「摩周湖」の舞台を訪ねる

(CDのジャケット写真と同じ場所から撮影)

 

摩周湖は世界第二位の透明度を誇るカルデラ湖である。水深は212mと深く、周囲から

流れ込む川が無いため純粋に雨水がたまっただけの湖であり、透明度が高いのはそのため

である。またそれゆえにプランクトンの発生が少なく、生き物にとっては住みにくい湖である。

また、前述の通り純粋に雨水のみがたまっているという特徴ゆえ地球環境のバロメーターとしても

注目されている。摩周湖の魅力はなんといってもその湖面の美しさであろう。天気によってその色を

変化させる湖面は何時間見ていても飽きないものだ。実際わたしは最長5時間ほど眺めていたこと

がある。また特に早朝と夕方が美しいのだ。摩周湖ユースホステルに宿泊したとき摩周湖日の出ツアー

に行ったが、第3展望台からの日の出は美しいをとおり越して神々しい感じがしたものだった。さて、

第一展望台のレストハウスでは以前滝平二郎の切り絵みたいなスライドでカムイシュの悲しい言い伝え

の物語を上映していた。しかし、最近は摩周湖の自然の映像に変わってしまって昔のほうがよかったのに

と残念でならない。摩周湖はだいたいの人がこの第一展望台から湖面を眺めておしまいであるが、この他

に第三展望台、裏摩周展望台がありそれぞれに良さが違う。せっかく来たのなら第一だけでなく他の場所も

(湖面に映えるナナカマド)

 

行って見てほしいものだ。さて「霧の摩周湖」といわれる通り摩周湖は霧のメッカだ。おみやげに

「摩周湖の霧」という缶詰があるほどだ。特に観光シーズンの夏は霧が良く発生し、見えない日の

ほうが圧倒的に多い。そんなことから「はじめて摩周湖に行って湖面が見えた女性は結婚が遅くなる」

という言い伝えがあるほどだ。ただ、霧の状態は刻一刻変化するので我慢して1時間ほど粘っていれば

結構見えることもあるのだ。観光バスだとそこのところが融通が利かないので、霧の中で摩周湖という

看板をバックに記念撮影して帰ってしまう。大変もったいないことである。摩周湖のお勧めはやはり秋だ。

一番晴れる確率も高いし紅葉も素晴らしい。10月の第1週が見頃なのでだまされたと思っていって欲しい。

絶対損はしないと思う。

(全面結氷した摩周湖)

 

さて、秋とともに素晴らしいのが冬だ。湖面が全面結氷した摩周湖の美しさは見た人でなければ

わからない。ただ寒いのでよっぽど準備していかないと長時間粘れない。上の写真のときは最初は

湖面が見えなかったのだが2時間粘ってほんの一瞬(5分ぐらい)の晴れ間を捉えたものだ。冬は

観光バスも少ないし、天気さえ良ければ展望台独り占めで最高だ。最近は地球温暖化の影響か

全面結氷する年が少ないとのことだ。

 

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