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お名前: 鈴木由貴栄
31日の時点では自発が全くなかったのですが、週末回復され自発も出現して本日抜管と
なりました。挿管時の低酸素状態というのは否定できなかったので、昨日勝又先生の書き
込みを読んだ時は顔面蒼白となったのですが、よかったです。依然として両下肢麻痺があ
りますが、知覚は保たれているようです!?横断性脊髄炎では知覚・運動両方やられるの
ではなかったでしたっけ?基本的な質問ですみません。
[2002年9月2日 20時38分32秒]
お名前: 勝又康弘
URL
通常、髄膜炎単独では呼吸中枢への影響はありません。膿が頭蓋底に貯留して頭蓋内圧
亢進→ヘルニアを生じれば、あり得ますが、実際には可能性は低いでしょう。
但し、急性横断性脊髄炎(ATM)の髄液所見では、多核球優位の髄液細胞数上昇を呈した症
例の報告もありますが、通常は、単球優位の軽度の細胞数上昇か、細胞数の上昇を伴わ
ない蛋白増加を示すことが多いので、ATMの有無は不明ですが、何れにしても本症例では
発熱や頭痛も呈しており細菌性髄膜炎は存在したのではないでしょうか。
そして、一方で、現在、全身状態が回復傾向にあるにもかかわらず、自発呼吸が回復し
ないとなると、やはり脳幹障害のおそれがあります。いわゆる脳死という状態ですが、
その他脳死判定基準にあるような脳幹障害の徴候はあるのでしょうか?(URL参照)
万一、脳幹障害を呈しているとすると、それがATMなどのCNSループスが脳幹に(も)生じ
ているのか、呼吸状態悪化→気管内挿管時に生じたかもしれない低酸素脳症の影響なの
かはわかりませんが……。前者であれば、まだ積極的な治療の適応はあるかもしれませ
んが、後者だと厳しいかもしれません。
現在の状況を知らず、診察したわけでもないのに、勝手なことを書いて申し訳ありませ
んでした。取り敢えず一般論としてお読み下さい。
[2002年9月1日 2時38分5秒]
お名前: 鈴木由貴栄
そうですよね。急性期は腱反射消失でいいんですよね。患者さんは髄膜炎というふれこ
みで入院してきて、心不全から肺水腫になってしまい人工呼吸器管理になってますが、肺
は良くなっているし、血ガスもいいし、髄液の細胞数もどんどん良くなっているのに全く
自発がでてきません。それも髄膜炎のためなのか、SLEのCNSループスのせいなのか判断が
難しいところです。SLEの活動性が上がってきていることは確かなのですが・・・。
[2002年8月31日 22時58分34秒]
お名前: 勝又康弘
前記書き込みでうっかり間違いがありました(神経内科の臨床から離れすぎて基本的なこと
を忘れていました).
急性横断性脊髄炎は,完成すると病巣部以下の支配領域における深部腱反射は亢進します
が,急性期においては,弛緩性麻痺を呈し,深部腱反射,表在反射共に減弱ないし消失し
ます.その後,まずBabinski反射が出現し,その後皮膚刺激で屈曲逃避反射が出現するよ
うになり,深部反射は亢進し,麻痺は痙性麻痺となります(全て病変以下の症候).ですか
ら,本症例も横断性脊髄炎として矛盾しないようです.
[2002年8月29日 12時47分12秒]
お名前: 勝又康弘
病棟で両下肢麻痺(対麻痺)を呈して,横断性脊髄炎が疑われるSLEの患者さんがいます.
膝蓋腱反射とアキレス腱反射が消失するなど合わない所見もあり,またMRIも撮れるよう
な状態ではないので,診断ははっきりしませんが,この際PubMedでちょっと調べました
ので箇条書きに報告します(但し文献はどれもまだabstractを読んだだけです).
・比較的稀である(1-2%)(得に本邦の報告は少ない)
・SLEの活動性や罹病期間との関連はない
・特定の自己抗体や補体などの検査所見との相関はない
・但し,抗リン脂質抗体との関連については,あるという報告とないという報告がある
・延髄から腰髄円錐までに生じ(胸髄に多い),部位に一致した神経症状(麻痺・感覚障
害・膀胱直腸障害など)を呈する
・MRIでは病巣の脊髄がT2WIで高信号や浮腫を呈する
・急速に進行し,放置すれば予後は悪く,生命は助かっても脊髄障害が残る
・自験例14例と文献例あわせた105例を検討した報告では,完全軽快が50%,部分改善が
29%,改善無しが21%
・早期診断,早期治療が治療の鍵で,ステロイドパルス療法とエンドキサンパルス療法
の組み合わせが効果があり,血漿交換が行われることもある
SLEとは関係のない一般的な話ですが
・感染症による横断性脊髄炎の報告は稀で,マイコプラズマ肺炎後にマイコプラズマが
原因となって生じた症例や,髄膜炎球菌による症例が散見される
[2002年8月28日 23時13分15秒]
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