ラウダ・コンチェルタータ(1979)

@ 山田一雄=安部圭子  新星日本交響楽団  FOCD3222 1979.9.12

A 石井真木=安部圭子  新交響楽団 TYCY5424-25 1993.9.7

 

 

ラウダ・コンチェルタータとは伊福部自身の言葉によれば「司伴楽風な頌歌」

という意味だそうだが、これだけではよくわからない。司伴楽というのは多分

音楽用語で古い格式のある様式を指すのだろうか。頌歌とは神仏を褒め称えた

歌という意味(漢語林)だそうだ。どちらにしろ正しい意味を知っている方が

いたら教えていただきたい。この曲は昭和54年に作曲されその年の9月に

初演された。たしかその年の10月か11月にFM−NHKで放送したのを

聴いた覚えがある。伊福部の曲はなかなかラジオでやらなかったので貴重な

放送だったのだ。@はそのときの演奏である。演奏は2種類あってマリンバ

独奏は両方とも安部圭子である。Aは新響の海外演奏旅行でのライブである。

現在この曲の録音はこの2種類だがお勧めは山田=新星だ。録音、演奏とも

にAより秀でている。まずマリンバの演奏が鮮明だ。演奏も冒頭部分の緊張感、

終結部の興奮度など山田ならではの名演だ。全体的な躍動感も素晴らしい。

@とAでは独奏パートが全く違う曲のように私には聞こえてしまう。やはり

録音のせいだろうか。マリンバという楽器自体私はあまりなじみがなかったが、

この曲のおかげで身近に感じられるようになった。その後吹奏楽部の演奏会で

どこかから借りてきた実物にお目にかかったが、どうやったらあのような

超絶技巧な演奏が出来るのか不思議に思ったものである。安部圭子はほかにも

現代日本作曲家のマリンバ曲をリリースしている。

 

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