伊福部昭新譜情報
交響譚詩を収録。この盤はだいぶ以前より図書館等の公共施設用として
リリースされていたようであるが一般用として購入できるようになったのは
つい最近だと思うので新譜としてあげさせてもらった。
1943年の録音なので録音的にも技術的にも今ひとつというのが正直な感想である。7枚組みで
伊福部作品はこれ1曲なので購入をためらう人も多いのではないだろうか。
幻の作品がついにリリースされた。全3楽章30分弱の大作である。
3つの楽章の中では1楽章が一番特徴的。シベリウスを思わせる
オーケストレーションで我々を遥か北方の異国へ誘う、そんな音楽
だ。残りの2楽章は月並みで想定の範囲内という感じ。それでも企画
された皆様に敬意を表したくなるそんな1枚ともいえる。オーケストラ
ニッポニカも熱演しており深井史郎の作品と共に非常に聴き応えの
ある充実したアルバム。
世界初録音の「プロメテの火」は
50分を超す大作。聴き応え充分で圧倒されました。素晴らしいです。ぜひ聴いてください。オーケストラ版を聴いたことが
ないので比べようもありませんが、ピアノ2台でも迫力充分です。技術的にも
完璧と言っていいでしょう。リトミカもピアニスト3人の息がぴったりの名演です。
山田氏はこの曲を完全にものにしましたね。こうなるとちゃんと練習してくれる
プロオケとの録音もぜひ実現してほしいところです。若杉
=小林盤という不朽の名演奏を超える盤の誕生も夢ではないかもしれません。
ピアノ作品集第1集ということで「火の歓喜」、「二つの性格舞曲」という初録音
の曲がはいった意欲的アルバム。ピアノ組曲は今ひとつでしたが初録音の2
曲は迫力のある演奏で聴き応え十分でした。ピアノ組曲も連弾に編曲し直せ
ば面白いかもと思いました。リトミカはアマオケでこのレベルなら大健闘かな
という水準だと思います。メインがショスタコだから練習はかなりきつかったの
では?第2集も出るそうで期待してます。
ギタリスト哘崎考宏氏の伊福部門下生の作品ばかりを集めたギター作品集。
伊福部の影響がストレートに分かる作品も多く非常に面白い1枚です。
特に田中修一、堀井友徳の作品が聞き応えがありました。踏歌は伊福部昭
所有の「ラウテ」を使用した貴重な録音。伊福部の書斎の写真には必ず写って
いる珍しいかたちをした楽器で、これの音を聞くことが出来るだけでも価値の
あるアルバムである。音色はギターと比較してかなり複雑で奥が深い。
発売がかなり遅くなりやっと出たかという感じ。全体的には聞き応えのある
アルバムに仕上がっています。ヴァイオリンも非常に高水準な演奏で原曲
とはひと味違った楽しみ方の出来るアルバムです。ただどうしてもオーケス
トラ伴奏と比較してしまい、例えば協奏風狂詩曲第二部の最終場面などは
迫力不足の感が否めませんでした。あとヴァイオリンが力みすぎで音色が
一本調子な感じがしたのが気になるといえば気になる点でした。もうすこし
ホッとする音色も欲しいところでしょう。
伊福部昭没後
1年を記念して開かれた伊福部昭音楽祭のライブ録音。辛口ですがもし今後毎年開催するつもりならもうすこし演奏のレベルを
上げないと内輪だけで盛り上がっているように思われるのでは?と感じ
ました。日本組曲の最後などはやりたいことはわかるのですが、それに
演奏がついていっていないため全く共感できませんでした。タプカーラも
無難な演奏ではありますが、すこし雑な印象。銀嶺の果てがこの中では一番よかったです。
ギタリスト哘崎考宏氏のアルバム第2弾。前作より数段レベル
アップした感じです。伊福部氏編曲監修の交響譚詩は冒頭か
らもの凄い迫力です。トッカータと
箜篌歌は実際に作曲に使用された楽器を使っての録音とのことでこだわりも一級のアルバム
に仕上がっています。哘崎氏十八番のトッカータは単に流麗な
音楽作りでなくごつごつとした男の主張が感じられる名演奏です。
追悼盤の名に恥じないアルバムです。
新譜といっても1967年録音の音源の発掘盤。
若杉=読響というとリトミカの名盤コンビだがこ
の演奏も非常にレベルの高い演奏。テンポは
かなり抑えぎみですが迫力十分の名演です。
さすがに録音は古いなあという感じです。ヴァイ
オリンソロの音程がいまいちで残念でした。
芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのライブ盤。
弦楽オーケストラのための日本組曲を収録。ほかにも早坂
文雄の映画音楽のコンサート用編曲やピアノコンチェルト等
貴重な曲を紹介。演奏は全体的に粗い感じがしますが、団員
の熱い気持ちが伝わってくる名演です。七夕は音程、テンポと
も今ひとつでしたが、ねぶたの迫力は聴き応え十分な演奏です。
野坂恵子氏による最新作。舞踏曲サロメの単なるリライトではあり
ません。「ヨカナーンの首級を得て乱れるサロメ」は管弦楽のサロメ
より断然いいです。ここまで表現力が広がると筝の可能性は無限大
だなと感じました。
ご夫婦でギター奏者という上田夫妻の伊福部アルバムです。SF交響
ファンタジーはギター2本でどうなんだろうと最初思いましたが、意外と
いい編曲で違和感ゼロでした。トッカータは思わず「うまい!」と叫ぶほど、
流れるような名演です。
メニューへ