【GT管理に関する技術資料−2】

点検清掃に関する関連法規

  1.設置基準及び設置点検(年1回)は、建築基準法による。

  2.清掃及び維持管理(年2回以上)は、ビル管理法による。

  3.清掃によって搬出される汚泥(産業廃棄物)は、廃棄物処理法による。

  4.事業所より排出されるすいしつ水質基準は、下水道法・水質汚濁防止法による。

建築基準法によるグリストラップ(阻集器)の設置目的

  1.排水のため配管設備の機能を阻害するか、又は配管設備の損傷を防止するため。

  2.汚水から配管の閉塞を防止するため、油脂分等を有効に分離させ阻集する。

  3.容易に点検・清掃ができる構造とする。

廃棄物処理法との関連

  1.ビルから出る廃棄物は、一般ゴミ・し尿の一般廃棄物とビルピット汚泥等の産業廃棄物があります。(合併処理槽は一般廃棄物)

  2.GT清掃時に搬出される汚泥は、法令によって産業廃棄物の汚泥(有機性・動植性)に分類され、受篭内のゴミは、一般廃棄物として処分できます。

    3.排出事業者は、産業廃棄物の処理を産業廃棄物処理業者(収集・運搬許可・中間処理許可を有する者)に委託する場合、自ら廃棄物の流れを把握し、不適正処理の防止に努めなければ行けない。

ビル管理法の維持管理の内容

  1.排水に関する設備の正常な機能が阻害されないように、6ヶ月以内ごとに1回、定期に行わなければならない。(東京都指導4ヵ月以内ごとに1回)

  2.GT内部の異物(油脂分・残渣物)を除去し、清掃によって搬出する汚泥は、関連法令の規定に基ずき、適切に処理すること。

  3.定期的に機能の点検を実施し、必要に応じて補修等を行う。

「建物内における排水槽等の構造、維持管理に関する指導要網」

  1.受篭のゴミを使用日ごとに除去し、少なくとも7日毎に1回清掃を行うこと。

   2.使用日ごとに点検を行うこと。

  3.建築物の使用者は、清掃・点検に関する帳簿書類を3年間保存すること。

                      (東京都 昭和61年10月1日施行)

  東京都の「特定建物立ち入り検査」の実態からは、「排水管理」だけでなく、「設備の維持管理状況」の全体の項目中でも「厨房内阻集器の清掃状況」の指摘率毎年一番高く、テナント任せでは管理の徹底が不充分だと考えられます。

グリストラップ清掃の方法

  1.管理者の日常管理が上記事項のごとく徹底されていることが、まず基本です。

  2.バキューム車輌を使用する方法が一般的で車輌の使用が不可及び作業環境が難易の場合は、小型バキュームの使用や、手作業で行うことになります。 

  3.機能点検として、異物の混入、受篭・トラップの破損等の目視点検を実施。

  

下水道法における主な排水基準

  *一日50トン以上を排水する事業所、420u以上の食堂・レストラ ン等が対象。

  

      水素イオン濃度(pH)      5〜9

      BOD              600mg/リッター未満

      SS               600mg/リッター未満

      N−ヘキサン(動植物油)     30mg /リッター未満

  *上記の基準値を得られなければ、除外施設の設備及び改善を求められる。

グリストラップに流入する残渣物・油脂量

      業種   使用水量    残渣物     油脂量     油脂濃度

      中華   80L/食   5g/食     10g/食   300mg/

      洋食   80L/食   4g/食      7g/食   200mg/

      和食   70L/食   3g/食      5g/食   120mg/L  

  そば   50L/食  15g/食      3g/食    70mg/

                      (阻集器工業会の資料参考)

油脂分を阻集する自然浮上法

  1.厨房で使用された排水中の油脂分を、阻集器内で滞留時間をとり、排水温度を下げることによって、冷却・凝固させる。そして、油脂分は水より軽い為、分離・浮上し、阻集する。比重の重いものは、GTの低部に堆積する。

  2.GTは「できるだけ油脂分を阻集する」ものであって、「油脂分を処理する」ものではない。したがって、常時多量・高温度の排水を流入・高アルカリ洗剤など多用している管理者においては、祖集能力が低下しますので注意が必要です。

排水設備に設置の阻集器の種類

  1.厨房の設置のグリース阻集器、駐車場に設置のオイル阻集器、理容・美容室に設置のヘアー阻集器、歯医者等に設置のプラスター阻集器などがあります。