記事タイトル:エボザック(SNI-2011)の治験経験 


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お名前: 鈴木 貴博   
このところバタバタしていて,コメントが遅くなり申し訳ありません.
商品名がエボザックとは知りませんでしたが,SNI-2011はもともとアルツハイマー病の薬
剤です.副作用として流涎が出たためシェ−グレン症候群の治療法として使えないかとの
ことで,柏崎先生のところに話がありました.
私は早期第2相の段階から治験に関わらせて頂きました.
第1例目の印象が強烈でした.乾燥症状には良く効きましたが,同時に発汗や動悸などの
自律神経症状も出現し(中止する程不快なものではなく)本当に薬が体に効いているとい
う感じで,治験終了時にはその患者からかなり残念がられました.安全性のための長期投
与試験となった時,その患者は”い”の一番で喜んで参加してくれました.
その後の症例も含めて考えてみますと,当然のことながら唾液分泌能がもうほとんどない
患者では唾液は出ず,不快な自律神経症状のみが前面に出た印象です.トータルでみた時
にはあまり良い成績ではなかったので,開発の担当者に投与前のガムテストでの唾液量で
層別化して検討した方が良いとアドバイスしたことを記憶しています.詳しい成績はもう
手許に資料がないのでわかりませんが,”からから”ではなく”そこそこ分泌されてい
る”症例を選んで使われたら良いと思います.そして臨床研究として,早期から本薬剤を
投与した群では投与しない群と比較して長期予後が良いのかどうかをみてみたら面白いと
思います.先生方の参考になれば幸いです.
[2001年3月15日 18時42分27秒]

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