記事タイトル:日本内科学会雑誌に 


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お名前: 古谷   
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
最近の進歩
1998年von Willebrand因子(vWF) 特異的切断酵素の活性が、急性TTPで低下し、活性を阻害す
るIgG抗体、すなわち自己抗体が発見された。2000年にはチクロピロジン関連TTPでも同様の阻
害抗体が見出された。
診断 
vWFのモノクローナル抗体を用いて、切断酵素で切断されなかったvWFを定量して、血漿中の酵
素活性を測定し、診断することができるらしい。(現在、実用化されているかは書いていなかっ
た)
治療
新鮮凍結血漿輸中で酵素の補充、血漿交換で自己抗体除去ができるのでともに有効
膠原病に合併したTTP
SLE 
TTPでは精神症状の変動性が特徴的で大きな日内変動があり、中枢神経ループス、ステロイド精
神病と区別できる
SSc
しばしば強皮症腎と間違えられるが、TTPは血小板減少、溶血があるので区別可能
すなわち血小板を定期的にモニター、少しでも低下傾向があればハプトグロビン測定、わずかな
溶血があれば血漿交換とのこと
[2001年9月4日 21時30分22秒]

お名前: 中島 亜矢子   
ムチランス型慢性関節リウマチ

定義:1913年、慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)患者で、指関節が破壊され
指が短縮し、双眼鏡の筒のように伸縮する変形がopera glass handと報告された。以降、
このような著しい関節破壊を伴う関節炎がムチランス型関節炎(arthritis mutilans)もし
くはムチランス型RAと呼ばれている。RA以外にも乾癬性関節炎、強直性脊椎炎などでもみ
られる。

臨床像:
・ 通常10年以上の病歴を有するRA患者に発症する場合が多い。
・ 臨床経過が進行性である。
・ 薬物治療に対しても抵抗性のものが多い。
・ 頚椎や股関節、膝関節などの荷重関節が侵され、ADLの極端な低下をきたすことも少な
くない。
・ 顎関節や輪状披裂関節の破壊が進行すれば、睡眠時無呼吸症候群を合併することもあ
る。

X線像:代表的なpencil in cap型は母指IP関節、MP関節に多くみられ、断節型は母指を除
くPIP関節に多い。

病理組織:滑膜組織のみならず、骨髄内にも破骨巨細胞の集簇と旺盛な骨新生像を認め
る。

治療:ムチランス型RAと診断されれば、ステロイド薬とメトトレキサートを中心とした免
疫抑制薬との強力な治療が重要。下肢関節においては、骨破壊と著明な動揺性に対し、人
工関節置換術が選択されることが多い。しかし、その後も骨萎縮や骨吸収のため、再置換
術を余儀なくされることも少なくない。
[2001年8月31日 20時58分49秒]

お名前: 中川美紀   
成人Still病とARDS

成人Still病とARDSの合併
特徴:成人Still病の疾患活動性が高い時期にARDSを合併。多くの例でほ
   ぼ同時期にDICを合併している。
治療:ステロイド大量療法が有効
共通の病態:TNF-a, IL-1, IL-6, IL-8などのサイトカインが過剰になり、       
   その刺激により好中球エラスターゼや補体系、活性化酵素、PAFなど    
   が活性化し、種々の傷害をひき起こす。

ARDS
病態:肺毛細血管内皮傷害と透過性の亢進。
治療:ステロイドの有効性については否定的な意見が強い。
   NO吸入療法、NOドナー薬、好中球エラスターゼ阻害薬、活性酵素   
   スカベンジャー、人工サーファクタント、エイコサペンタエン酸、接
   着分子阻害療法や抗サイトカイン療法が一部臨床で用いられているが
   確実に有効なものはまだない。
[2001年8月31日 16時10分44秒]

お名前: 中川美紀   
成人Still病とARDS

成人Still病とARDSの合併
特徴:成人Still病の疾患活動性が高い時期にARDSを合併。多くの例でほ
   ぼ同時期にDICを合併している。
治療:ステロイド大量療法が有効
共通の病態:TNF-a, IL-1, IL-6, IL-8などのサイトカインが過剰になり、       
   その刺激により好中球エラスターゼや補体系、活性化酵素、PAFなど    
   が活性化し、種々の傷害をひき起こす。

ARDS
病態:肺毛細血管内皮傷害と透過性の亢進。
治療:ステロイドの有効性については否定的な意見が強い。
   NO吸入療法、NOドナー薬、好中球エラスターゼ阻害薬、活性酵素   
   スカベンジャー、人工サーファクタント、エイコサペンタエン酸、接
   着分子阻害療法や抗サイトカイン療法が一部臨床で用いられているが
   確実に有効なものはまだない。
[2001年8月31日 16時5分4秒]

お名前: 浦野和子   
5肺高血圧(PH)
1. PHの原因が肺毛細血管より前にあるものを前毛細血管性PHとし、WHOの臨床分類では
(IPに伴うものを除外すると)膠原病PHはこの中に含まれる。
2. PPH:病理所見でplexiform lesionを特徴的に認め、MCTDのPHにも時にみられる。
PPH17例中10例(59%)に何らかの自己抗体が認められた。
3. 1998年 MCTD研究班による各疾患におけるPH合併; MCTD-5.02%, SLE-0.90%, SSc-
2.69%, PM/DM-0.56%(PPH有病率: 1〜2人/100万人)
4. SSc及びその関連疾患では症状の有無にかかわらず年1回UCGすべき。
5. EKG右室負荷所見の有無とET-1濃度に統計学的有意差あり。
6. 厚生省研究班:PH合併のMCTDにおいて、死亡などの「予後不良群」・「比較的予後良
好群」で有意差のあったものは[確診・疑診][肺線維症][胸骨左縁収縮期雑音][労
作時胸骨後痛]」[疲れやすさ][肺拡散障害][筋酵素上昇]。すなわち予後不良を規
制する因子には、心肺不全の自覚症状が強い、特に筋炎症状のある症例があげられた。
7. PHの増悪因子は喫煙・感染症・発熱・貧血・塩分水分の過剰摂取・寒冷暴露・疲労で
ありこれらの除去が重要。ワーファリンの使用は必須。ステロイド投与群は非投与群と比し肺
動脈圧の改善が有意に優れており、ステロイドの最大投与量と肺動脈圧の改善とは有意な正相
関がみられた。時続静注用PGI2(エポプロステノール)はPPHにおいてその著しいQOL改善
効果が認められているが、耐性による効果減弱がある。近く膠原病PHに対する治験が開始
される。今後の薬物療法としてPGI2アナログの皮下注射・吸入、トロンボキサンA2拮抗
薬、ET 受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、NO、phosphodiesterase V
(PDEV) 阻害薬、カリウムチャンネル開口薬、セロトニン拮抗薬、免疫抑制薬がある。外科
的には心房中隔孔作成術、心肺同時移植(アメリカでも移植までの待機期間2年)。
[2001年8月31日 13時27分13秒]

お名前: 樋上聡美   
?????nwct.gp
[2001年8月30日 21時21分7秒]

お名前: 市田久恵   
肺胞出血について
原因:凝固系異常,感染症,中毒物質,薬剤などでも起こるが,最も頻度の高い基礎疾患
  はWegener肉芽腫や顕微鏡的多発血管炎を含む抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎, 
  全身性エリテマトーデスなどの膠原病関連疾患である。
症状:呼吸困難,喀血,血痰で(認めないことがある)
検査:胸部X線:び漫性浸潤影を認める。
   気管支肺胞洗浄(BAL):血性,ヘモジデリン貪食マクロファージを認める。
   高分解能CT(HRCT):び漫性スリガラス陰影,軽症例は小葉中心性の陰影分布。
SLE;頻度:全SLE入院患者の1.5〜3.7%に認める。
   治療:ステロイド,血漿交換,シクロフォスファミドパルス療法の併用療法が有効    
     との報告もあるが,腎病変への効果が少ない,感染症合併による予後不良例の
     報告がある。
ANCA関連血管炎;頻度:ANCA関連血管炎 の12〜15%に合併。(Churg-Strauss症候群では3%)
        治療:ステロイドパルス療法,シクロフォスファミドパルス療法
           (血漿交換の有効性に関する一定の見解は得られていない。)
Goodpasture症候群(GS);腎病変のないGSに肺胞出血を合併することは稀で,合併例の予    
            後は腎病変の程度に依存する。
             治療:免疫抑制剤,血漿交換
抗リン脂質抗体症候群;稀に肺胞出血を合併。やや男性に多く,中年に多い傾向。
           治療:ステロイド反応性は良いが,再発がみられる。
特発性肺ヘモジデローシス;繰り返す肺胞出血が特徴。
           治療:ステロイド薬,アザチオプリン,
              グルテン含有食事療法(複数の有効症例の報告あり)
その他;ベーチェット病:稀に免疫複合体性血管炎による肺静脈塞栓症や動脈瘤形成を認    
            め,これによる出血を認めることがある。
    Henoch-Schonlein紫斑病,IgA腎症;IgA沈着による肺毛細管血管炎の合併
    クリオグロブリン血症,C型肝炎に伴う免疫複合体性血管炎による肺胞出血。
[2001年8月30日 17時37分29秒]

お名前: 市川 奈緒美   
v.1. 中枢神経病変
 膠原病の神経病変で、最も頻度が高く重篤なのがCNSループスである。
 CNSループスがSLEで初発する頻度は極めてまれで、大半の症例はSLEの再発の
 一環として起きている。
 病型として、大きく2つ、神経症状主体型と精神障害主体型。前者の中に
 脳器質症候群型及び、脳血管障害型があり、死に至る重篤な病態である。
 <診断>
  脳波
  髄液; 細胞、蛋白、IgG index、IL-6、IFNa
  MRI, SPECT
  種々の検査を総合して判断することが重要。
 <治療>
  ステロイドパルス療法
  ステロイド抵抗性で治療に難渋する場合は、シクロファスファミド大量静注療法
          (APSの関与の時は抗凝固療法や血漿交換療法が中心)

  CNSループスは、予後やQOLのためにも迅速な診断と治療が一番大切!

  
[2001年8月30日 16時39分48秒]

お名前: 南家由紀   
追加

治療:ANCA力価が高く,RPGN,肺症状として肺出血、急性間質性肺炎を呈する場合はステリ
ドパルス療法・・・・・
[2001年8月30日 15時30分27秒]

お名前: 田中 栄一   
APSについて

APSは動脈血栓をおこす唯一の血栓傾向疾患である。
APSでは脳血管障害が圧倒的に多く、心血管障害は比較的少ない。(そうですかねー?)
よって、APSであれば、無症状でも脳MRIを行うこと。

APS再発予防が最も大事ー(以下はあくまで北大案)
(静脈血栓)Warfarinが第一選択(INR2.0目標)
      少量のアスピリン(バッファリン81/日)の併用
(動脈血栓)少量のアスピリン必須
      血小板凝集抑制薬の併用
      症例によりWarfarinの併用(INR2.0目標)
(妊娠管理)A. 血栓症の既往なし
      1) 妊娠合併症の既往なし(抗リン脂質抗体陽性のみ)
       無治療または少量のアスピリン
      2) 妊娠合併症の既往なし
       少量のアスピリン、これが無効時ヘパリン(または低分子ヘパリン)併用
      B. 血栓症の既往あり
       少量のアスピリンとヘパリン(または低分子ヘパリン)併用
      C. 血栓症と妊娠合併症の両者の既往あり
       少量のアスピリンとヘパリン(または低分子ヘパリン)併用
[2001年8月30日 14時11分1秒]

お名前: 南家 由紀   
VI. 2 MPO-ANCA関連腎炎

血清中にMPO-ANCAを認め, 腎臓の糸球体毛細血管、傍尿細管毛細血管、細・小動脈を病変
の主座とする腎血管炎を呈する疾患

RPGN,血尿、慢性腎炎、慢性腎不全症状を示す。


1)腎限局性
2)1 肺腎症候群
  2 顕微鏡的多発血管炎
  3 Churg-strass 症候群
  4 非高血圧型強皮症腎クリーシス
  5 薬剤誘発性
  6 珪肺誘発性など
などに認められる。

炎症性サイトカイン、接着因子が増加、TH1<TH2サイトカインが活性化していることが多
い。

急性間質性肺炎を示す場合はステロイドのパルス療法、免疫抑制療法。再発が多いので、
PSL 7,5mg-10mgの維持療法続ける。慢性型の場合はPSL 15-39mg,あるいはイムラン、エン
ドキサン25-75mg/dayの併用療法。

どの年齢層にもおこりうる。男女差はない。先行感染症状、貧血、全身倦怠感などの前駆
症状後にRPGNを呈した場合第一に念頭におくべき
[2001年8月30日 13時38分29秒]

お名前: 小関由美   
IV. 血液病変
  3. 血球貪食症候群(HPS)
HPSは高熱、汎血球減少、肝機能障害、高フェリチン血症、DICなどの臨床所見を示し、骨
髄での血球貪食像を伴う成熟組織球の増加を特徴とする疾患。
・分類 : 先天性(原発性)と反応性(二次性)に分けられ、感染症(ウイルス性が多い)
や悪性腫瘍(悪性リンパ腫が多い)に続発する反応性が大半をしめる。
・病態 : 何らかの原因により活性化したT細胞、組織球、マクロファージがサイトカイン
を過剰産生することで様々な臨床症状あを呈する。
・診断 : 骨髄での血球貪食像を伴う成熟組織球の増加、叉は肝脾リンパ節組織中の血球貪
食細胞の増加。高熱、リンパ節腫大、肝脾腫、進行性の2系統以上の血球減少、肝機能障
害、高LDL血症、高フェリチン血症、DICなどの臨床症状。
・治療 : ステロイド薬、免疫抑制薬、抗腫湯薬、血漿交換療法

・SEL活動期の症状とHPS合併の鑑別が重要で、2系統以上の汎血球減少(とくにWBC<2500)
に高度の肝機能障害、フェリチン高値、FDP高値、持続する高熱などを認める場合HPS合併
を疑う。
・ステロイド使用歴が長く、活動性SEL所見のない時は感染症によるHPSを疑う。
・未治療のSLEや少量PSL内服中にHPSを発症した例では3-4日で汎血球減少が進行しDICを呈
したが、ある程度のPSL内服中にHPSを発症した例や早急にPSL増量した例は重症化せずにす
んでいることから、ステロイド反応の良好なHPSも多数あり、HPSが顕性化せずに潜在して
いる可能性も考えられる。
・治療前後でサイトカインを検討したところ、血中INF-g、IL-6、sIL-2R、M-CSFがHPSの病
勢に一致して変動した。
・治療の原則はステロイド大量投与であるが、ステロイドパルス療法や血漿交換療法も併
用され、これらが奏効しない時シクロフォスファミドパルス、シクロスポリンA、ガンマグ
ロブリン大量療法を検討する。
他 : 成人Still病の経過中にHPSがみることがあり、ウイルス(インフルエンザA、EB、サ
イトメガロ)やカンジタ感染の関与の報告もあるが、成人Still病の重症型としてHPSに移
行した例もある。他に、RA、強皮症、MCTD、APSにHPSの合併が報告されている。
[2001年8月30日 11時52分36秒]

お名前: 樋上聡美   
3MHD
[2001年8月29日 22時32分15秒]

お名前: 梶山浩   
消化器病変と腹膜炎  

1. 膠原病に共通する病変 ミ 血管炎による虚血性腸病変

2. 強皮症 ミ 主として平滑筋の萎縮、線維化による蠕動障害で、約82%に消化管障害を有
し、あらゆる部分に病変を起こしうる。一般的には皮膚病変が先行するが、約10%は消化器
症状が先行する。

a) 食道病変 ミ 最も多い。蠕動低下、食道拡張。GERD起こすことが多い。
PPI, H2-blocker, 蠕動機能亢進薬
b) 胃病変 ミ 少ない。10%にみられるに過ぎない。萎縮性胃炎、GAVE。
補足
*antrumに GAVE(gastric antral vascular ectasia)が起こることがある。GAVE患者の62%
に自己免疫疾患やconnective tissue diseaseがあり、SScとの関連が一番報告されてい
る。持続性の出血からIDAとなり、時として胃の部分切除になることもある。内視鏡的レー
ザー凝固、H2-blocker, tranexamic acidで加療する。免疫抑制療法によりGAVEによる貧血
が改善することもあるようである。
c) 小腸病変 - 88%に蠕動低下、拡張。吸収不良(小腸内の細菌の異常繁殖が主な原因), 
嚢胞状腸気腫症 ( pneumatosis cystoides intestinalis )
d) 大腸病変 ミ 50~70%に認める。拡張、偽憩室、GAVE様のtelangiectasiaによる出血。

3. 多発性筋炎・皮膚筋炎 ミ 喉頭・咽頭・食道上部の骨格筋の障害による嚥下障害が特
徴。平滑筋にも及び食道・小腸の蠕動低下も。血管炎による潰瘍・穿孔、PCI, 偽憩室。

4. SLE ミ 2%で腸間膜血管炎。致死率 >50% !!。血管炎による膵炎、胃炎、出血性回盲
部炎、腹膜炎、蛋白漏出性胃腸症。

5. 血管炎症候群
a) classical PN ミ 6%に消化管出血, 5%に消化管穿孔,1.4%に梗塞。血管炎による胆嚢炎
17%.膵炎、虫垂炎の報告も。
b) AGA ミ 42%に腹痛、下血、下痢。組織にはeosinoの浸潤。
c) HSP ミ 68%に血管炎による疝痛発作。 

6. Behcet病 ミ 90%に oral aphtha。腸管Behcet(回腸末端44%,回盲部34%,盲腸12%)

7. SjS ミ 唾液分泌低下による味覚障害、地図舌、虫歯、喉頭食道乾燥による嚥下障害、
鼻出血。

8. RA ミ NSAIDSによる胃十二指腸潰瘍、腸管の血管炎(0.1%)、消化管アミロイドーシ
ス、穿孔性腹膜炎(症状にとぼしいので注意)

消化管の血管炎の治療 ミ mPSLpulse followed by PSL60mg~100mg/day. CY pulse or 
oral CY. PSL+CY pulse+plasma exchange  
[2001年8月28日 21時13分3秒]

お名前: 松田祐子   
13. 腎不全
腎不全をきたす膠原病の病態
・SLE、顕微鏡多発動脈炎(MPA)−−腎不全へいたる頻度高い。 ・PM/DM−−腎不全まれ。
・強皮症腎、劇症型抗リン脂質抗体症候群、MPA−−急速に末期腎不全に。 
・ループス腎炎、二次性アミロイドーシスーーゆっくり進行。
・血清Cr 2mg/dl以上ーー基礎疾患の種類にかかわらず腎障害は進行する。
慢性腎不全患者の管理
・糸球体高血圧を是正するための血圧コントロール必須。(高圧目標130/85mmHg未満)
   ACE阻害薬が第一選択(輸出細動脈を拡張するため)。Ca拮抗薬は不適(輸入細動脈を拡
張するため)。
・蛋白、食塩制限食。
・Cr>5でシャントを作成、透析への準備必要。
膠原病各疾患における腎不全
・ループス腎炎ーー血清Cr>3で、腎硬化病変が進行、steroid,免疫抑制薬の効果は期待できな
い。移植腎でのループス腎炎再発は3%以下。腎移植の良い適応。
・強皮症腎ーーACE阻害薬の使用により予後著明に改善。予防効果のエビデンスはない。透析導
入後の予後悪い。移植腎の生着率はSLEに比し悪い。
・二次性アミロイドーシスーーRAに伴う場合、AAアミロイドーシスが消化管、肝臓、腎臓に沈
着。ネフローゼ症候群から緩徐に腎不全に。
・間質性腎炎ーーSLE,SjS,薬剤としてはNSAID,シクロスポリンにより誘発。末期腎不全への進
行は少ない。

以上です。
[2001年8月28日 17時44分0秒]

お名前: 岡本 完   
夏休みの宿題:ステロイド抵抗性筋炎
まず、筋炎の診断が正しいかを再確認する。代謝性ミオパチー、薬剤性ミオパチー(ステロイド、H2-blocker,高脂血症治療薬など)などの鑑別。
自己抗体からみると、抗ARS抗体、抗SRP抗体陽性例は治療抵抗性の危険因子となる。
ステロイド、ステロイドパルスにも反応しない症例には、MTX, CPA pulse, AZのどれかをを選択するかCsA,FK506の使用を検討。これらが無効な例にはIVIGも使用を
考慮する。
蛇足ですが、ステロイド抵抗性の定義は確定的なものはないと思いますが、IVIGの治験では「プレドニゾロンとして50mg/dayまたは1mg/kg/day以上で治療を
開始し、原則4週間以上投与しても治療開始後のMMT検査で合計スコアの差が4点以下の改善、不変もしくは悪化したもの」となっています
[2001年8月28日 13時52分11秒]

お名前: 平田信太郎   
17.皮膚病変と膠原病

・膠原病の皮膚症状には特異疹と非特異疹に分けられ、特異疹の存在は診断名と密接に
関係。

・SLE
・SLEの皮膚病変は現在Acute,Subacute,Chronic-cutaneous lupus erythematosusに分け
て考えられる。
ACLE;蝶形紅斑
SCLC;円盤状紅斑
CCLC;環状ないし乾癬型紅斑
・小児DMでの頬部紅斑とSLEの蝶形紅斑の違いは、小児DMではSLEに比し表皮変化が乏し
く、
組織学的にはムチンの沈着を認める。
・顔面の環状辺縁隆起性紅斑は従来SCLEと考えられることが多かったが、現在はSjSに特
異的な
皮疹と考えられている。
・重症型のSLEに見られる皮膚症状は、紫斑、血管炎、皮内結節型など。とくに皮内結節
型は
肝硬変の手掌紅斑と混同することがある。

・SSc
・強皮症の病型分類
LeRoyの分類(limited cutaneous SSc、diffuse cutaneous SSc、localized form)
RodnanとJablonskaの分類(病因論的に強皮症病変を分類)
Barnettの分類(皮膚硬化病変による病型分類)
・硬化が急速に進行するBarnett 3型は予後不良、CREST型は予後良好。
・SScの病因としてマイクロキメリズムが注目されている。

・PM/DM
・最近脂漏性皮膚炎類似の顔面皮膚炎が皮膚筋炎の発症に先行すると報告され注目され
ている。
・ポイキロデルマ(多型皮膚萎縮)は診断価値が高い。
・小児皮膚筋炎には石灰沈着がみられることがある。
・PM/DMに伴う肺線維症の発症と、手・指に生じる深い穿屈性ないしAtrophie blanchを
ともなう
潰瘍形成との間に有意相関がみられたとする報告もある。

・SjS
・SjSの皮膚症状は多彩。
・抗ガンマグロブリン性紫斑は臨床上慢性再発を繰り返す、汚い色素沈着を伴う
点状ないし斑状の紫斑性病変で、運動負荷で誘発されることが多い。
・凍瘡様皮疹は、成人女性で毎年繰り返し手・指全体に紅斑の見られる例で、検査でSjS
が
明らかになることが多い。
・最近SjSとC型肝炎の関連性が報告されている。両者ともクリオグロブリン血症が多
い。
・環状隆起性顔面紅斑はSjSに特異的と考えられる。1-2ヶ月持続し色素沈着を残さず消
退するものが多い。
・SjSの特異疹も稀に光線により誘発されるが、SjSではSLEに比し皮膚ケラチノサイトで
のiNOS(inducible
nitric oxide synthase)の発現が弱いことより病因論的に異なると考えられる。
・非閉経SjS患者では更年期症状が他の非閉経膠原病患者、非閉経皮膚疾患患者より有意
に多く、
また非閉経SjSの80%に顔が火照る、足が冷える、手足がしびれるなどの自律神経症状な
いし循環障害に
基づく症状がみられた。一方閉経群ではSjSと他の皮膚疾患群で陽性頻度と差はみられな
かったことから
SjSでは閉経前より更年期症状に類似した症状がみられると考えられた。
・更年期症状を主訴とする非閉経者ではSjSの鑑別が必要。

・RA
・RAはSweet病、壊死性膿皮症、リウマチ性血管炎、リウマチ性好中球性皮膚症などの皮
膚疾患も
経過中生じることが多いと報告され、好中球の異常活性化にもとづくと思われる。

・AOSD
・以前よりWissler-Fanconi症候群(subsepsis allergica)として知られる病型に類似。
[2001年8月28日 13時12分36秒]

お名前: 平田信太郎   
16.後腹膜線維症

・一般には良性の疾患で、症状は背部痛、倦怠感、乏尿・無尿。
・一部に尿閉から腎不全に至る症例もある。
・上〜中部尿路の狭窄・閉塞は多くが両側性で、片側性は約30%で左右差なし。
・尿路の狭窄部位は上〜中部尿路がほとんどで、下部に限局するものは稀。
・尿管造影、CT、MRIが診断に有用。

・続発性の原因は薬剤性が多く、methysergide(麦角アルカロイド、日本未発売)が全
体の10%以上。
他にも、麦角アルカロイド(bromocriptine)、鎮痛剤(phenacetin)、降圧剤
(methyldopa、
hydralazine)などの報告例がある。
・鎮痛剤の乱用者に後腹膜線維症が多いとの報告がある。
・膠原病で多いのはSLE、血管炎(PN,高安動脈炎)、SjS、seronegative 
spondyloarthropathyなど。
最近はP-ANCA関連血管炎の報告が多い。
・後腹膜線維症、横隔膜線維症、炎症性大動脈瘤は組織学的に類似しており、まとめて
「慢性大動脈周囲炎chronic periaortitis)との呼称が提唱されている。
・前記の類似性から粥腫内の物質に対する抗体が推測され、抗セロイド抗体や
抗酸化LDL抗体が報告されている。

・治療は手術とステロイド。ステロイドは30mg/dayの報告が多いが、パルスも報告あ
り。不応例には
AZTやMTXの有効例報告あり。最近は乳癌治療薬タモキシフェンの有効例が海外で相次い
でいる。
[2001年8月28日 13時11分24秒]

お名前: 鎌谷直之   
日本内科学会雑誌Vol 90 No 8
に膠原病の難治性合併症が特集されています。
これについて、各自、読んで、かいつまんでこの掲示板で
トピックスを教えて下さい。

あまり、細かいことや、一般的に認められていないこと、
あまり、研究的なことは結構です。特に、臨床で大切なことを
書いて下さい。

取りあえず、

1. 肺病変、肺出血 → 市田先生
2. 肺病変、間質性肺炎 → 中島洋先生
3. 成人StillとARDS → 中川先生
4. 消化器病変 → 梶山先生
5. 肺高血圧症 → 浦野先生
6. 抗リン脂質 → 田中栄一先生
7. TTP → 古谷先生
8. ITP → 滝沢先生
9. HPS → 小関先生
10. 中枢神経病変 → 市川先生
11. ループル膀胱炎 → 樋上先生
12. MPO-ANCA関連腎炎 → 南家先生
13. 腎不全 → 松田先生
14. ステロイド抵抗性筋炎 → 岡本先生
15. ムチランス型RA → 中島亜矢子先生
16. 後腹膜線維症 → 平田先生
17. 皮膚病変と膠原病 → 平田先生
[2001年8月25日 16時10分12秒]

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