量には限度があります。ここで1つの変化が現れます、氷には追い出され水にも溶け込めない空気や不純物は1粒の泡を形成して氷と水の境界にいます、その泡は氷の成長に伴って氷の結晶と結晶の間に閉じこめられてしまいます。 このように池の深さにも関係はありますが、水面には透明な氷が出来、その氷の下には泡が発生しています。 このように自然界で出来る氷を見ることによって、水の対流、水の中の不純物、空気の溶存濃度、不純物の排斥、氷の凍結速度、氷の結晶、氷の密度、氷の膨張、溶解熱、熱伝導など、氷を扱う上で学べる事はこれからも沢山あります。 目次へ |
| ■ 角氷の製氷 前回は自然界で出来る氷から氷の出来る原理を説明した角氷についても製氷原理は同じと考えて良いです、ではなぜ角氷に白芯が出来るのか。 角氷製氷の工程を簡単に理解するには、前回の氷の結氷メカニズムを知っておくと良い 製氷工場では予め氷缶に原料水を給水槽に入れておき、この原料水をしばらく放置している間にも水の中に溶け込んでいる塩素(カルキ臭)つまり水道水の滅菌消毒に使われている次亜塩素酸ナトリウム等は自然に空気中に放出されています、また、近代設備の工場においては、原料水の前処理を行いより良い水で氷を製造している工場もあります。 この原料水の入った氷缶をブライン槽の中に沈めます、ブラインの種類、ブラインの温度は各製氷メーカーによって様々ですがここでは塩化カルシウムの溶液を−10℃まで冷却すると仮定致します。このブライン液も熱交換の効率を良くするために専用のポンプ、アジテータで循環しています。ブライン温度は氷質に重要な意味を持たせます、−6℃以上のゆるい温度では、氷結速度が遅く生産性がありません、逆に−14℃以下の強い冷却をすると出来る氷の品質が悪かったり結氷速度が速いため気泡が多かったり良い結果は得られません。また脱氷時においても氷にヒビが入る場合があります。一般的には夏季には−10〜−12℃、冬期には−8〜−10℃が多いようです。 原料水を入れた氷缶はブライン液の熱交換により急速に冷却が行われます。原料水の撹拌のためエアーパイプが水中に入れられると原料水は効率良く冷却が進みます。 やがて原料水が+2℃あたりで氷缶の壁面、床面に氷の結晶が出来始めます、ここからは前項の池の氷の成長と同じように水の分子が集まって氷の結晶となり、やがて壁面に氷の厚さを感じさせます。氷の厚さが数10mm位までは非常に結氷速度は速く氷になって行きます。ここで水の中に溶け込んでいる空気それに含まれる不純物は氷の結晶には入ることが出来ず氷から追い出されます。例えばこの時点でエアーレーションをしない場合、氷の表面にごく微小な気泡があることを確認することが出来ます、しかしこのままですと、その気泡は氷の成長の間に捕まってしまいます。 そこでエアーレーションとなります、パイプから出たエアーは水中での上昇する浮力により氷の壁面の小さな泡さえもはがしてしまい、水を攪拌しながら上昇し空気中へ放出されます。エアーは単に水の攪拌だけでなく、吐出泡の上昇浮力により水中に混入している単位質量の軽い成分であるアンモニア性窒素などはその勢いで上昇し水面で泡となって弾け空気中に放出されるのです、一方質量の重い不純物質は氷の成長表面の上を少しずつ氷に持ち上げられ、気泡は互いに連鎖する性質がありスジなどをともなって、やがて氷の結晶に覆いかぶされてしまいます、角氷の下部にたまに見られる針状の気泡です。 これからも解るように、エアーの吐出圧力、吐出量と言う事が重要となってきます。 氷が厚くなるにつれて排出された不純物は原料水の方にも溶け込みづらくなり不純物残留濃度が高くります。これと同時に氷厚が増したことによって、氷の熱伝導率が悪くなり、氷結速度が遅くなってきます、この時点で製氷開始後約20時間で約80kgの氷がすでに出来ています。そこで、これまでの氷缶の中心部に残っている水を排出し、新しい水を注入するわけです。この水はこれまでに出来た氷の壁と融合し熱の交換により急速に水温を低下させ製氷を続けます。 製氷が進み中央の未氷結の部分が約5cmくらい迄になったらエアーパイプが抜き取り更に製氷を続けます、やがて氷缶内全てが氷結しますが氷中央部には白芯が出来ます。 現在はこの芯の部分も透明にする為多くの研究がなされています 目次へ |
| ■ 製氷技術 今日の製氷分野は飲食用、水産用、産業利用、工業用など多岐において利用されており主な製氷方法にも氷缶式、またその他に、流下式、セル式、オーガ式、ハーベスト方式などがあります。 これまでに多くの製氷工場で採用されている圧縮空気撹拌による氷缶式は昭和初期に日本に導入されてから、今日までにも製氷方法は殆ど変わらず、この装置で製造する角柱氷は、氷の中心部分に白い気泡芯が出来ますこのブラインによる氷缶式製氷での気泡芯除去は多様な方法が試みられています、例えば製氷前に真空脱気法や膜脱気法等を用いて原料水から溶存気体を除去した脱気水を用い気泡の混入を防ぐ方法や、原水を原水槽内に噴出させると共に槽内を真空化して原水のガス抜きを行う製氷方法、振動による撹拌法もありますが、いずれにおいても完全に脱気する事が難しいとされてきました。 そこでより気泡のない透明な製氷法として水流撹拌の方法があリます圧縮空気を吹き込まないで水流で原料水の撹拌を行うことにより透明氷、無気泡氷が出来ます。 製氷法は水流撹拌器を設置し、順次流量制御して水流量を少なくしてゆくため、氷体中心部に気泡帯状が無く空気中のホコリ塵や細菌等が入ることのない透明角柱氷を作ることがきるという効果があります。(筆者特願)なお、ブラインでの製氷の場合、氷サイズ比率を奥行1:幅2:高さ3(f)から1.5:2:3とすると更に有効でしょう。なお、従来法での水替えを省くには氷缶を約40%大きくして原料水量をあらかじめ多く入れておけばよいです、全製氷工程において不純物含有濃度を低く抑えるためです。 また、氷缶製氷において気泡芯の有り無しにかかわらず、角氷の表面にシワのような菌糸状模様が表れる場合があります、これは衛生上にはまったく問題ないのですが、美的に透明度を疎外する氷が出来る場合があります、つまり消費者が飲み物に氷を入れたときコップの中に白いスジ状が入った氷では美味しくないと見られます。これは日本特有の氷食文化の傾向でしょう、 これらの主な原因は製氷工程における原料水の過冷却により起こる場合が多いのです特にブライン温度と原料水温度差がより少ない場合、および結晶発生時に至るまでの冷却時間が長い場合に比較的起こりやすい現象です。一般的には過冷却現象は静止状態で冷却し0℃を過ぎてから突然の衝撃により起こると云われていますが、前述の条件下において圧縮空気撹拌の連続衝撃によっても起こります氷缶の中の原料水はブライン液により冷却されますがその過程において上記条件下で0℃になっても氷の結晶が発生出来ず−1℃位まで液体の中で状態変化していることが起こります、そこで突然熱エネルギーの変化を伴い水中に一気に氷の結晶が発生します。これらの一部が氷缶に張り付きその状況から通常製氷に入る為、これらが氷缶壁に付着し結晶体が胞子状として表れますこれらを解消し過冷却現象を防止するには困難で多くの科学者が試みています。過冷却防止を氷核タンパクによる法、また氷核活性細菌に付着させる方法もありますが一般製氷においては現実的ではありません有効な方法としては氷缶漬浸時から原料水の0℃に至る迄の間を電気的制御で解決する方法があります。 目次へ |
| <氷の想い> 私が青年であった頃、二代目として家業の氷店を見習いしながらもう一方バイトでバーテンダーをやっていた時期があった、そのクラブの先輩が最初に私に教えようとしたことはなんと氷の扱い方でした。小学校から氷をやって来た自分になにを今さらとは思いましたが教えを受けているうちに多くのことを学びました 氷を売ることだけの商売でしたが、その氷で酒を飲むお客様のことはまったくと言い程考えていませんでした。 まず、グラスに入れる前に冷凍庫から氷を出しておく?またグラスに入れた氷を水で洗う?不思議でしたが当時は何も考えず先輩バーテンの教え通り作りお客様にお出ししていました。しばらくして私が氷屋を生業として氷に深く興味を抱く頃になってから改めて当時の事が思い出されました まず ”グラスに入れた氷を水で洗う”という事ですが キンキンに冷えた白っぽい氷をグラスに入れそこにアルコールや水を注いだ場合、ピッと音がして氷が割れグラスを曇らせていかにも冷たそうなドリンクが出来上がります。しかし、これはいけないと言うことでした。 まずグラスに入れた氷を少しの時間於いておきます。氷のてっぺんの角が少し光る位までです、そのタイミングを見てグラスに一杯の水を入れて氷だけを押さえて水を捨てます 氷は冷凍庫から出してすぐには空気中の水分が氷に集まり吸着して真っ白くなります せっかくの不純物の少ない氷の表面にこれらをくっつけてしまうのです この空気中の水分や不純物を凝固させたモノを洗い流すのです。氷の温度を−6℃位になります。そしてグラスの水気を良く切ります。つぎに酒類を注入し、また水割りの場合はミネラルを足してお客様に供出します。きらきらに光った美しい飲み物が出来上がりました。 また”グラスに入れる前に冷凍庫から氷を出しておく”と云うことは氷を−6℃位になるまで待つと云うことです、高級クラブに行って桶に氷を入れてカウンターに置いている光景を見たことがあるかと思います、まさに理にかなった方法でそれを実行しているわけです。 ここで@キンキンの氷で作った水割りと、A前述の方法で作った水割りを比べてみて下さい @はグラス全体の結露が多く中身は曇って見えません。一方Aの方法は氷が光り輝き、それに反射してアルコール類も光って写るのでまさにお客様に至福の輝きを提供出来るのです 一目瞭然です一度お試し下さい。 私は妻にこの作法を伝授しおもてなしをしています、訪問客には”やはり氷屋さんの氷は素晴らしくキレイだね”と云われますが決してそうではないことがおわかりでしょう 目次へ |
| -------------------------------------------- イマセキ氷技術研究室 今関靖將 |
「純氷ニュース掲載」 CMより
