ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲

@  小林武史=井上道義  東京交響楽団        FOCD3143 1983.11.10

A  徳永二男=広上淳一  日本フィルハーモニー交響楽団  KIC179 1997.6.30

B  久保田巧=井上喜惟  アルメニアフィルハーモニーオーケストラ ALT013-4 1993.10.3

 

私が最初に聞いたのが「ヴァイオリン協奏曲第2番」だったので、ながらく第1番はどう

なったんだと気になっていた。第2番はFMで放送されたり、レコードが出たりで先にメ

ジャーになったが、1番の詳細が分からなかったのである。交響譚詩のスコアの最後に

掲載されている作品表に「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」という作品が

載っていたので多分それが「第1番」かと想像したものである。最初にこの曲に接したのは

1983年(昭和58年)の秋でFM−NHKから放送されたのを聞いたときである。このときの

演奏は多分@の録音と同じものだったと記憶している。個人的趣味からいうと2番よりはこの

1番の方が断然いいと思っている。特に第2楽章が良い。この曲の売りは「ゴジラのテーマ」だ

そうだが(どこかのレコード店でそう書いてあった)わたしは第2楽章がこの曲の「売り」だと思う。

特に再現部から終結までの部分、ヴァイオリン独奏にオーケストラがかぶさってくる部分が大好

きだ。さて演奏だがAの徳永=広上は冒頭のソロ部分から圧倒的な演奏だ。ヴァイオリンのソロ

は徳永盤がピカイチだろう。@の小林盤はライブ録音ということもあって演奏に粗さが目立つのだ。

録音もAの方が素晴らしい出来だ。しかし、前述した第2楽章の終結の部分の迫力は小林盤の

方が私は好きだ。第2楽章は全体的に小林盤のほうが白熱した演奏だと思う。どちらを選ぶか

は趣味の問題といったところか。ぜひ2つとも揃えることをお勧めしたい。

 

最近になってアルメニア日本音楽祭における実況録音盤が新しく加わった。これも冒頭から堂々

たる演奏で持っていて損の無いCDだ。一聴の価値は充分ある。

 

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