管絃学法(1953,1968)
音楽之友社刊 上巻('68増補) 13,200円
下巻 9,500円
「管絃楽法」は音楽作品ではないのだが折角大枚はたいて買ったので
勿体無いからサイトにも載せることにした。私は高校時代すこし作曲
の勉強をかじったことがある。かじったといってもたいしたこと無い
のだが、高校の音楽の先生が佐藤一夫先生といって音楽之友社の高校
の音楽教科書の著者だった先生で、由良一夫というペンネームで作曲
もする人だった。その先生に作曲のイロハを習ったのである。ただし
別にすごいことを習ったわけではない。コールユーブンゲンという声
楽の教則本をご存知だろうか。それに載っている曲を一曲ずつ分析し
ていくだけのことだったのである。分かりやすくいえば英語の文法と
同じ要領である。「この曲は単純すぎてだめだ」とか「この曲は凄い
展開だ、名作だ!」とかいちいち分析していくのである。それでとり
あえずそのほかの勉強として伊福部の「管絃楽法」が高校の図書館に
置いてあったので、ずっと借りて勉強したのである。図書館には上巻
しかなくしかも第一版のものすごく古い本だった。結局高校二年の一
年間、その本は私の手元にずっとあることになるのだった。それで一
応卒業試験とのことで高校二年の秋に曲を一曲作らされた。ただせっ
かく管絃楽法を通読したものの提出した曲はピアノ伴奏の歌曲だった。
私の貴重な作品は多分、高校のオーケストラ部の楽譜戸棚の中に眠っ
ているはずだ。さてこの「管絃楽法」、オケやブラスをやっている人
だったら音楽の専門家でなくても読む価値のある本だと思う。試しに
自分の楽器のところだけでも読んでみることをお勧めする。