マーラー 交響曲第2番
Symphonie Nr.2 c-moll
私のマーラー入門曲。中3の春にラジオで聴いたのがマーラーとの出会いである。当時祖母が脳溢血で生死の
境を彷徨っていた最中で、「死」というものがかなり身近に感じられたタイミングでの出会いであった。合唱
の迫力よりも最後の3種類の鐘が非常に印象的だった。もう30年も前の話しである。話しは変わるが、今回
面白いことがあって、いつもCD鑑賞は夜中に聞いているのだが、1番の時にはどんな大音量でも起きてこな
かった子供がこの曲の5楽章最後のところで「なんか女の人の声がするよ〜」といって起きてしまい妻から早
く寝ろと何回か怒られてしまった。どんな場合でも女の声はよく通るらしい。あと今回鑑賞にあたって歌詞の
日本語訳をスコアに書き入れて聴いたのだが、30年たってあらためて感じたのは、歌詞のメッセージが直截
的でもう少し哲学的な表現のほうがよかったのではと思った。ドイツ人的にはこの歌詞はどうなんだろうか?
一度聞いてみたい気がする。
お薦め度 |
ジャケット |
演奏者 |
ちょっとひとこと |
★★★★★ |
テンシュテット
北ドイツ放送響 |
荒々しい冒頭から圧倒される。気合い入りまくりの超熱演。2楽章も美しすぎる。合唱も素晴らしく、特に男声は不気味社のアカペラを聞いているような大迫力。文句なしのベストワン |
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★★★★★ |
小林研一郎
チェコフィル |
コバケンスペシャルといっていい熱演。1楽章は小気味いいテンポでかつドラマティック。 3楽章は攻撃的な演奏。最終楽章は合唱が入ってからテンポが重くなるが粘着質で充実した名演。 |
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★★★★★ |
小澤征爾
ボストン響 |
全体的に録音がいい。1楽章はメリハリのあるていねいな演奏。5楽章前半はテンポが軽快。合唱の出だしがかなり遅く抑制的だがクライマックスに向かい盛り上がり最後は大爆発して劇的に終結する。 |
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★★★★★
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メータ
ウィーンフィル |
昔からの愛聴盤。1楽章はテンポが軽快でちょっと深さ不足の感があるが、中間楽章のテンポがよく特に3楽章は劇的。5楽章前半部は迫力充分。最後の合唱もクリアーで独唱陣と男声の出来がいい。全体的にオケの上手さが光る。 |
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★★★★ |
キャプラン
ウィーンフィル |
全体的に思い入れたっぷりで情緒的演奏。聴いていてかなり疲れる。手抜きがなく細部にまで凝りに凝った演奏。復活おたくの真髄を堪能させてもらった。合唱が入ってからの録音が平板ですこし残念だった。 |
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★★★★ |
アバド
ウィーンフィル |
骨太な演奏で非常にゆったりとした音楽づくり。中間楽章も非常に美しい。最後は合唱は素晴らしいが独唱陣がすこし弱く残念。フィナーレは非常に感動的。CSO盤とはかなり趣きが異なる。こちらの方が私は好き。 |
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★★★★ |
小澤征爾
サイトウ記念オーケストラ |
全体を通して技術的に完璧な演奏。非常に高水準。1楽章はテンポが小気味よくしかも迫力あり。3楽章は緊張感あふれる演奏、原光も味わい深い。5楽章前半も飽きのこない演奏だがクライマックスの合唱が若干弱く残念。 |
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★★★★ |
アバド
シカゴ響 |
30年来の愛聴盤。演奏は完璧で非常に優等生的な名演だが、すこし線が細い感じがありもうちょっと骨太感が欲しいところ。アルト独唱と合唱陣がよく、5楽章前半の金管も素晴らしい。30年たっても色褪せない名演。 |
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★★★★ |
バルビローリ
ベルリンフィル |
全体的に緊張感あふれる厳しい演奏。録音が悪いのが非常に残念。特にソプラノのシュターデルの大絶唱が素晴らしく最優秀歌唱賞もの!演奏的にはテンシュッテット/NDRと双璧 |
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★★★ |
ショルティ
シカゴ響 |
細部までクリアーな録音。当初この録音が出た時は旧盤のロンドン響盤と比較するとかなりあっさりしている印象があった。ロンドン響のLPがどっかにいってしまって今回ちゃんと聞き比べが出来なかった。全体的に駆け抜けるような演奏でクライマックスは非常に壮大 |
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★★★ |
シャイー
ロイヤルコンセルトヘボウ管 |
交響詩「葬礼」付きの貴重な録音。全体的にゆっくりめで骨太な演奏。アルト独唱が若干弱くて残念。フィナーレは堂々とした演奏。 |
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★★★ |
バーンスタイン
ニューヨークフィル |
聴き比べした32種類の演奏の中では最長の演奏時間。かなりゆっくりした演奏だが緊張感が全体的に溢れているため気にならない。合唱も雰囲気が素晴らしくて感動的だがルートヴィヒの独唱が4,5楽章通じてかなりいまいちで非常に残念。 |
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★★★ |
マイケル・ティルソン・トーマス
サンフランシスコ響 |
金管が素晴らしい。非常にドラマティックな音楽作りで堂々とした演奏。SACDだが普通のCDプレイヤーで聴いた。 |
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★★★ |
ハイティンク
ベルリンフィル |
全体的に高レベルな演奏。1楽章はかなりゆっくりだが細部にまでていねいな演奏。2楽章はまったりとした気分にさせてくれる演奏。最終楽章は雄大でスケールの大きな表現。 |
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★★★ |
ギーレン
南西ドイツ放送響 |
原光の独唱が出色の出来。5楽章も金管が素晴らしい。ただ、合唱がきれいすぎでラトル盤同様透明すぎる。きれいに唄いすぎるとかえって薄っぺらな印象を持ってしまうのだが、こう感じるのは私だけだろうか。1楽章は堂々として引き締まった名演。 |
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★★★ |
ブーレーズ
ウィーンフィル |
全体的に演奏の質は高いが非常に冷静というかお上品な感じの演奏でもの足りない部分も多い。 |
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★★★ |
シノーポリ
フィルハーモニア管 |
1楽章がかなり速くあっさりした演奏で非常に意外。クライマックスは雄大で堂々としているが全体的には平凡な感じ。 |
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★★★ |
ベルティーニ
ケルン放送響 |
1楽章は意外とゆっくりペースで堅実で常識的な演奏。全体を通して盛り上がりに欠けよく言えば抑制的、悪く言えば中途半端な演奏。最後の鐘がもの凄いので一聴の価値あり。 |
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★★★ |
ラトル
バーミンガム市響 |
1楽章は起伏が激しい演奏。2楽章はとても美しい。最後の合唱がとても個性的。非常に透明感があり美しいのだが、ちょっと復活の合唱のイメージとはかけ離れている感じがした。もっといろんな思いを飲み込んだ重みのある合唱がこの曲の真骨頂だと思うのだが。 |
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★★★ |
ジンマン
チューリッヒ・トーンハレ管 |
2006年最新録音。音符の処理が独特。合唱がぶつ切りな感じで独唱も今ひとつの出来。 |
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★★★ |
クレンペラー
フィルハーモニア管 |
前半が素晴らしい出来なのに対して4,5楽章が今ひとつ、息切れした感じでとても残念。前半はドラマティックで荘厳。原光は淡白であっさりしすぎ、5楽章前半はかなりくどくてもたれる。 |
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★★
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スイトナー
ベルリンシュターツカペレ |
1楽章はかなりゆっくりでテンポにしまりがない。2楽章以降は一転して速いテンポで駆け抜けていく感じ。合唱のアンサンブルがすこし変でオケとのコンビネーションも今ひとつ。音色が渋いだけに残念。 |
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★★ |
セーゲルスタム
デンマーク国立放送響 |
前半はかなり遅くていらいらする。最終楽章は一転して軽快なテンポでクライマックスは堂々として重厚で非常に感動的。 |
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★★ |
テンシュテット
ロンドンフィル |
テンポが全体的に重い。3楽章は非常に熱い演奏。合唱部分は遅くて間延びした感じ。 |
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★★ |
クレンペラー
バイエルン放送響 |
録音が古くて音が硬い感じがする。原光の独唱がピカイチ。5楽章は間の取り方が今ひとつでせっかちな演奏という印象がする。5楽章練習番号44のアルト独唱を女声合唱と一緒に歌っているのはこの盤が唯一だった。 |
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★ |
インバル
フランクフルト放送響 |
全体を通してテンポが異様に重くしかも迫力に欠けており面白くない演奏になっている。 雑な部分もかなり見える。 |
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★ |
バーンスタイン
ニューヨークフィル |
前半は非常に劇的な演奏だが、後半2楽章が今ひとつ。原光はうわべだけの演奏という感じがするし5楽章の合唱、独唱もよくない。若いせいなのか地に足がついていない感じを受けた。フィナーレのオルガンは一番凄い。 |
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★ |
アバド
ルツェルン祝祭管 |
ライブ録音だが全体的に演奏が雑な印象を受けた。特に最後の合唱は男声と女声のバランスが悪い。非常にアグレッシブでたたみ掛けるような演奏だが悪く言うとせわしない落ち着きのない演奏に映る。 |
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★ |
クーベリック
バイエルン放送響 |
聴いた中では最速の1時間16分。1楽章は非常に威厳がありいかめしい面構えの演奏といった雰囲気。後半は独唱の出来が悪くクライマックスも冒頭のような重々しさがなくて不満の残る終わり方。 |
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★ |
ワルター
ニューヨークフィル |
平凡な演奏という印象。独唱が味わい深くていいのだがなにせ録音が古く最後のクライマックスはまったく合唱が聞こえず独唱しか聞こえなかった。 |
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★ |
マゼル
ウィーンフィル |
基本的に遅い。テンポに一貫性がなく最後は急に速くなったりする。部分的に迫力のある演奏や美しい演奏もあるのだが、あくまでも部分的ということで… |
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×× |
朝比奈隆
大阪フィル |
全体的にオケが下手すぎ。細部の表現が雑だし音楽の流れが悪すぎて聴いていてイライラしてくる。 |