Der Weg
nach Bayreuth 10 おわりに
○ 祝祭劇場あれこれ
下の写真のように、床も木でできています。昔の学校みたいで懐かしいですね。
幕が終わると観客はこの床をどんどこ踏みながら拍手します。この床だけでも
歴史と伝統を感じますよね。あと空調機器はいっさいないので暑いときは暑い
です。扇子のほかに冷えピタシートなんか持っていくといいかもしれません。
あと、座席の配列は見ての通り横一列に並んでいます。なので、そこの列の全員が揃うまで
みんな立って待つのがバイロイトならではですね。5分前のファンファーレを聴いてから席
に着く方もいるので、早めに劇場内に入るとずっと立ちっぱなしです。
プログラムは劇場の外で販売しています。みなさんおそろいの制服で名札には喋れる
言語の国旗が表示してあります。ガイドブックは結構な厚さで€7.00なので新国立など
と比較しても安くてお得ですね。あとおみやげを売っている売店とかで嵩の張るものを
買った場合は劇場内に持ち込めず、外にあるアウトサイトコンテナに持っていきなさいと
指示されます。ワーグナーの胸像が置いてある広場があるのですが、その脇にスーパー
ハウスみたいなのが建っていて、荷物を無料で預かってくれます。利用者はそんなに多く
ないので、受け取り時も待たずにスムーズです。あと写真撮影は基本的にNGなのですが
幕間とかカーテンコールとかはみんな撮影していました。黙認みたいな感じです。ただ
さすがに係員のそばで写真撮ってた人は注意されていましたけど…
(公式ガイド€7.00 パンフ込) (各演目のパンフ €1.00)
○ お勧めする鑑賞方法
在独邦人の方は関係ないのでしょうが、普通の日本人ですと時差で頭がスッキリしていない
状態で舞台を見ることになります。せっかく一生に何回も来ることのないバイロイトですの
で、次のことをお勧めします。
1.必ずお昼寝をすること。
2.幕間には絶対にアルコールを飲まないこと。
3.幕間には食事もしないこと。
バイロイトの舞台は現地時間の16時開始です。日本時間だと23時なので通常ですとおねむ
の時間帯となるわけです。それで頭の調子が不安定なところに持ってきてアルコール飲んだり
腹いっぱい食べたりすると、絶対に寝ますね。今回も演奏中に何度かガターンと大きな音が
ホールに響いてましたけど、あれは多分観客がウトウトして膝の上の荷物を落とした音ですね。
ただ幕間が1時間もあるし、人が飲んでるビールや白ワインが美味そうに見えるんですね。私
もかなり昔ですがサントリーホールで調子に乗ってワイン飲んだら見事にその日のメインだった
マーラーの10番半分寝てしまったことがあります。それからは演奏会は絶対に飲まないことに
しています。コカコーラにミネラルウォーターも売っていますので幕間はノンアルでいきましょう。
ただし値段は€4.00とそれでもかなりの値段になります。
○ 席の良し悪し
私は指環がLinksの28列11番、トリスタンが同じくLinksの20列9番でカテゴリーだとB4の
€190.00という席でした。やはり席としてはカテゴリーAが一番いいのでしょうが、たとえば指環
ですと私の2つ右がA5というカテゴリーで€240.00と約5000円も違うのですが、舞台の見え方は
まったく変わりません、あとオケとか歌手の歌声はどの席でもよく聞こえると思います。カテゴリー
Aを申し込んでも必ずしも真ん中が取れるわけでもなく、逆に端っこだとカテゴリーBと大差ないと
いう感じです。トリスタンも2つ右の席がA4で€260.00なのでコスパから言うとB4の勝ちでしたね。
ただ今回の舞台はけっこう舞台下手(観客から見て左側)のはじで演技する場面があったので、端のB3,
B6だとちょっと観づらかったかもしれません。あとご夫婦で2席申し込んだ場合でもけっこう離れる
ケースがあるみたいで、並びで座っているご夫婦もいましたが、けっこうあさっての方向に連れが座っ
ているケースもありました。あまり配慮はしないみたいですね。
(2016年の値段表です。定期的に値上げしているようなので、ご参考までに)
○ おみやげ
小さいオルゴールが€7.00ぐらい、あとポストカードとかは安いですね。けっこうワーグナー
関係の本をたくさん売っているのですが、ドイツ語もしくは英語なのできっと買っても読まな
いと思います。私は絵本を買いました。たしか€23.00だったと思います。絵本といっても絵が
少くなく字ばっかりの絵本でした。あとレストランの入り口で売っている祝祭劇場の天井の装飾
と同じ柄のスカーフがお勧めです。値段は€100.00とかなり高いですが、置いてきた妻へのおみ
やげにしました。
○ もし次回行くとしたら
今年が指環の4年目なので、来年でカストロフの指環は終わるはずです。前回は2年
空けてから新演出が始まりましたので、順当に行くと2020年東京オリンピックの年に
指環の新演出開始となるのでしょうか。2017年はマイスターの新演出が開始されますね。
その代わりオランダ人が無くなります。指環終了後はローエングリンとタンホイザーの
新演出が開始でしょうか。もし今回と同様に6年後にまたチケットが取れたとしたら、
新演出の指環の3年目に当たりますね。そう考えると6〜7年に一度行くのがちょうど
いいのかもしれません。もし次回があるとするならば、ぜひマイスターとパルシファル
を観たいですね。マイスターは唯一自分で演奏した曲(前奏曲のみですが…)なので。
ということで、ここでバイロイト2016の旅行記兼観劇記を閉じたいと思います。
おしまいまでご覧いただき誠にありがとうございました。 (2016.09.04)