記事タイトル:脳梗塞にcyclosporineが有効! 


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お名前: 鎌谷直之   
勝又先生、ありがとうございます。

心筋梗塞にも効くんですかね。
[2002年11月21日 12時57分4秒]

お名前: 勝又康弘   
やはり、カルシニューリンは、神経細胞に多く存在するようです。

しかし、CyAについては、神経毒性や、眼ベーチェットにおいて神経ベーチェットの誘発
が指摘されており(その機序については私は知りませんが)、一方でCNSループスや神経
ベーチェットに対する有効性の報告はなく、本日の回診でも否定的な回答をさせて戴き
ましたが、このように治療に繋がる可能性もあるのですね。

尤も、これはおそらく、虚血性脳梗塞の超急性期〜急性期において、細胞死=脳梗塞の進
展を阻止するということなので、CNSループスや神経ベーチェットに対しては、やはり脳
卒中様に発症した場合に即座に使用するのでなければ、この機序による効果は期待でき
ないと思います。それとも、慢性炎症に伴って徐々に脳細胞が死滅する場合にも効くの
でしょうか?

また、神経保護作用(?)によって一時的に神経細胞の細胞死を抑えたとしても、その部位
の脳血液潅流が回復しなければ、何れ虚血死に至るように思われますので、これ単独で
はなくt-PA製剤やインターベンションなどの追加/同時治療も必要な気がします。

それにしても、単なる動物実験だけでなく、「チームはメーカーと共同研究。免疫抑制
作用は弱く、神経細胞保護作用が強い物質も開発した」とは驚きで、ラジカットですら
あっという間に広まったところをみると、たとえ劇的な効果がなくとも、すぐに脳梗塞
の標準的な治療法の一つとなって莫大な利益を生む可能性があります。

新聞記事だけでなく、きちんとした研究報告が知りたいところです。
[2002年11月20日 23時8分17秒]

お名前: 勝又康弘    URL
脳梗塞(こうそく)の治療に二つの免疫抑制剤が有効なことを東京医大などの研究チー
ムが動物実験で確かめた。脳梗塞になると神経細胞が死んでいくが、従来は細胞死その
ものを止める薬はなかった。ところが実験では細胞死を抑えたという。ともに臓器移植
などで使われている薬で、チームは臨床応用につなげたい考えだ。 

 チームは、同医大の内野博之講師や東京都臨床医学総合研究所の芝崎太室長ら。 

 免疫抑制剤は、カルシニューリンという酵素の働きを抑える。この酵素が細胞死にも
かかわり、しかも神経細胞に多くみられることからチームは免疫抑制剤が、脳梗塞の治
療に使えるのではないかと考えた。 

 脳の血流を止めて脳梗塞を起こしたネズミに免疫抑制剤のシクロスポリンAを与える
と、ほぼ100%細胞死を抑え、タクロリムスでは50%ほど抑制した。何も与えない
ネズミでは細胞が死んでいった。 

 シクロスポリンAには別のたんぱく質の働きを抑える効果もあり、この差が出たとみ
られる。 

 チームはメーカーと共同研究。免疫抑制作用は弱く、神経細胞保護作用が強い物質も
開発した。 

 芝崎室長は「細胞が死ぬ仕組みは心筋梗塞などともかかわる。こうした薬を臨床応用
につなげたい」と話している。
[2002年11月20日 22時47分33秒]

お名前: 勝又康弘   
本日の回診で、CyAの脳に与える影響について話題になりましたが、実に時期を得たこと
に、今朝の朝刊に次のような記事が載っていました。
[2002年11月20日 22時47分3秒]

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