グリーストラップの浄化装置

 

              トラップマスタ−

    (バイオ・グリストロン)

  

   

 

製品説明書  

 

 

 

    

 

 

        

    

 

              株式会社 インサイト

 

 

 

 

    ―――― 目次 ――――

 

    

 

1.          グリーストラップ(グリース祖集器HASS)

 

 2. グリーストラップの維持管理(日本阻集器工業会)

 

3.   グリーストラップの基本構造

 

 4. 排水浄化の意義

 

5.          下水道への放流基準(東京都の場合)

 

 6. 装置本体(トラップマスタ−)の特長

 

7.  トラップマスタ−導入のメリット

 

 8. 微生物製剤について

 

 9. オゾンについて

 

 10.  機器構成

 

11.        定格・仕様

 

12.        営業顧客調査事項

 

13.        付録(用語集)

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

 近年 大気汚染、オゾン層破壊、海洋・河川の水質汚濁、生ゴミ・石油製品等のゴミ処理問題など、環境汚染が叫ばれ大きな社会問題となっています。

しかしながら現実の多くは、この環境汚染問題を直視して正面から立ち向かう社会状況には至っていないのが現状です。

このような状況下において私たち企業は、未来の地球環境を少しでも改善すべく厨房の水と空気の環境対策をテーマに、厨房環境整備の一環としてグリーストラップ(グリース阻集器)槽に貯留している、厨房排水の油脂類を浄化し悪臭の除去に優れた威力を発揮する新商品【トラップマスタ−】をご提案するにあたり、知識の向上と環境ソリュ−ションをお手伝いする厨房排水浄化装置のサポ−ト資料としてご活用下さい。

 

 

 

1グリーストラップ(グリース阻集器HASS

 

昭和51年以降、建設省告示(第1597号 排水トラップ・阻集器設置基準)により設置が義務ずけられているグリーストラップは、厨房からの排水や残さ物を一時溜めておく装置です。阻集器と分離層からなり定期的に阻集された残さ物,油脂分を回収し除去しなければならない構造になっています。設置すべきグリーストラップの構造・技術的基準についてはHASS217(空気調和・衛生工学会規格)に規定されています。

 

 

 

2グリーストラップの維持管理(日本阻集器工業会)

 

グリーストラップは「油」「ゴミ」を集める【阻集器】です。集まった油やゴミは金網、ひしゃく等で必ず除去してください。取り外した部品は必ずもとの位置に取り付けて下さい。

@バスケットの清掃は毎日1回

Aグリース(油)の清掃は1週間に1回

Bゴミ・残さ・の清掃は1ヶ月に1回

Cトッラップ内部の清掃は2〜3ヶ月に1回

上記の清掃をおこたると著しく阻集器の機能が低下します。(日本阻集器工業会)

 

 

3.グリーストラップの基本構造

 

第1層(金網かごで大きなゴミを受ける)

    排水溝を流れてきた厨房排水に混じっている大きなゴミは、まず第1

    に設置されたバスケット(金網カゴ)で受け止められます。

第2層(油脂分と汚物の分離)

    第2層では油脂分は上部(水面付近)に浮上し、小さなゴミや汚物(ス  

    カム)は、水中に浮遊するか低部に沈殿します。

3層(下水道に放流可能の水質)

    層内の下方の水(油脂分、沈殿物を含まない水)が排水管を通り下水 

    道に排出されます。

 

 

4排水浄化の意義

 

@生活環境・自然環境を守るためには、排水の浄化も不可欠といえます。

A給食施設、一般食店、ホテル、病院など、たくさんの人達に提供するところでは厨房排水を一旦グリ−ストラップに貯留し、ゴミと油脂分及び沈殿汚物(スカム)を分離して定められた基準以下の水質(下水道に流せる水の基準値)に処理してから放流する事が義務づけられています。

 

 

5.下水道への放流基準(参考・・・東京都の場合)

 

NO

検査項目

    内         容

 基 準 値

           

PH

水素イオンの濃度。PH7を中性として、酸性かアルカリ性かを判定する指数

PH 59

BOD 

生物化学的酸素要求量。(水質汚濁の指標として用いられる)水中の汚濁物質(主に有機物)が、微生物によって分解されるとき必要とされる酸素の量

600mg/g以下

SS

水中に存在する固形粒子の量。水の濁りの度合いを判定し、水質汚染の脂標として用いられる

600mg/g以下

ノルマルヘキサン

ノルマルヘキサンという溶媒に溶ける汚濁成分(主として油脂分)の含有量

30mg/g以下

 

 

6装置本体(トラップマスタ−)の特長

 

本装置はグリーストラップ槽内から発生する悪臭除去と、油脂類分解を主たる目的とし、それに伴う環境への相乗効果を最大限に求めた新装置です。

 

@業界唯一のオゾン・エアー・微生物酵素製剤・併用の特許製品です。

Aオゾン投入は微生物製剤の投入前に槽内を整える殺菌方式(塩素系洗剤などの残留塩素除去)を併用し微生物の効果を最大限に引き出します。

Bオゾン発生器は無電極管使用のため寿命が長い。

C業界唯一のポンプ・液容器・本体一体型の省スペース型です。

  C壁掛け・据置が可能で場所を選びません。

D抜群の即効性で油泥のくみ取りと掃除回数が大幅に減少

 

 

7トラップマスタ−導入のメリット

 

 @コスト削減(現在、GT槽を維持管理するための経費はどのくらいか?)

1)1週間に2〜3回の油脂分の掬い取り作業

2)掬い取った溜まった油脂分の産廃処理

3)1年に1〜3回のバキュームによる産廃処理(1回約5万円程度)

4)配水管等の詰まり1〜3年に1回は高圧洗浄(約10万円程度)

5)消臭および衛生管理維持費(毎月数千円)

6)浄化槽への負担金

A日常の清掃・維持管理作業の軽減と省力化

1) 槽内の油脂分解により生ゴミ受けカゴの目詰まり減少で作業軽減

2) 微生物酵素製剤の活躍で油脂分くみ取り作業の軽減

3) 微生物・酵素・により排水管の詰り減少

4) 微生物・酵素・により悪臭がなく消臭作業不要

B衛生管理

1) オゾン投入により殺菌効果と槽内環境を整える

2) 微生物酵素製剤・エアレーションにより悪臭の元の硫化水素・アンモニア等を食化

3) 槽内での害虫繁殖の防止と害虫で起こる食中毒等(レジオネラ菌・サルモネラ菌等)の予防効果の期待

4) 微生物が槽内・配管に住みつき悪臭がなくなる

C地球環境に対する社会的使命

 環境基本法(事業者は基本理念にのとっり、その事業を行なうにあたって 

 は、これに伴って生ずる煤煙・汚水・廃棄物等の処理その他の公害を防止 

 

 または、自然環境を適性に保全する為に必要な装置を講じる責務を要す                                 

 る。廃棄物の消滅と再生)により産業廃棄物業者に対する国の規制が最近 

 特に厳しく規制されています。

1) 強力な化学薬品等を一切使用していず本製品は自然界に存在する

微生物なので人体や環境に対して無害です

2) 槽内の微生物は流出して河川や海においても死滅しない限り油脂分を食化し続けるので環境保全においても有用

3)槽内から流出した微生物は浄化槽においても排水基準の改善に  

  も貢献しています

 

 

8.微生物製剤について

 

弊社仕様の微生物製剤は、ISO9002を取得した米国の微生物製造会社の製品を使用しております。

この会社では、米国に有る微生物銀行(ATCC :American Type culture collection)が保有販売しているバイオセーフティレベル1の安全で有効な菌種を純粋培養させ、常に安定供給出来る体制を取っております。

製品には、タンパク質を消化する酵素(プロチアーゼ)、デンプン質を消化する酵素(アミラーゼ)、繊維質を分解する酵素(セルラ−ゼ)、そして油脂類を消化する酵素(リパーゼ)を生産するバチルス属を使用しています。

これらの菌種はそれぞれ純粋培養された後、混合し製品化されます。

本製品に使用されているリパーゼ生産菌は、油脂がリパーゼによって分解されて出来る脂肪酸に対して高い酸化力(ベーター酸化)により、早く炭素数の少ない低級脂肪酸に変え悪臭や排水を浄化します。

微生物添加により、水に溶けない炭素数の長い高級脂肪酸を、早く水に溶解する炭素数の少ない低級脂肪酸にする為にグリストラップ内に微生物の住家である『バイオフィルム』を形成させます。

バイオフィルムが形成されると悪臭は2週間以内に減少し、それとともに、動植物油脂や有機物も減少しドレインラインやグリストラップ内のメンテナンスを容易にします。

添加した微生物群は、15分ごとに増殖をくり返し、2日後には2192個に増えます。しかしながら、微生物の増殖は対数増殖なのでやがて減衰期を迎え死滅します。常に一定の菌体数を維持させる為に毎日添加させバイオフィルムの層を極力同じ状態に保つ事が重要です。

 

 

9.オゾンについて

 

1.オゾン濃度と人体の影響

0.020.05ppm  数秒で刺激臭を感じる。

0.10.3ppm  5〜10分位で鼻、喉に刺激が感じられ喘息患者の発生回数がる。

0.5ppm      上部気道に刺激

・ 1ppm      疲労感や頭痛等を感じる。

・5〜10ppm   脈拍増加、体痛、麻酔症状

・10ppm     人体に極度の影響を及ぼす。

・50ppm     1時間後で生命危険の状態になる。

 

 

2.殺菌・脱臭効果のオゾン濃度

.03ppm〜0.06ppm以上で有効

 

 

トラップマスタ−のオゾン発生装置からの出力は0.03〜0.6ppmで ホース内部を通過後水中に排出されます。

その後、水中の消滅分解は数秒で0ppmと成ります。従って日本産業衛生学会、及び、

空気清浄器技術基準の環境オゾン許容濃度は0.1ppm以下とされている濃度より極めて低い安全な数値です。

また時間経過の許容濃度に付いては国内での基準は無く、

米国労働安全衛生局の時間経過許容濃度は、15分以下では0.3ppm以下8時間交代

の週40時間労働では0.1ppm以下とされています。

 

 

 

3.オゾンによる品物の影響

オゾンは物に対しての浸透性は無く、物に当たれば壊れてしまいます。

 

 

4..オゾンの効果

オゾンはその強力な酸化力のため、主に殺菌、消毒に使用されています。

そのほかにも環境にやさしい物質ということで、脱色、脱臭、漂白そして有機物の分解など多方面にわたって利用が拡大しています。

このオゾンが有する酸化・分解力を利用した代表的な例が上下水の殺菌・漂白です。

 

こうした有機物を二酸化炭素と水に変えるオゾンの働きはほかにも半導体、産業排水、廃水処理、水族館、プ−ル、食品、病院などで活用されています。

 

 

@                    殺菌効果

室内空気中に、浮遊するバクテリアや落下細菌類、壁面や食品の表面等につく細菌類を死滅させ、清潔で爽やかな環境に変えます。外部から持ちこまれる雑菌の繁殖も防止し健康にも優れた効果を発揮します。

 

A                    消臭効果

室内空気中に漂う腐敗臭、カビ臭などの悪臭を消臭します。室内に漂うオゾンは、カビ菌や腐敗臭を殺菌するため悪臭の発生源を断つので非常に効果的です。

 

B                    有害物質の無害化

石油ストーブ等から排出される、一酸化炭素等を無害化させます。

       (CO+3⇒CO2+O2)

 

 

 

5.オゾン能力試験 

 団法人 新日本検定協会(平成1062日)による

 @脱臭能力

   60分後―――臭気強度 5⇒1

 A殺菌能力

   10分後―――大腸菌・黄色ブドウ球菌 500,000 ⇒ 0菌数(死滅)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.機器構成

 

1  メイン制御部

5  エアーコンプレッサー部

2  タイマー部

6  ランプ表示部

3  オゾン発生部

7  動作スイッチ部

4  タンクユニット部

8  電源部

 

 

 

 

11.定格・仕様

 

入力電源  100V50/60Hz  

液タンク   5 リットル

消費電力  60

エアーポンプ 30L60L/分

外形寸法 H350W410D175 

オゾン濃度  0.1ppm以下

重量    15kg(液含み)

設置タイプ  据置・壁掛兼用

材質    ステンレス製軽防水

テスト機能  単独動作SW

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12.営業顧客調査事項

 

@1日の排水量はどれくらいか

A1日の排水量に時間的変動はあるか

B排水量が季節的に、また曜日に大きく変動するか

C排水中の主な汚泥成分は、脂肪・タンパク質・でんぷん、のどれか

D排水の温度およびpHはどのくらいか

E排水のBOD・ノルマルヘキサン抽出物質濃度はどのくらいか

Fグリストラップ(以下GTと略称)の大きさ・構造・水深さは

GGT後の排水処理設備(貯留槽・合併浄化槽)を確認する

HGTの清掃頻度・方法・排水管の詰まりについて聞きこみ調査

I使用洗剤について確認(洗剤・殺菌消毒剤・床洗浄剤・漂白剤)

J生ゴミカゴの清掃頻度を確認と定期的清掃の徹底をお願い(重要)

                       

13. 付録(用語集)

 

BOD(生物学的酸素要求量)

排水や河川の水などの有機物量を示す単位で、排水を20℃で5日間放置したときに水中の好気性微生物の増殖または呼吸作用によって消費される溶存酸素量を意味する

COD(化学的酸素要求量)

排水の有機物および還元性無機物の量を示す単位。排水を硫酸酸性の条件で、沸騰水中に30分間放置させたときに消費される過マンガン酸カリウムの量を測る。

pH(水素イオン濃度指数)

水素イオン濃度の逆数の常用対数として定義され、酸性、アルカリ性を示す指数。(基準値pH5〜pH9)

SSsuspended solids,浮遊物質)

水の濁りの数値を示す。水中に浮遊する粒子で、水に濁りや色を与える原因となる1ミリ〜2ミリの粒子をろ紙でろ過したときの質量をいう。

MLSSmixed liquor suspended solids

槽の浮遊性微生物のこと(mg/l)。中身は細菌、微小動物、生物性、無機性のもの

DO(溶存酸素量)

生物の活動状態や成長のための酸素の要求量。

ノルマルヘキサン抽出物質含有量

油の量を表現する数値。排水中に含まれる比較的揮発しにくい鉱物油、動植物油、グリース等の不揮発性油脂(油状物質)の量である

スカム

浮かんでいる物。オイルボールのようなもの。

スラジ

沈殿しているもの。残さ物等、沈んでいるもの。

スライム

粘液を排出する細菌やカビなどの微生物が、用水中の配管や排出溝壁に付着し、これに土砂や鉄錆などが混入したものを言う。

バルキング

好気性菌が用いた排水の活性汚泥処理の際、糸状細菌のsphaerotilusが多量に発生して汚泥が沈殿しずらくなることをいう。

植物連鎖

川や海などでは色々な生物群が生息している。この生物社会でまず溶存有機物を細菌が食べ増殖し、さらに原生動物が細菌を食べるというような捕食の連鎖を言う。