記事タイトル:人工関節学会に出席して 


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お名前: 斉藤聖二   
谷口先生、早速のresponseありがとうございました。膝関節の例ですが、骨破壊
が急速に進行する前兆として、RAのみで観察されて、OAでは認めない、脛骨関節面直下に半円
形状の骨硬化を伴う陰影が強く生じます。このようなcaseでは、骨破壊のspeedが例えば
0.28mm/月であった症例では、この丸い骨硬化像の出現によって0,57mm/月と明らかに進行しま
す。X線像をよく見ると結構頻繁に遭遇いたします。この丸い骨硬化像は、予後不良のサインで
はないかとも思われます。
[2001年3月26日 22時26分30秒]

お名前: 斉藤聖二   
赤間先生、早速のレスありがとうございました。確かに手術のvariationは多くありませんし、
見よう見まねで手術は出来てしまいます。しかし、常に一定の成績を上げるためには、理論にも
とずいた手術手技が必要になってきます。つまり、variationがない分、一定の技術を習得する
事は簡単といえます。しかしだからこそ、そこから更に手術手技を深く追求する整形外科医も多
くなり、経験と理論を基に、深く考えた色々の手術手技が編み出されやすいということにもなり
ます。このことは、人工関節をひととおり出来ればいいと考えている人びとには無意味な論争に
なってしましますが、少しで術後成績の安定化を望んでいる方々にとっては大きな問題となりま
す。私も少しでもこのような先生方についていき、あるいは乗り越えてよい人工関節専門医にな
りたいとおもっています。
[2001年3月26日 22時8分29秒]

お名前: 赤真秀人   
斉藤先生:

素人の質問です。人工関節の手術は他の整形外科オペと比べると、あまりバリエーションがない
と聞いたことがあるような気がするのですが、そんなことはないのでしょうか? 同じ会社の同
じ製品を使用する場合も、やはり手術手技に関していろいろなやり方があるのでしょうか? 
[2001年3月26日 13時20分5秒]

お名前: 谷口敦夫   
興味深い内容をありがとうございました。ところで、「レ線上に生じる丸い骨硬化像か
ら、膝関節破壊とその進行を予測し得る」という点に特に魅力をかんじました。これは内
科医でもわかるようなものなのでしょうか?
[2001年3月26日 12時30分37秒]

お名前: 斉藤聖二   
3月22日から24日まで日本人工関節学会に出席しました。
大変な盛況で、多くの演題が発表され、当センターでも三演題を発表しました。すべてRAの症例
ですが、川村先生によるmetal on metal人工股関節の中間成績、圓尾先生によるcementless人
工膝関節の中期成績と渡辺先生による膝関節破壊と手術時期の検討です。RA症例によるまとまっ
た人工関節の報告は少なく、このような発表は、RAに疎い整形外科の先生方には、非常に有用な
演題であったと考えられます。特に渡辺先生の報告は、レ線上に生じる丸い骨硬化像から、膝関
節破壊とその進行を予測し得るという内容で、臨床にすぐに応用できる点から非常に有益であっ
たと思います。
人工関節学会は、人工関節のすべての問題を扱う学会ですが、特に手術のやり方などの方法論が
中心となる学会です。今年も、手術の方法論を扱う発表が多くありましたが、あまりにも細かい
手術手技が討論の中心となり、だんだん職人さんの名人芸の世界に入り込んで、では実際に我々
が限られた手術時間内に、そのような細かい手技方法を行う余裕があるかどうかと疑問思うこと
もありました。 しかしながら、手術成績を向上させるためには、そのような細かい手術に対す
る気配りが必要であることも痛感しました。いずれにせよ、我々は、常に自らの技術を向上させ
るためにこれからも必死に(己への希望を含めて)取り組んでいかなければならないと思いま
す。
[2001年3月26日 10時6分33秒]

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